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Sideルシエラ 晴れない疑問が多くて困ります

「……今日は来ないと言っていませんでしたか」


 

 レオンとの話を終え、ジャック様に連れられようやく視界が開けたところに見えたのはテオドールの人形。行き同様帰り道も秘匿されていたのになぜ合流できたのでしょうかね彼は。


「暇だしお迎えぐらいしようと思ってさ。その様子じゃ結構いろんなこと聞けたんじゃないの?そのなんとかって人に。いつもの元気はなさそうだけど」

「妙に納得げですね…………まさか」

「うん……いやまあ、隠し事も悪いなーとは思ってたんだけど…………誘ったときから結構いろいろ知ってたんだよね……」

「はあ……薄々なにか隠している気はしていましたが。全部知っていて何も知らない私に付いてきていたのですね」


 苛立ちがオカルトへの苦手意識に勝っているのか、妙に冷静に話せています。しかし意外にテオドールには不信感が湧きませんね。私が求めてやまない情報であることは彼もわかっていたでしょうに。


「幽霊君は何をきっかけに知ったのかな?」

「きっかけも何もシャルロットが一通り話してくれたよ。すごいざっくりとだけど。元々事件の手がかりを探していて偶然僕のことを見つけたみたいでさ」


 ……おそらく私が強引にシャルロット様たちの調査に参加したあの日の話でしょう。シャルロット様が謎の幽霊を追いかけ、長く姿を消していた時間がありましたがその時に事情を………………私には秘匿する形で。


「シャルロットも君相手でも事件については隠す他なかったのだろうね。非公表なのは国家の権威や彼女の尊厳を守る意味合いがあったのだろうし、立場的に致し方ないだろう………………それよりも気づいているかな?」

「な、なんでしょうか?」



「誘拐の存在がわかっても、僕の疑問は何も解決していないんだよ」



「…………あっ!」


 そういえば、ジャック様は私が直感でシャルロット様への違和感を感じ取ったのに対し、扱う魔法という確固たる疑問をお持ちなのでした。とすると確かに。シャルロット様の現状を知るにはもう何歩か足りませんね。


「テオドール、まだ何か隠してはおりませんよね?」

「仮にあっても話せないこととかあるよ。ほら言ったじゃん?約束守るいい子って。今回だってすでにバレた範囲だからこうして話せてるんだもの」


 巻き込んでおいて隠し事ばっかりさせてひどいよね。と言いながら人形を振り回すテオドール。鬱憤が溜まっているのでしょうか……?

 

「……なんにせよ、師匠の意見を当てにしたいところだね。さてどういう切り口で師匠の問いに答えたものか……」

「弟子であるあなたにこう言っては失礼でしょうが、あの方を頼って大丈夫なのですか?現状文句ばかり言っている不真面目そうな女性というイメージしかないのですが!」

「大丈夫さ。この国で最も魔法に長けた血統の人間の師匠を務めている人間を舐めてはいけないよ」
















──────────────────────




「ぶえっくしょい!………………さてはあれか。ナルシスト弟子かセビの字のどっちかが私の噂をしているな。恋しいのはわかるが噂している暇があったら馬車馬のごとく働いて私を本業に専念させてほしいね。税金で飯食ってるくせに仕事が遅いんだから…………私もか」

「アンジュさんまた一人でまくし立てて一人でツッコミ入れてるよ…………」

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