転生したら終わっていました~姉視点~
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変なテンションが落ち着いて来て、前作を見直していたら、美味しいキャラを消していました。もったいない! と手直ししながらこの作品になりました。単純にシリアス付けようと思うも、シリアスに見えません……。
*シスコン注意
私の名前はエレーナ・ルッツ・ハールヴァル。このハールヴァル王国の元王女です。なぜ家名と国名が同じなのに元王女なのか、ですって? 12年前、私が4歳の時にラトーク公がクーデターを起こし、父王と母王妃、上の兄二人と弟を捕らえ処刑されたからです。傀儡政権の話が出ないほど兄は愚かでした。臣下も民も祖父王の時代から暴政に耐えていたのに、父は金遣いは荒く女癖も悪い、仕事をしないの3難王でしたもの。側室に関しては、朧気な記憶ながら何人居たのか分かりません。
クーデター後私と妹(生後4日)のフィル、フィルティーカ・ルッツ・ハールヴァルは、ラトーク公爵家に預けられました。私か妹を王妃とし、王配を王とする計画が進んでいたのです。その王配の最有力候補が、ラトーク公の子息ライサス・ルーク・ラトーク様でした。私とライサス様は同い年で、周りは私達が結婚すると思っておりました。私も今ではお慕い申し上げておりますが、引き合わされた当初の仲は最悪と言って良かったでしょう。
なぜかというと、あの当時のライサス様は王家に良い印象をお持ちではなく、子供らしい素直さと正義感が前面に出ておいでで、良く私や妹に文句を申していた物です。私はともかく生後間もない妹に言って良い事ではありません。
妹が3歳になった頃には、泣いたり怒ったりという負の感情を見せない妹を気味悪く思っておりました、そして妹が4歳になる間際ライサス様との関係が改善、いえ、悪化いたしました。
ある朝、泣き腫らした顔をした妹を連れて、ライサス様が私の前にやって来て、私と妹に今までの事を詫びたのです。その時私は、詫びの言葉を聴かずライサス様に突っかかり、妹に窘められました。その結果私とライサス様のお詫び合いと相成りましたが、ラトーク公爵夫妻の暖かい顔は忘れられません。妹第一の私と妹に恋をしたライサス様の仲はライバルと言って良かったでしょう。
少しづつ大人になられるライサス様を見て、私の胸が高鳴り出したのは、いつ頃だったでしょうか。今まで通りを心がけても平凡な私では、非凡な妹には隠し通す事はできず「ライサス様がお兄様になるのですね」と悲しそうにした妹の顔を忘れようはずがありません。
私は知っているのです。フィルティーカがラトーク公爵夫妻の事を養父母として見ている貴女が、ライサス様への恋心に蓋をしているのを。聡貴女は、私とライサス様が夫婦になると、政治面を重視して見ているのでしょう。
そんなある日、何処ぞへと逃れた姉から手紙が届きました。内容は反乱の内応。クーデター後、12年でほぼ一枚岩になっている今のハールヴァル国を分からぬ愚姉。それでありながら私は歓喜したのです。腐敗した貴族と愚姉、何より私自身を物理的に消す案が向こうから来たのですから! 独り残っていた兄も過労が祟り亡くなり、上手くやればフィルとライサス様の邪魔者を消せるのです。上手くやる、以外無いではないですか。
「アンジェリカ手伝ってくれますね」
「御意」
私の乳姉妹を巻き込むのは気が引けましたが、この策の為なら心を鬼にしましょう。ラトーク公いえ、宰相には話して置きましょう。失敗は許されませんし、何よりフィルの安全が一番です。
最初反対していた宰相も、一度目を瞑ると私に王族に対する最敬礼をすると、私の案に載ってくれました。
あの手紙が来て一年、17歳になった私は生涯幽閉を言い渡されました。優しいラトーク公は姉を処刑できても、私は処刑できなかった様です。
あぁ、最後に言わねばならない事があるわ。
「フィルティーカ、姉として最初で最後の命令です。今後、手紙を含め私との接触を禁じます。素直になり、幸せにおなりなさい」
「お姉様ー!」
こうでも言わないと貴女は来てしまうもの。
私が幽閉され10日、この日来た手紙にやっとフィルが部屋から出たと書いてありました。私と別れたフィルは1週間、部屋に籠っていたそうです。心配していても、もう注意する事はできません。
更に1年がたったある吉日。
「今日はフィルとライサス様の結婚式ね」
「はい。嬉しそうですね」
「当然よ!」
最後までお読みいただきありがとうございます。どうだったでしょうか? なぜこんな美味しいキャラを消したのか……。変なテンション怖いです。