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アルメリア学園の怪

「噂といえば、最近は他にも流れているものがあるそうですわね」

「ああ、幽霊が出るとかっていうあれか」


 折角だからこっちの話も聞いてしまおう。もう完全に補習から脱線しているが、もうこの際それには目を瞑ることにする。


「そっちも最近流れ出した奴だな。うちじゃそういう噂が流れることは、知る限りではなかったんだが」

「その言い方ですと、他ではあるということですか?」

「教師仲間から聞いた話だが、平民の学校じゃありがちな話なんだと。大体は生徒が魔法でイタズラしてたとかそんなオチなんだが……生徒層的に無さそうだろ。ここじゃあ」

「それはまあ、確かに……」


 シャルロットさん曰く、大抵の生徒は入学前の時点から実家で講師を付けて作法だ座学だを教わるのだという。それと同時に自らの立場の重さを叩き込まれるのだとか。入学後はそれはそれとして学園生活を楽しんではいるみたいだけれど、ちゃんと問題になるレベルのイタズラをするような幼稚さの生徒はそういない…………はず。


「しかも噂の発端は教師側だからな。話そのものが作り物ってこともない」

「なるほど……あっ、ちなみにここまで話しておいてあれなんですが、わたくし詳細をまったく知りませんの」

「なら詳しく聞くか?この話」


──────────────────────




「これは数学科のネオンクスの奴が資料を取りに守衛を連れて遅くに校舎に入った時の話なんだがな。あ、誰か知ってるか?ネオンクスのこと」

「先生ですか」

「あたりだ。で、用事も済んで守衛に出口まで送ってもらうとなった時……謎の光が浮かんでいるのを見たんだと」

「それが鬼火だと言われていたものですか。しかし夜も遅かったのでしょう?守衛もその方一人なわけありませんし、単純に誰かが灯りを持って見回っていただけとか……」

「持ち場的に違うだろうって話だ。だから二人とも気になったらしく、その光が見えた方に進んでみたそうだ。そうして着いた先はお偉方の執務室。入ろうとした瞬間…………」

「入ろうとした瞬間?」

「後頭部に衝撃を感じたと思ったら、気がついたら朝だったらしい」

「普通に事件!!」


 完全に何者かに襲われたパターンじゃないのか?なんで噂程度で済んでいるんだそれ。


「んー……まあ、本人達なんも見てないって言うし盗まれたものもそん時は無く現状は物証もないしでとりあえず事故ってことになってんだが、そう思うよな……」

「そうしますと、その話がどう幽霊などということに?なにも見ていないのでしょう?」

「ネオンクスが“夜中に闇討ちされた、直前に鬼火も見えたしきっと正体は幽霊”って生徒に言いふらしてた」

「さてはその方ふざけているだけですわね?」

「多分あたりだな」



 ……まあ、先生が話そのものが作り話ってことはないと言い切る以上は、事実ではあるんだろう。


 仮に襲われたのだとして、この間のレオン襲来を経て警備も強化しているはずだし、あのときの避難路ももう塞いだと聞く。なら内部犯だったりするのか?目的もなにもわからないけれど。


「それ以来深夜の見回り中謎の光らしいもんを見かけるって話もちょくちょく出るし、怪しいことこの上なしだ。例の件と関わりがあるかは不明だがな」

「そうですわね…………」





「気になるなら調べてみるか?」

「あへ?」

「深夜の校舎。プラシドの奴を付けてやるから」

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