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人の書〜エルドラド建国記〜  作者: 水井竜也(仮)
第5章・女騎士アルテミスと聖国襲来の女王様

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『聖国襲来』第10話・ゼウスの世界

「来るがいい!そして、我が権能の前に、ひれ伏すがいい!!」


 ゼウスは、右手に陽光の剣を、左手に稲妻の剣をそれぞれ持った。


 私達……私こと『女王』、ミトラ王、アルテミス、ペルセポネ、ハーデスは、一斉に剣や鞭をゼウスに振り下ろす。


 ……しかし、驚くべきことに、ゼウスは両手の剣で全ての攻撃を受けとめてしまう!!


「くははは!貴様らの攻撃、生っちょろいぞ!!」 




 その時、ゼウスの背後で空間が引き裂かれ、葛葉様が飛び出す!!


 陰陽の秘術で気配を消し、忍び寄っていたのだ!


「取ったぞ!ゼウス!!」


 葛葉様が、ゼウスに爪を突き付ける!勝っt……


 その瞬間!ゼウスの姿が、掻き消えた!!


「……惜しかったなぁ、『皇国の女狐』!!」


 ……いや、違う。私は、息を呑む。


 気付いた時には、ゼウスは、()()()()()()()()()()()()()()()()


 ……時間が……止まって、いた!?


「……くっ!抜かった、か!?」


 葛葉様の苦しそうな声。私は、そちらに目を向ける。


 葛葉様が、壁に叩きつけられている!


「葛葉様!!」


 いや、それだけではない。腹部が……抉れている!?


 傷口から血が溢れ出し、床を真紅に染めていく。


「葛葉様、封印!!」


 即座に、葛葉様を封印する!入れ替わりにより、損傷は誤魔化せるハズ!!


「……解放状態の葛葉が、しくじったようでござりますな?主殿、かたじけない!」


「いいえ、葛葉様。私の認識が甘かったのです。まさか、ゼウスが『サトゥルヌス』の権能を使って、()()()()()なんて!」


 確かに【絶対神級】である『サトゥルヌス』なら、可能である。


「くははは!己の権能も禄に扱えない者が、権能を返せと戯言を言うのか?滑稽だな!!」


 くっ、言わせておけば!!


「……『女王様』、冷静に!隊列を整えましょう!!」


 アルテミスの声で、私は冷静さを取り戻す。


 こういう時の、アルテミスは頼りになる。


「アルテミス、あなたはタンクとして、ゼウスの攻撃を受けなさい。ただし、無理はしないで受け流すこと!ペルセポネは、『ゼウス』の雷撃を魔法で相殺。ミトラ王は、『太陽神』の熱線を相殺してちょうだい!」


「はい!」「かしこまりましたわ!」「承知!」


 みんな、異口同音に返事を返してくれる。


「葛葉様、傷を負っているところ申し訳ないのですが、陰陽の術にて、ゼウスを束縛する結界を張る準備をしてほしいのです」


「承知いたしました、主殿!」


 私とハーデスは、お互いに頷く。


「ハーデスと私は遊撃!『時間操作』の隙を与えなければいいから、無理は禁物よ!」




 ゼウスは、インヴィクトゥスの名に恥じない猛攻を繰り出す!!


 『ゼウス』の雷撃と稲妻の剣、『太陽神』の熱線と陽光の剣、そして、油断すると『サトゥルヌス』による時止め!!


「くはははは!この力、まさに絶・好・調であるッ!……我が世の春が来たッ!!」


 ゼウスは圧倒的な力で、私たちを押し込んでいた。しかし……


「私が、ゼウスの剣撃を受け流します!!」


 アルテミスは、ゼウスの攻撃を予測し、受け流しながら防御を固める!


「アルテミス、焦らないで!雷撃は、わたくしが!」


 ペルセポネは、アルテミスを回復しながら、魔法の障壁を展開し、ゼウスの雷撃を相殺する!


「『アポロン』よ、我に力を!我が、光でゼウスの力を封じる!!」


 ミトラ王は、太陽の熱線を放ち、ゼウスの攻撃を相殺する!


「僕なら、あいつを止められる!誰かが、終わらせなきゃ!」


 ハーデスは、巧妙にゼウスの攻撃をかわしながら、隙を見つけて反撃する!


