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枕元の出会い

第1話 枕元の出会い


 朝、目が覚めると、枕元に薄絹をまとった女性が座っていた。


 金縛りにでも会うかと思ったが、特にそんな気配はない。彼女は、たたずんでいるだけだった。目を閉じてから見直しても、布団を被ってから見直しても、彼女はそこに居続けた。


 仕方がないので、起きることにする。ゆっくりと、刺激をしないようにして…


「殿、おはようございます」


 彼女の綺麗なアルトの声が聞こえた。おはようって言っているから、俺に対してだろうし、殿って?


 疑問は頭を過るが、反射的に、


「おはようございます」


と答えている自分がいた。


 それを聞いた彼女は、深々とお辞儀をしてから話し始めた。


「この度は、殿に一族の最後の末裔をお救いいただき、感謝の念を持って現れた次第です」


 一族の末裔?助けた?思い当たる節が無い。この人は何を言っているのだろう。そんな俺の考えとは関係なく彼女は話続ける。


「この恩に報いるべく、我クラシュカの女王ラルカ自ら参じた次第で御座います」


 あー、わからない。このもの静かで綺麗な女性に会った事は?ない。彼女に似たような人を助けた記憶は?ない。そーなると、


「あのー、人違いでは無いでしょうか?」


 俺の疑問をぶつけてみるしかない。


「いえ、あなた様で間違い有りません。助けて頂いた昨日の晩から、憑依してます故」


 今、さらっと、憑依とか怖いこと言っていたよ。でも、昨日の晩に助けた記憶は…いつものように、間違って道を歩いている蝉の幼虫を木に乗せた位だし、そんなの毎晩見付けたらやってあげている事だけど、それ以外思い当たる節はない。


「あの、もしかして蝉に関連有ります?」


 すると、彼女は、両手を合わせて握りしめ力強く。


「はい、その蝉です」


その朝が、俺とラルカの出会いだった。


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