プロローグ ー魔法のある世界ー
この世界の説明的な章です。本編は次回からです。
ときは2025年、この世界には魔法がある。
70年ほど前、ある一人の男の子が魔法の能力を発現してから多くの子どもたちがその能力を発現させた。魔法は瞬く間に生活の一部となり、全世界の九割以上の人々が魔法を使っている。
そんな中、国際魔法連盟によって定められた魔法レベルのうち、SS以上の十二人をトゥエルヴ・セインツと呼ぶ。彼らは現代最高の魔法使いたちと呼ばれ、彼らの持つ影響力は国すらも動かす。
その一人、アウロラ・ノヴァルム・セレスティアは世界で唯一の神聖魔法の使い手である。通常、魔力はそのまま物質やエネルギーには変換できないため、普通の魔法使いは周りにあるものを使い魔法を起こす。しかし、彼女は無から物を作り出す魔法、神聖魔法を操ることができる。これが、彼女が天才と呼ばれるゆえんである。
魔法を平和のために使うものもいる一方で、悪事に利用するものもいる。彼らは魔王軍を名乗り、四十年ほど前アメリカ北部を襲撃。激しい戦闘の末、カナダと五大湖周辺の街が魔王軍の手に落ちた。国際魔法連盟は彼らを逮捕するべく何度も攻略隊を送っているが、未だにこの地は奪還できていない。
そんな正義と悪が入り混じる世界だが、この話はそれについての話ではない。一人の少女のくだらない学校生活の話である。