ストーキング中はつい考え込んじゃう
模擬戦を終えた後も、私は勉強だなんだで大忙し。とはいえ事件捜査を忘れた訳じゃない。補習を終えて、今日も今日とてストーキングだ。いざ行こう王立魔法図書館。
「失礼するっすよっと」
何度もヴィルジニーさんを観察してきて、行動パターンもだいぶわかってきた。とはいっても、放課後になってから解放時間が終わるまでずっと図書館に籠る生活で、パターンもなにもあったもんじゃない。寮の門限があったりするので図書館を出た後のことを探る時間はあまり取れなかったし、授業間や昼の休みは変装ができないので追うわけにもいかなかった。
こう言うとだいぶ詰めが甘いな。私の捜査。まぁあまりにすべてが手探り過ぎるから仕方ない面はあると思う。このストーキングも随分か細い繋がりを元にやっているわけだし、そもそも面子が全員素人だ。
それでもやるっきゃないのは、わかってるつもりなんだけども…。
「にしてもだいぶ周りに人が集まってきてるっすね…ここらで一つ写メった方がいいっすかね」
前々回辺りのストーキングで気付いたことなのだが、連絡用に渡されたガラケーは普通に電話以外の機能も生きているらしく、ちゃんとカメラを使うことができるのである。良く調べたら電話帳に自称女神のメールアドレスも載っていたので、向こうに撮った写メを送ることも出来るらしい。
まったく、何故こういう有用な機能を私に説明しておかないんだ。言わなくても気付くと思ったのか?
「………ありうる。割と日常会話で写メるとか言っちゃってるし、ガラケーを普通に扱えると思われてそうっす」
世代じゃないのに。ちなみにこの言い回しは親の影響だ。
「しかし暇っすねぇ…なんか事件でも起きてくれれば手掛かり集めも手っ取り早くて良いんすけども」
こうしてみると守衛さんというのは起きるかもわからない事件のためにずっと立ちっぱで大変なんだろうなと思う。
ちょうど向こうにも警備している人がいるが、見ている限りずっとそこにいる。お陰であの人とヴィルジニーさんとのツーショットが大量に撮れた。
守衛といえば、あの警備の人事異動も謎が多い。タイミング的にシャルロットさんの誘拐事件絡みなのは間違いなさそうだが、責任を取らされたとかにしては末端も末端まで変わりすぎているように感じる。
よく考えたらこの辺についてはあまりちゃんと考察しきれてなかった気がする。ここらでストーキングの成果含めで一度自称女神達と話し合った方が良いか…。




