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シアトリカル―素人(?)劇団  作者: 琅來
白雪姫~時と宇宙を越えてver.~
8/13

~自己紹介~

ふた 「元々はシンデレラの父親役と言う、性別とは懸け離れた役が当たっちゃったけど、再選の結果白雪姫になった双葉です! ふふ、やっぱり元祖プリンセスはプリンセスなのよ! 何千年も続く家系図がある一族の末裔としては、やっぱりちょっと嬉しいわね」


「ちょっと、何言っちゃってんのよ、双葉。何千年も続いてるのは、双葉のお蔭じゃないでしょ? しかもそのご先祖様だって、古代は近親相姦の坩堝じゃない。第一、猫かぶっちゃって大人しくしてるの、双葉らしくないけど? それにさあ、その白雪姫の清楚な服装――派手な双葉には似合わないよ。わかなら、すっきり収まったかも知れないけど。あんた達、双子のくせして全っ然性格違うからねぇ」


双葉 「むきぃ~! 何よ、千紗なんて、白雪姫の継母役のくせに! こんなに早く出しゃばってっ!」


千紗 「そりゃあそうだけどさ、あたしの前にいるのって、こんじょうみや女王様だよ? 癒璃亜女王様はあんたと面識ないし、早宮の方だって、日本州で最も位の高い天皇家の内親王に、大人しく口利けるって思ってるの? あのオドオド野郎に?」


双葉 「ぐっ……紺城さん! 自己紹介!」


早宮 「は、ははは、はいっ……! え、えっと、白雪姫の父親役の、紺城早宮です! え、え~っと、元は、千紗さん達の婚約者候補で、同い年でした! そ、その、宜しくお願いします!」


癒璃亜「まあ、随分と……まあ……。あ、わたくしは、現()おうこく国王()うんきょうの曾祖母で、本編では幽霊として出ておりました、花雲恭癒璃亜ですわ。ちなみに、四代前の国王でもありました。一応、魔族の力と知能と体力を持っているので、相当強い部類に入ると思いますわ。役は白雪姫の実母です。宜しくお願い致しますわ」


千紗 「はい! じゃあ改めて、本編の主人公の一人、ほんじょう千紗です! あ、でも、産まれて何週間か経ってから十三歳ぐらいまではさいいん千紗でした。理由は本編を読んで下さい! 役は、さっき双葉がばらしちゃったけど継母役です! 双葉をいじめていじめていじめ抜くつもりです!」


双葉 「あ、ちょ、千紗っ!」


千紗 「はい、次! もと!」


素香 「えっと、千紗達の友達の、なか素香です。役は鏡だから、声だけの役かぁ……。でも、チョイ役よりはましかな」


「では、次はわたくしですわね。わたくしは、花雲恭些南美と申しますわ。花鴬国第五王女で、千紗さん達よりも二歳年下ですの。役は狩人ですわ」


千紗 「ふふ、の妹の些南美が、狩人かぁ……。……何か、似合わない。って言うか、怖いんだけど、由梨亜の視線っ……!」


些南美「まあ、あちらに御姉様がいらっしゃいますわっ! 他にも、富瑠美御異母姉様(おねえさま)や、はどうでも宜しいとして、まあ、何てことでしょう! 御異母兄様おにいさままでいらっしゃいますわっ! まあ、まあっ!」


千紗 「……うん。この子、間違いなく由梨亜の妹だよ……。冷徹なスルースキルと、好きな人に対する一途さが、何かもう憐れだ……。うん、もうちゃちゃっと進めちゃおう? 次っ……って、そこ! 些南美と目で会話してる場合じゃないしっ!」


富瑠美「……まあ、仕方がありませんわね。わたくしは小人その一の、花雲恭富瑠美ですわ。御母様――いえ、深沙祇妃が、同じ小人役なのが癪ですけれど……」


千紗 「富瑠美ってさぁ……本当に、実のお母さんが嫌いだよね。育てのお母さんの方に懐いてるって言うか……」


富瑠美「まあ、当り前では御座いませんか。何と申しましても、あの深沙祇妃は、生後間もないわたくしを育児放棄したのですよ? それが母親ですか? 真に信じられませんわ。それに対してマリミアン様は、その産まれたてのわたくしを、とおの歳になるまで育てて下さいましたのよ? おまけにあの深沙祇妃は、わたくしの大切な御母様であるマリミアン様を侮辱なさいましたのですわ。わたくしが深沙祇妃を嫌い、マリミアン様を好むのは自明の理に御座います」


千紗 「……ああ、うん、あんたにこの話題振ったのは間違いだったよ。ええっと、次の、小人その二さん……って、誰?」


富瑠美「まあ、貴女は正真正銘の御馬鹿さんでいらっしゃったのですわね。御自分の親友の祖父君を知らぬと仰せなのですか?」


千紗 「え? お祖父ちゃん?」


富瑠美「ええ。こちらの方は、ノワール・エリア・スウェール。先代のせんしゅくだいじんにして、マリミアン様の実父にあらせられますわ。わたくしの父方の祖父である花雲恭(とう)れんに、当時のせいざいだいじんであったフォリュシェア・アメリア・シャリクと共に、その忠誠心を公に認められた御方でも御座います」


千紗 「へぇ~……」


ノワール(以下ノワ)「……まあ、私についての説明は、陛下がなされてしまったので宜しいとしよう。小人その二だ。そ、それに……お付き役に、富実樹が選ばれたと言うではないか! 生き別れとなってしまった、私の孫がっ! 嗚呼……これほど感動したことはないっ! いっそ、このまま死んでしまってもっ……!」


ドカッ!


