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求む、美味しいお土産

 外出にあたって届出は出した。とりあえず頼っとけ枠のルシエラも誘った。いろいろ準備を整えて、今日は学園の外へ出る当日。求むは私の……じゃない、シャルロットさんの両親の口に合うお菓子。


 ちょっとした興奮を胸に秘めつつ、大人し文学少女モードとなった私はいつもの制服姿ではないルシエラと寮の目の前で合流した。


「そのお姿を見るのも久しいですね!というか一番最初に試して以来ですか!お忍びの服もお似合いですよ!」

「あなたもよルシエラ。…………しかし来ないわね、彼」

「彼?もしかして護衛の方ですか?」


 そう。今回出歩くにあたって先生に護衛をあてがってもらったのだが、その護衛も影から私たちを警護する人達と直接行動を共にする人に分かれている。そういうわけで、その三人目のパーティーメンバーを待っているのである。


 別にそこまで勿体ぶるような相手ではないけれど。


「すみません……すこし仕事を片付けていましたら遅くなりました」

「あら!プラシドさんではありませんか!」

「はい、自分が皆様の護衛を勤めさせていただきます。しかし、またもこの面々が揃うとは思いませんでしたよ」


 護衛……というか監視役としての任命らしい。私の暗躍については三人の秘密なので、自然とプラシドさんが担当することになったそうだ。


「けれどプラシドさんは守衛なのですよね?なぜ今回は護衛をすることに?」


 げ、鋭いなルシエラ。あまり突っ込まれたくないところを平然と突いてくる。


「あっ、えっ、えーっと…………なんででしょうね?」

「!?」


 うわこの人取り繕うのを完全に投げ出した!


「なるほど!プラシドさんもわからないと!」

「そ、そうなんです、何故か知りませんが僕に仕事振られたんですよ。なんでですかねー?」


 納得しちゃった。よく見ると、プラシドさんが冷や汗をかきながらこちらに向けてこっそりサムズアップをしている。変なところでドキドキさせないでほしいよ本当……。


「と、とりあえずメンバーも揃ったことですし、そろそろ出発しましょうか」












──────────────────────




「想像以上に栄えているのね…………」



 眼前に広がるのは人混みと活気づいた露店の数々。とんでもなく巨大な教会……大聖堂というべき建物を起点に、多種多様な店や宿が立ち並んでいる。故郷も市内の方はかなり栄えていたが、この王都はそれを上回る盛況ぶりかもしれない。


 大国の中の一番の大都市なのだから当然なのかもしれないが、日本の都市が活気で上回られているように見えるのは悔しいものがある。もっと頑張ってよ。政令指定都市なんだから。

 

「シャルロット嬢は実質はじめてですか、こちらに来るのは」

「そうですわね……王都に出たこと自体はあったのかもしれませんが、思い出せませんわ」


 ルシエラに聞こえないようにしつつ、この街についてプラシドさんに聞いていく。


 さっき見えた巨大な教会は、ちょくちょく話題になったジュダイナ教の施設、アルメリア大聖堂。この国全土のジュダイナ教会を取り仕切る教皇庁的存在らしい。歴史も古く文化的にも非常に価値のある建物なので、観光地としての趣もある……というか、来訪者のほとんどはそれを目的にしているとか。


 この頃は信仰も薄まってきていると聞いたし無理もない話ではあると思うが、なんとも悲しい。


「栄えている分酸いも甘いも内包する街ですが、自分は好きですよ。それに王都だけあって国内外から物が集まってくる場所ですから、シャルロット嬢のお眼鏡にかなう物が見つかると思います」

「それはつまり、この王都からわたくしへの挑戦ですわね。果たして満足させていただけるのでしょうか?」

「なにと競っているのですかシャルロット嬢」

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