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なんで侵入経路が都合よくあんの?

 えー、プラシドさんと話してから4日が経った。期末考査も終わり、採点のために生徒は休みだ。


 2日連続の勉強会の後期末考査に臨んだが、緊張故か当日のことは正直あまり覚えていない。考査は2日にわたって行われ、最終日である昨日の内に自己採点まで終わらせた。シャルロットさんに見せたところ、


「良い成績ではありますが、普段とわたくしと比べるとなると…それでもこの短期間での成果としては十分すぎるほどでしょう」


 …と言われた。自己採点の結果自体は私的には大分良かったので、むしろ普段のシャルロットさんがどんだけすごいんじゃい!というのが正直な感想だ。




 …………で今は何をしているかというと、セビーチェン先生の元へ走らず全力疾走中。目的はもちろんレオンの侵入経路の調査結果について聞くためだ。


 正式な捜査会議にかち合わないようにと向こうがタイミングを決めて、今朝起き抜けに呼び出されていたのである。


 

 呼び出し先はいつもの魔法学資料室。


「見つかりましたの!?例の侵入経路は!」

「ようやく来たか…とりあえず落ち着け。順を追って説明してやるから」


 息切れしつつ部屋に飛び込むとやはり先生とプラシドさんがいて、なにやら地図のようなものを広げていた。


「………ふう、息も整いましたわ」

「それでは説明に入るぞ。まず結論から言うと、外部から守衛に見つからず侵入できそうな経路が…大体4つぐらい見つかった」

「多いですわね!」


 これ以上学園のザル警備エピソードを更新しないでほしい。4つって……結構忍び込み放題なんじゃないのかそれ。


「不満に思う気持ちはわかるんだが…さすがに予想外だったというか…」

「?」

「これに関してはちょっとどうしようもない面がありますよね…」

「どういうことなんですの?」

「まず、見つかったルートが図書館地下に2つ、本校舎地下に2つって感じだ。それらは全て学園外の下水道と繋がって出入りできるようになっていて、この中のどれかを使って今まで侵入してきたと見ている」

「ちょっと待って下さい、この学園地下なんてあったんですか!?」

「ああ、あるぞー。生徒には極秘だがな」


 いまさらっと極秘事項を流された?しかも先に秘密にしてた内容を話した上で?タチ悪いなこの人。


「ちなみにこれから話すことは他言無用でお願いしますね」

「もし周りに言いふらしたら?」

「お前のことを公爵様に言いつける」

「このシャルロットお口チャックで臨みます!」

「なんだそりゃあ」

「たまに変なこと言いますよねシャルロット嬢」


 しまった、ついシャルロットさんのキャラに合わない反応をしてしまった。



「………えーと、それで問題の地下とはどのようなものなのでしょうか」

「ん、そしたらまずこの地図をみてくれ」



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