 私も、慣れない剣で遊撃するけど……いや、『時を止めさせない』ことが重要なはず!!


 次第に……私たちの連携と個々の能力が噛み合い、ゼウスの攻撃は阻まれ、削がれていく。


「……こんなことが、このゼウス・インヴィクトゥスに対して!」


 そして、戦いの中で……ゼウスの表情に、焦りの色が滲み始めた。


「 ぬ ぅ お ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ っ !! 」


 突如!!ゼウスの権能の覇気が、爆発的に膨れ上がる!!


「『真の太陽神』の力を見せてやる!!全てを薙ぎ払え!!」


 それは、光。


 ただただ、眩しい光。


 天を裂き、大地を焦がし、あらゆるものを呑み込む光。


 空間が焼き切れるような轟音とともに、すべてが白に染まる。


「そこを、どけぇぇぇっ!!」


 その瞬間!ミトラ王が前に出た!!


 私たちを庇うように、己の身をもって光を遮る!!


「『アポロン』よ!我に力を!!うおぉぉぉぉぉっ!!」


 閃光と衝撃!!


 玉座の間の天井が砕け散り、壁が崩れ落ちる!!


 埃が舞い、視界が閉ざされる。


 ミトラ王は……!?


「……ふっふふふ、はっはははは!!」


 ……笑っている!?


 驚愕に目を見開きながら、ゼウスが呻く。


「……『真の太陽神』の一撃を食らって、なお立っているとは……」


 ゼウスの声に、信じられないという色が滲む。



「 () () () () () () () () () () () !? 」



 しかし、ミトラ王は、笑いながら答える!!



「 () () () () () () () () 、


   () () () () () () () () () () !!」



 そして、誇らしげに告げる!


「……貴様の謀りではあったが、『太陽神』達の『試練』は、我を、この境地へと導いたのだ!!」


 ゼウスは、納得のいかない顔をする……私も、だ!


「……あとは、頼、んだ……ぞ!」


 ミトラ王は、ついに倒れる!そして、葛葉様が叫ぶ!


「主殿、今です!陰陽の術にて、ゼウスを捕らえん!《拘束符》!!」


 その声に、ハーデスとペルセポネも呼応する!


「ハーデス!」「はい、ペルセポネお姉ちゃん!」


「「 冥 界 の 鎖 !! 」」


 ゼウスは、三人の拘束で身動きが取れない!しかし!!


「残念だったな!まだ『真の太陽神』の権能は撃てるのだ!!」


 ゼウスの『真の太陽神』の権能の圧力が膨らむ!!


 また、あの権能が放たれる……その時!!


「……ゼウスよ、私は『太陽神』が、何たるかを教えられた!」


 アルテミスが、前に出る!!


「真夏の暑い時期の太陽も『太陽神』を象徴するが、冬を乗り越えて『冬至』から、また燃え上がる太陽も『太陽神』の象徴なのだ、と!!」


 アルテミスは、ゼウスを睨みつける!!



「私は、あなたを『太陽』だと、認めない!!


 我が守護神『アルテミス』よ!我に力を!!


 その身で、偽りの『太陽』を封じ込めよ!!


  『   日     蝕(エクリプス)   』  !!」



 それは、天文学の知識を有し『再解釈』しないと発現しない、権能!!


 『日蝕』は『太陽』を『月』が隠す現象!


「ぬぅ!我の『真の太陽神』の権能がっ!!」


 『太陽神』の権能を封じ込められたゼウスは焦る!


「『女王様』!今です!!」


 ……本当に、底が知れない娘ね!


「覚悟なさい!ゼウス!!」


 私は、剣を構えて走り出す!!しかし……


「……詰めが、甘いっ!!」


 ゼウスは、ニヤリと笑い、『()()()()()()



「 天 光 満 つ る 処 に 我 は 在 り 、


  黄 泉 の 門 開 く 処 に 汝 在 り 、


  出 で よ 、 神 の 雷 !! 」



 しまっ、あれは、『雷神』の『祝詞』!!


 天空の神『ゼウス』の、究極の雷の召喚!


 天が、閃光に包まれた……


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