些南美「申し訳ありませんでしたわ。祖父が、見苦しい所を御見せ致しました」


富瑠美「…………言い忘れておりましたが、ノワール殿は、極度の感動癖を御持ちの方でもあります」


千紗 「……っ、それ先に言ってよ! うっかり引いちゃったじゃない!」


深沙祇妃(以下深沙祇)「まあ、見苦しいこと。貴族とは思えぬ性格ですわ。それに、何と騒々しい。王族が複数名もおりながら……。まあ、仕方のないことかも知れませぬけれど。所詮は、近親婚で成り立って来た、愚昧な一族のすえ。我が生国であるミオメス国の王家とは、何て大違いなっ!」


双葉 「はっ? うちのご先祖様の近親婚が一般的だったのって、軽く二千年は昔だからね? 特に千年くらい前になると、ちゃんと法も整備されて、近親間での婚姻は禁じられてるんだから」


深沙祇「まあ、あのような野蛮な法の、一体どこが? 従兄弟間ですら婚姻が許されるような法など、最早法では御座いませぬ」


千紗 「……何? このごっちゃごちゃに飾り立てた糞婆あ」


双葉 「同感。それに何よ、千年単位の昔の先祖が近親婚繰り返してたからって、そんなに言う?」


些南美「ああ、双葉さん、千紗さん。どうか気を御鎮め下さいませ。仕方ありませんわ。ミオメス国は、再従兄弟間まで――つまり、六親等間での婚姻を禁じておりますので、仕方ないのです。……それに、そんなに厳しい結婚の制限のある国から、同母の兄弟での婚姻すら許される国に嫁いで来たのですから、深沙祇妃が荒れるのも至極当然ですわ」


双葉 「……え? 花鴬国って、近親婚ありなの?」


些南美「はい。わたくしは違いますが、杜歩埜御異母兄様や御異母姉様やの御母様であらせられるこうは、わたくし達の父である花雲恭(ほう)きょう異母妹いもうとですもの。まあ、沙樹奈后の御母様は、きさきではなくであったようですけれど」


柚希夜「さすがは些南美姉上ですね。あれほど嫌っておいでの御方を庇うなどとは」


些南美「まあ、人聞きの悪い。わたくしは嫌ってはおりませんわ。あまり好いておらないだけです。それに、向こうがこちらを御嫌いなのであれば、無闇にこちらから喧嘩や敵意を吹っ掛けることもないでしょう? 関わらないのが一番ですわ」


柚希夜「達観しておりますね、些南美姉上……。あ、私は小人その四の花雲恭()です。些南美姉上よりも一つ年下ですね」


こう 「あ~、何だ、その、ここまで王族が続くと、何かやりにくいな。俺は小人その五に当たった、ふじさき香麻だ。元の役はシンデレラの方の王子だったから、転落したって言えば転落したのかな? でもまあ、こういう脇役の方が好きだし。俺としては、運が良かったと思ってるな」


そう 「だ~からお前は、いつまで経ってもノホホンなんだよ。ちょっとは欲出せ、欲を! あ、俺は小人その六のもと奏谷。……って、俺は本編でも友達その一的な役割だし、どうでもいいんだけどさ、お前は主人公の相手役だろうが! だ~からヘタレなんだよ!」


香麻 「なっ……うっさいぞ、奏谷!」


柚希夜「ああ、どこかで見たことのある顔だと思ったら、そうか、貴方でしたか? 富実樹姉上の、婚約者の」


香麻 「……何っか刺のある言い方だなぁ? なあ、てい君?」


柚希夜「いえいえ、そちらには及びませんよ。庶民ながら、何とか貴族社会に食いついて逝って(・・)いるような、そちらの法律ではぎりぎり成人前の貴方には及びませんよ」


香麻 「……何っか、若干漢字が違うのは、ただの気のせいか……? 俺の、単なる気のせいか……?」


柚希夜「さあ? どうでしょう? 何のことだかさっぱり分かりませんね」


香麻 「……ほんっといい性格してるよな、お前……」


千紗 「ああ、ほらもう! そこ睨み合わないのっ! 時間ないから巻いて行くよ! はい、じゃあ次、若葉!」


若葉 「は~い。私は双葉の双子の妹で、若葉って言います。一応、一卵性の双子だから似てるけど、私は双葉と違ってお洒落だけど派手じゃないから、そこで見分けて下さいね」


