なんでそうイベントが立て続くんすかねえ
今の生活が始まって2週間が経った。前に自称女神達との会話で出た誘拐事件の情報については、セビーチェン先生に書類にまとめてもらうことになり、今私は暇を持て余している。
いやまぁ、まだまだ勉強漬けだし魔法のトレーニングもしているし、なによりいつレオン・アヴァラルドが現れるかわからないので常に神経を尖らせているしでそこまで楽なわけではないけれども。
明確にやらなければならないこともないし気が緩んでいるのだ。ストーキングもしなくていいし。
「ところでルシエラ、今日はどうにも慌ただしく見えるけれどどうかしたの?」
「何を言っているんですかシャルロット様!もうすぐ期末考査なんですよ?範囲の教材を一通り用意しないといけませんし、当然慌ただしくもなりますよ!」
「期末考査!?」
「もしかして忘れていたのですか!?再来週ですよ期末考査!まぁシャルロット様なら今回も上位に入るでしょうけど!」
前言撤回、気を緩めている場合じゃなかった………!
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「ほい、頼まれてた事件当日の資料だ。実際にお前の捜索にあたった憲兵達から上がった報告書を元に当日の動きが纏めてある。うっかり他人に見せたりすんなよー」
「しませんわそんなこと…とにかくありがとうございます」
ルシエラに期末考査の存在を聞いた私は、すぐ資料室に駆け込んだ。元々今日補習ついでに頼んでいた資料を受けとる予定だったが、考査についても詳しく聞いておく必要が出てきたし良い機会だ。
「しっかしお前も大変だな。この大変な時期に考査がぶつかるなんて。いっそこのまま学業に専念したらどうだ?てかそうしてくれりゃ良かったのに」
「そういうわけにもいかないと以前にも言ったでしょう…それよりも期末考査の存在を誰も教えてくださらなかったのは何故なのでしょう?」
「単純に俺含め教師陣は忙しくてお前の記憶喪失の事頭から抜けてたんじゃねぇか?考査の時期なんて決まりきってるからわざわざこっちから話題にしないし、なにより考査の問題作ってる最中だから結構皆疲れてるしな」
ああなるほど…確かによく見ると、ただでさえやつれていたセビーチェン先生の顔に隈ができている。可哀想に…OBだからって事件捜査にも駆り出されているのに。
「にしたって授業でも話題に上らないのは不自然な気もしますが」
「まぁわからんでもないが、お前んとこのクラスは成績上位者の集まりだからな。あえて言う必要もないと思われていても不思議じゃない。俺だってそうしてる」
「信用されているんだかほったらかされているんだか…」
「前者だと信じてくれや」




