多分ライバル的な存在だと思う
「シャルロット様!次はいよいよ模擬戦ですね!前回の時は休まれていたのでブランクもあって大変でしょうが、いつものように華麗な炎をお見せくださいませ!」
「それなんだけど、実は今日はちょっと趣向を変えてみようとおもっているの」
「そうなんですか?私非常に気になります!まあ私は引き続き炎でいくのですが!」
そう、あれから2日経って今日は実技の授業の日。まさかの初回が模擬戦という鬼畜仕様だが、今の私にはシャルロットさんと作った秘術がある。それに模擬戦くらいこなせないようじゃ誘拐犯相手に喧嘩を売ることなんて出来ないだろう。
「よーし、そろそろ集まれー。対戦表組むぞー」
模擬戦の形式は一対一で魔法をぶつけ合い、先に一撃食らわせた方が勝ちなのだという。ちなみに男女混合。ただでさえ力負けする相手がシャルロットさんが言ってた近接格闘に魔法を上乗せするようなタイプだったらと思うとゾッとする。
「耳にタコが出来るぐらい言っているがな、あくまでこの授業は適切な防御を実戦で行えるようにするためのもんだ。威力出しすぎて人死に出したら退学だから覚えとけよ」
「…実際誰か死んだ人いたのかしら」
「ここ数十年は無いそうですが、戦争が頻出していた時期は学園も殺伐としていてたまに模擬戦で死人がでたそうですよ!」
「聞くと怖いわね…」
「大丈夫なのは本当ですが、お気持ちはわかります!」
借り物の身体で死亡事故とか目も当てられない。本当に油断しないようにしよう…
「おい、あのシャルロット嬢の相手…」
「間違いないよな…なにやってんだあの人」
対戦相手も決まり定位置についた頃、なぜか皆私たちの方を見てざわついていた。よくわからないが、対戦相手の人に何かあるのだろうか?少なくともあまり良い印象を持たれていないっぽいが…
と思っていたら、急に対戦相手のイケメンに話しかけられた。
「久しぶりだねシャルロット。前回は来てくれないなんて酷いじゃないか。僕が授業に参加する理由なんて君と手合わせすることぐらいなのに」
「…どちら様でしょうか?」
「あれぇ!?」
しまった。つい思ったことが声に出てしまった。シャルロットさんの知り合いっぽいのに。
「あーいや、そういえば君は熱病で二週間休んでいたんだっけ…その間に僕のことも忘れてしまったと…」
「そうなりますわね」
「開き直らないでくれよシャルロット」
記憶喪失のことは生徒は知らない筈だが、とりあえず勝手に納得してくれて助かった。多分たいして親しい間柄じゃなかったんだろう。うん、きっとそうに違いない。
しかし本当に誰だこいつ。シャルロットさんから何か聞いてたっけ…
「…まぁいいか。とりあえずこの試合で君の記憶に僕の名をもう一度刻み込んでみせるさ」
「よくわからないけれど受けて立てばいいのかしら?」
「ああ。このジャック・ダルメリア、君に勝負を挑む!」
「どんと来なさい!」
ノリで始めちゃったけど、大丈夫かな…