双葉 「ちょっと若葉、一応って何よ、一応って! 私達、正真正銘の一卵性双生児よ?!」


若葉 「だ~か~ら、そこで激昂するのが、私と違ってるし双子らしくないって言ってるのよ。見てみなさいよ、千紗と由梨亜を。二卵性だから全っ然似てないけど、中身は似てるじゃない。双子って、一卵性でも二卵性でも、大抵は一緒に育って来てるでしょ? だから、普通は中身も似るはずなのに……。な~んでこうまで似ないのかなぁ?」


千紗 「あたしから見ると、結構似てるけど? そうやって喧嘩する所とか」


双葉&若葉「「…………」」


よしあき 「まあ、確かにそうだな。千紗さんの言う通りだ」


若葉 「ちょっと、義彰!」


双葉 「この裏切り者!」


義彰 「はっ? ちょっ……! だから、そういう所が双子なんだよ! 何だよ、普段はいがみ合ってるくせに、こっちを責める時は一致団結して責め立てやがって!」


千紗 「あ~、もう、あんた達、落ち着きなさいよ! 全然進まないでしょっ?! はい、義彰自己紹介!」


義彰 「あ、はい……。僕は、この二人の弟で、義彰です。一応皇太子やってます。宜しくお願いします。役は、実際の身分そのまんまの皇子ならぬ王子です」


双葉 「え? 義彰、あんた王子役だったの?」


義彰 「ああ、うん、そうだけど……? 何だよ、姉上」


双葉 「いや、ガチで近親相姦もどきで落ち込んだ……」


義彰 「…………」


千紗 「え、え~っと、王子役と姫役が落ち込んでるから、とにかく進めるよ? はい、お付きその一さん!」


ミア 「は~い! あたしはマリミアンさんの所で下宿してるミアです! レイシャ達、み~んなあっちに行っちゃったからなぁ……。ちょっと淋しいけど頑張ります!」


フォリュシェア(以下フォ)「……私は、先程ノワール殿の御説明でもあったが、元政財大臣のフォリュシェア・アメリア・シャリクだ。全く、何故ここにしゅうさいだいじんがおらぬのだ。もしここにおれば、私が自ら手を下してやったものを」


千紗 「あ、あの……? えっと、ふぉっ……ふぉりゅしぇあさん……?(やば、言いにくいっ……!)」


フォ 「何だ、小娘」


千紗 「と、取り敢えず、役を言ってもらえませんか……?」


フォ 「全く、仕様のない小娘だ。何故私がそんなことをせねばならん」


千紗 「いや、一応決まり事なんで……」


フォ 「知ったことか、愚昧な民の決め事にこの私を巻き込むつもりでおるのか?」


千紗 「……あ~~っ! 色々と止めた! このやたらと言いにくい名前の奴は、お付きその二! んで――あ、ラッキー! 作者から原稿もらえた!」


杜歩埜「え、え~っと、千紗さんっ?!」


富実樹「ちょっと千紗! 止めてよ、自己紹介させない気っ?!」


千紗 「うん。杜歩埜は花雲恭杜歩埜で、現王の富瑠美の異母弟おとうと。役はお付きその三! 富実樹は花鴬国の先王で、今は本条由梨亜としてあたしの双子の妹やってて、花鴬国では行方不明ってことになってる。役はお付きその四! ちなみに、富実樹達兄弟は、上から数えると富実樹、富瑠美、杜歩埜の順番で、間は一日だけ! 全員腹違いだからできた奇跡! それと、大人の分別でず~っとさっきから黙りこくってるのが、ナレーターのシャーウィン・リシェル・スウェール。マリミアンさんの異母兄あにで、現戦祝大臣。つまり、富実樹の伯父さんってことになるのかな」


双葉 「あ! ちょっと千紗、どこまで突っ走る気っ?! 本編では主人公の座を譲っても、ここで譲る気はないわよ!」


千紗 「あ~、はいはい。あたしもずっと喋りっぱなしで口疲れちゃった。じゃ、最後の締め宜しく!」


双葉 「了解! 次のページから、多分カオスな白雪姫が始まるわよ! どんなことになるのかは見てのお楽しみだけど、さすがにシンデレラチームみたいなことには、ならないと思うわね……」


義彰 「……あれ、完璧に原作崩壊してたよな……。むしろ、原作よりも本編に忠実って言うか……」


双葉 「そ、そこは突っ込んじゃ駄目なのよ! ……って言うよりも、ねえ義彰、聞いてよ! やったわ! 私、千紗に勝ったっ! 千紗から最後の纏めを奪えたのよ!」


義彰 「いや、それは、奪ったって言うよりも……」


千紗 「あたし、譲った覚えはあっても奪われた覚えないけど……?」


双葉 「いいのよ、私が楽しければ! 今回は、私が主人公なんだからっ!!」

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