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でぱーちゃーず~私に贈れ激励の歌~

「…………送り出すのもセビーチェン先生なのですね」

「補習を始めて以来、俺が記憶喪失のお前の担当みたいな風潮が出来上がっているもんでな。まったく、他の奴らは捜査の話を知らん筈なのに……」

 

 そんな愚痴を呟いて、同じく送りに来てくれたルシエラに聞かれたらどうするんだ。


 紆余曲折あったが、今日が私の里帰り当日である。残念ながら私の本当の意味での里帰りは当分先の話になりそうという話は置いておいて、てんやわんやの大立ち回りをしたこの学園ともしばしの別れ。少し寂しくもある。


「ところで、今日はプラシドさんはいらしてないのですね。なんやかんや一緒にいる機会が多かったので意外ですわ」

「あー、あいつはこないだのお前の護衛の事後処理に駆り出されてるよ」

「事後処理するような何かが……?」

「大したことじゃない。なんでも、影で警護してた奴らがお前らを狙ってたらしいスリを十何人か検挙したらしくてな。そいつらの扱いについていろいろあるんだ」

「わ、我々が買い物をしている間にその様なことが……!」


 呑気にお土産探しをしている間にそんなことになっていたのか……。騒動が起きたような気配はまったくしなかったが、ひっそり付いていたという護衛の方々が裏でしょっぴいていたのか。どこかのまんまとシャルロットさんを拐わせる憲兵連中とは大違いの有能っぷりだ。


 例の減俸処分になったとかいう憲兵(税金泥棒)はこの人たちを見習ってほしい。


「お嬢様、そろそろ……」


 御者に乗車を促される。領地は馬車を使ってギリギリ日を跨がない程度の距離。あんまり出発が遅いと途中で宿泊も視野にいれなければならないと脅されていたのだった。当然ながら護衛もついているわけで、そんな中で泊まりにでもなったらいったいいくら追加で費用がかさむのか。


 そんな頭の痛くなるようなことは考えたくないので、素直に出発することにしよう。


「それでは行って参りますわ。ルシエラに先生、しばしの別れですがお身体にお気をつけて!」

「はい!行ってらっしゃいませ!」

「達者でなー」




 目指すのはフランベルジュ家が支配する地域、バミアニア。どういう場所なのかは……馬車の中でゆっくり復習するとして。


 セオリー通りなら帰った先でまた事件に巻き込まれるものなのだろう。それ以前に両親や幼少期を知る使用人に入れ替りがバレないよう行動する必要もある。学園と違って記憶喪失を隠す必要がない分楽かもしれないが……。今から不安でしょうがないが、覚悟を決めて臨むしかない。


 しかし到着まで暇だな……ガラケーでソニ○クでもやろうかな。それか大富豪。








──────────────────────




「おーいプラシド、仕上がったか?」

「はい。とりあえず管轄の奴らに引き渡してきました。明日からまた守衛の方に……」

「その事なんだがプラシド、明日一番でお前もシャルロットを追ってほしい」

「え!?いきなりですか!?」

「ああ。前にも話したがレオンの野郎がフランベルジュ家関連でキナ臭いこと言っててな……自由に指示を出せる奴を向こうに送り込みたいんだよ」

「…………それって期間は」

「シャルロットがこっちに帰ってくるまでだ。安心しろ、交通費とか宿泊費とかあとでちゃんと立て替えてやるから」

「いや、それにしたってキツイものがありますよ。せめて明日一番と言わず予算の工面ができるまで……」

「ボーナス、査定」

「喜んで行かせていただきます」



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