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ゴロア

(いや…まじか…)


 まだ確定はしていないが異世界転生てきなやつしたらしい。

 もしくはここが死後の世界か…。

 だが、それを確定させるにも今は情報がなさすぎる。

 どうしたものか…。

 まず場所を知らなければ…。


(まあ…来たことないしな…)


 見たところ森の中らしい。

 周りは元々俺がいた地球では見たことのない異形の植物ばかりだ。

 さっきの俺を起こした鳥も変な鳥だった。

 異様に翼が大きいし、色が奇抜すぎる。


(草間○生かよ!)



 むやみに歩くのは得策ではないだろうが、何もしなくても状況は変わりそうにないので森の中を探索することにした。

 地球と同じように太陽はあるらしく、眩い光がさしこめていた。

 そして、森の中はあいかわらず同じ景色が続いている。

 地面は泥のところもあり、歩きずらい。

 というか出口がない。

 

(まあ…歩いてたら見つかるか…)


 景色が全く変わらん。

 あいかわらず変な植物と動物を見るぐらいだ。

 二時間ぐらい歩いた気がする。

 自殺するのだから何も持たなくていいと思ったので何も持っていない。

 まずい。非常にまずい。

 この世界が何なのか分からず死にたくない。

 地球での生活は平和すぎたのでこういうシチュエーションも思い描いたことはある。

 だが、さすがに不安になってきた。

 この楽しそうな世界のことを何も知らずに死ぬのか…。


「そんなの嫌だ~」


 俺は叫んだ。

 だが、あまり大きな声は出せなかった。

 喉が乾いたのだ。

 なにか飲まないと死ぬ。

 俺は辺りを見回した。

 そうすると小さな池があった。

 濁った水なら飲もうとも思わなかったが、とてもきれいそうに見えた。

 だが、こんなよくわからない世界の水だ。

 大丈夫なのか…。

 しかし飲まないと死ぬ予感がする。

 俺は飲むことにした。


「う…うまい」


 普通に飲めた。

 自分の体を見たが異常はない。

 安全らしい。

 その後も俺は飲んでいた。

 その時だった…


「お前は何もんだ?」


 声が聞こえた。

 聞こえたというより直接頭の中に入ってきた感じだ。

だがまったく正体が分からなかった。

 どういうことだ。

 今確かに聞こえたはず…。


「池の中だよ!」


 どういうことか全く分からないが、池の中に顔を突っ込んでみた。

 そこには魚しかいない。

 

(幻聴か?)


 そう思った。…が。


「目の前の魚が俺だ」

「は?」


 俺は一旦池から顔を出した。

 ちょっとよくわかんない。

 いやいや待って。

 どういうことだ…。

 俺は少しの間考えた。

 だが、よく分からん。

しかしここは俺とは違う世界っぽいし、魚も喋れるのか?


その魚が水面から顔出した。


「この世界では魚は喋れるのか?」


 俺はさっそく今の最大の疑問を魚に言ってみた。

ちゃんと答えてくれるのか?


「いやそういう訳では無いぞ?」

「は?」


 また訳が分からない。

 ん?これはそうだ!夢だな!…いや違うな…どゆこと?


「おい!俺の話を最後まで聞けよ!」

「ん?」

 

 目の前の魚が叫んだ。


「普通の人間には聞こえないが、ある特殊な能力を持った人間は自分とは違った動物と喋れると聞く」

「ふむふむなるほど」


 そういうのがこっちの世界にいるらしい。


「続けて〜」

「イラッとする言い方だな!まあいい…それでお前はそれじゃないのか?」

「知らん!」

「は?」


いやしょうがない。

分かんないんだもん。


「いやまじわからん」

「まじか……」


そんなところでふと疑問が浮かんだ。


「なんでお前は俺に話しかけてきたんだ?普通は喋れないんだろ?」


 当然の疑問だ。

普通は喋れないのだから。


「うちのじいちゃんがな、そういう人間と仲が良かったらしいんだよ。それで人間を見つけたら話しかけてんだ」

「あ…そゆことさね」

「ていうかよく俺と喋れるな?」

「は?」

「魚の俺とだよ!」

「いやそれはお互い様だろう?」

「あ…確かにな」

「意外と気があうんじゃねぇか俺たち?」

「わかるわ。他の魚の同類より話しやすいわ」

「俺の名前は漣司だ!ツカサでいいぞ!一応人間です!」

「俺はゴロア!まあゴロアでいいよ…。スパイラルフイッシュっていう名前の種族名だ」

「いやスパイラルフイッシュとかかっけぇな」

「だろ?」


俺は異世界らしき世界に来てスパイラルフイッシュのゴロアと友達になった。



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