紅蓮の導火線(リィネ)
「あはは! 逃がさないよ、鉄の鳥さんたち!」
リィネは、シュウから分け与えられた「爆炎トカゲ」と「フォレストウルフ」の混合概念を極限まで活性化させていた。彼女の背中には、燃え盛る炎で形成された九本の狐尾が、まるで意思を持つ生き物のようにうねっている。
彼女の役割は、地上に降り注ごうとする帝国の「無人気攻舟」の迎撃、そしてシュウを狙う長距離魔導狙撃の遮断だ。
「リィネ、左から三機! くるわよ!」
「オッケー、エレインちゃん! ――『神装:九尾・不知火』!」
リィネが空中で一回転すると、九本の尾からそれぞれ異なる軌道を描く火の玉が放たれた。それは単なる炎ではない。シュウが「追尾」の概念を練り込んだ、意思を持つ熱源探知弾だ。
ドゴォォォォン!!
空中で花火のように散る帝国の舟。リィネは爆炎を推進力に変え、重力を無視した軌道で戦場を駆け抜ける。
「……あは、ちょっと熱すぎたかな? でも、シュウに『いいとこ見せたい』もんね!」
その時、戦艦の残骸から現れた帝国の「魔導暗殺兵」たちが、ミーニャの死角を突こうと影から飛び出した。
「――させないにゃんっ!」
リィネの尻尾の一本が、まるで鞭のようにしなり、暗殺兵を叩き伏せる。
リィネはミーニャと背中合わせになり、不敵に笑った。
「ミーニャちゃん、足元は任せて! 私は空を全部、私の『遊び場』にするから!」
「……リィネ、あつい。……でも、助かるにゃ」
リィネの放つ熱量は、味方にとっては勇気の源であり、敵にとっては近づくことすら許さない絶望の壁だった。彼女が空をかき乱し、敵の連携をバラバラにしたからこそ、シュウはアルトリウスとの一騎打ちに集中できたのです。




