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OB&下っ端&被害者

「本気なんですか!?自分も事情よくわからないですけど、この人は警護対象じゃないですか。それをなんで捜査にまで巻き込むんです!?」

「え、警護対象なんですのわたくし」

「ただでさえ身分的に守らなきゃならん立場なのに、こんな事件が起きてしかも目的がわからんとなればそりゃあ警護対象にもなるだろ」


 それもそうか。日本人だからまだ貴族というのがいまいちピンときていなかったが、今私は事件に巻き込まれる理由が山ほどある立場か…。


「まぁお前の言うことは正しいんだけどなぁ………けど多分こいつ、俺らが止めても勝手になんかやらかしそうなんだよ」

「失礼な!」

「少なくとも否定する権利ないだろ………まぁだから、手元に置いておいた方がまだ無茶しないでいてくれんじゃないかと思うんだよ。おい、シャルロット」

「なんでしょう?」

「関わらせてやる代わりに約束しろ。あの手のやらかしはもうするなよ。守衛を襲うとか腰抜かすわ」

「…前向きに善処しますわ」

「そこは言い切れよ」


 無理を通してもらった以上言うことは聞きたいところだが、最優先は向こう側に帰ることなのでいざというときは無茶もしてしまいそうだ。断言できなくてゴメンね先生。


「まぁいい、ところで、そもそもお前はどこまで掴んでるんだ?」

「たいした情報は無いんですの。前責任者がグルで、ヴィルジニーさんがその身内だということぐらいで…それでつけ回していたら、同類らしき守衛を見つけまして」

「それで俺らにたどり着いたわけだな。よくもまぁそんなちっさい可能性を拾えたもんだよ…」 


 無理があったとは今でも思うが、それでも協力者に出会えたので成果としては十分だ。結果さえ良ければいい。


「それじゃあ、まず俺らのことから話した方が良いか。学園の警備に事件捜査のための人員を紛れ込ませているのは知ってるか?」

「ええ。予想はしていましたわ」

「実は教職を取る前は俺も憲兵隊に所属していてな。その縁で今回警備に送り込まれた連中の指揮を任されてんだ」

「え、その話だともう先生は憲兵ではないのでしょう?なぜ先生がその立場なんですの?」

「………捜査の指揮を経験したことがあってこっちに異動させられる奴がいなかったらしい。いつも人手不足なんだよなあそこ…」


 なんか急に悲哀を感じる会話になってきた。よくわからないけども、結構重要そうな仕事なのに人手不足とかあるの?


「憲兵隊の…特に捜査を行う部門はかなり求められる能力が高いので、なかなか人手が増えないんですよね」

「そうなんだよな…………あ、こいつはプラシド。下っ端の捜査員だな」

「紹介ひどくないですか?」 


 ………なんだろう、あの雑な扱われ方、すごく親近感を感じる。ついさっき襲った相手だけど。


「仲良くしましょう?プラシドさん」

「!?」

「良かったなお前。シャルロットに懐かれたみたいだぞ」

「もう自分この人のこと何だかよくわかんないですよ………」

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