青年と愛と金と命と中年
ある、青年がいた。
青年は、人生とは何かを模索していた。
ある未亡人が言った。
「この世で一番大事なもの、それは愛よ。どんなものを手に入れても、そこに愛がなければ悲しいだけよ。青年、恋をしなさい。」
青年は彼女の教えに従順になり、数多くの女と付き合い、恋をした。
ある失業者が言った。
「この世で一番大事なものは、金だ。今、俺のことを汚れたやつだと思っただろう。だがな、結局は金なんだ。恋だの愛だの現を抜かしてるのは、金に余裕があるからだ。金さえあれば何でもできる。」
青年はそれを聞き、必死に働いた。
青年が理想の女と出会い愛し合い、一生遊んでいられるだけの富を築いた時、彼は中年と呼ばれる歳になっていた。
中年は、ある時老人にであった。
ある老人が言った。
「この世で一番大事なことを知ってるか? それは健康だ。健全な身体と魂、それさえあれば何でもできる。人生の目的に愛だの金だのを掲げてる奴がいる。結局は健康な身体がなければ何もできない。なあ、そうだろう?」
中年はそれを聞いた翌日、自宅の柱で首を吊った。