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恐怖!いたいけな女の子をつけ狙う怪しい影!!

「え?ヴィルジニーさんの顔?………あっ」


 自称女神も忘れてたんかい。

 

 




 ストーキングのための準備を終え捜査に入ろうとした矢先、肝心の尾行対象の顔を知らないことに気付いてしまった。なので自称女神を頼ったのだが、この有り様か…


「弱りましたねぇ。よく考えたら私も顔は知りませんし…」

「よく考えなくても気付くでしょ…シャルロットさんはどうっすか?」

「接点はありませんが、顔ぐらいは知っていますわ。女神様、紙とペンはあります?」


 そう言ってしばらくすると写メが送られてきた。見ると中身は女性の似顔絵で、余白には描写しきれなかったであろう特徴がメモされていた。かなり写実的で上手い。知らない人だが多分こんな顔だろうと確信できる。何故か自称女神がピースしながら割り込んでいたが。


「届きましたか?一応一通りの特徴は捉えていると思うのですが」

「バッチリっすよ!余計なの入り込んでるっすけど…」

「あははー。女神の生写真とかレアですから記念にと思って」

「自分で言うんすね」




 そんなこんなで似顔絵を手に入れた私がやって来たのは学内併設の図書館。名を、王立魔法図書館である。 

 なんかそんな感じの名前のカードを自称女神が使っていたような…というのは置いておいて、メモによれば彼女はよくここで魔法学に関する本を読んでいるのだという。接点無いって言ってたわりに詳しいな…


 その辺にあった適当な本で口元を隠しながらターゲットを探す。顔で正体が割れる可能性も減るし文学少女の雰囲気も増して一石二鳥だ。

 

 図書館内は生徒だけでなく、教師や研究者、守衛の方々もたくさんいる。その中から特定の1人を見つけ出すのはなかなか骨が折れそうだ。





「失くし物はなんですかー。見つかりにくいもので………あ、居た」

 

 小声で歌いながら探し回ること30分、ようやく似顔絵と合致する人物を見つけることができた。急いで彼女の近くの本棚に隠れる。


「読んでいる本は…なになに、『魔力と人間の想像に関する幾つかの考察』?よく分かんないけど本人で間違いなさそうっすか」


 登校2日目の私には内容が想像つかないが、なんとも難しそうな本を読んでいるものだ。しかも周りに同じような本が何冊も積んである。しばらく動きは無さそうかな。




 ………ん?何故だか視線を感じるような………



















───────────────────────


「首尾はどうだった?」   

「彼女自身には変わった様子はありませんでした。ただ…彼女の周りにおかしな生徒が居まして」 

「…………?わかった、そいつも含め監視を続けてくれ」             

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