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Sideルシエラ 現実を知る時

「…………ということがあったのさ」




 ………………は?


 誘拐?シャルロット様を?レオンさん自身が手引きして?



「は????????」

「ルシエラ君、女性がしてはいけない形相をしているよ」

「まぁ無理もないね」

「あなた方口調が似ていて紛らわしいので黙っていていただけますか!」



  ああだめです、冷静であろうとしてもできません。私はシャルロット様がそのような目に遭ったことにも気がつかずに……


 レオンさん……いえ、今や敬称をつけるに値しませんね。レオンが獄中にいると言われた時から、当然ながらいやな予感はしておりましたがまさかここまで腐っていたなんて!



「ルシエラは置いておくとして、よくもまぁ躊躇なく話すものだね」

「この辺りの話はセビーチェンやシャルロット君にはとうの昔に明かしているからね。隠す意味もない」

「加害者の君が全てを明かしているとは少しも思わないが、黙秘する気はなかったのかな?」

「迷惑をかけた自覚はあるからね」

「そっ、そのような心づもりなら初めから悪事に手を染めないでください!もしや、私がシャルロット様に感じていた違和感は事件のショックによるものなのでは……!?」


 ここまで来るとそうとしか考えられません。しかもシャルロット様にも話したということは、あの方自身も誘拐について調べていると考えられます。となると、最近の怪しげな行動にも納得が……



「シャルロット君もなかなか口が悪くて面白い子だったね。国家の犬(公僕)だったクセにと罵られてしまったよ。あれで事件のショックだなんて考えづらいものだがね」


 元々税金から給料を得ている人間への当たりが強いのかな?なんてレオンは呑気に呟く。


 なぜこの人はこんな重大事件を引き起こしておいて飄々としていられるのでしょう。実際に事件そのものの計画を立てたのは別の人間だとは言いますが。


 彼の現状にも納得です。思うところはありますが、こんな事実を表沙汰にできるわけがない。


「…………帰りましょう。ジャック様」

「あれルシエラ、もういいのかな?もう少し聞きたいことは」

「私は家柄もあり軍人、それも憲兵に理想を持っていたのです。ですがその中で尊敬できると感じていた方がこの結果…………これ以上話していると怒りで我を忘れそうです」

 

 そういって、私をここへ招いたジャック様を差し置いて私は踵を返します。レオンは自ら事情を話しました。なら、それ以上のことを私たちがいくら尋問しようと話すことはないでしょう。



「まったく。僕なしで戻ることなんてできないのに、勝手に話を進めるとはね。まぁいいけれど。それではレオン、また会うこともあるだろう」

「また僕の力が必要なら可能な範囲で貸すよ。どこまでが可能な範囲かはわからないが」





「…………そうだ」

「?」

「もしヴィルジニーに会うことがあったら、優しくしてあげてくれ」









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