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人の書〜エルドラド建国記〜  作者: 水井竜也(仮)
第4章・女騎士アルテミスと王国再編の女王様
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『運命改変』第15話・森の神と山の神

 私達は、『お供え』をするために『森の神』を祀る祠を訪れました。


 しかし、祠の方から蔓が伸びてきて、私達を拘束します!!そして……


『……人間達よ、この森から出てゆけ!さもなくば……


 養 分 に し て や ろ う か !! 』




「古き神『森の神』と、お見受けします。どうか、私達の話を聞いてください!」


 『魔女様』が『説得』に入るようです。


『……ふん!「サトゥルヌス」様の威を借る、使い手風情の話など、聞く耳持たぬ!……お前達、人間は、私の森を切った。森の恵みを与えるのは『森の神』の使命。だが、お前達は、私や『自然』に感謝することなく……すべてを、根こそぎ奪っていった!!』


 前領主の所業のことを言っているのでしょう。


 『神』からしたら、人間個人を判別することは、難しいのかも知れません。


「『森の神』よ!あなたの森を切った者は、既に処罰されました……それで足りないというのならば、王族である、私の命で償わせてください!」


「『魔女様』!!」


 何たること!無関係な貴族のために、王族である『魔女様』が犠牲になるなど!!


「……アルテミス、これが上に立つ者の『責任』の取り方よ」


「そんなの!そんなの、間違っている!……『森の神』よ、命ならば、私のを捧げよう!だから、『魔女様』を!!」


 『森の神』は、静かに私達の様子を見ていました。そして……


『……お前達が、仲間想いなのはわかった。






 ……だったら、なんで、その気持ちを、ほんの少し……ほんの少しでいいから、お前らが奪った『自然』に……






 () () () () () ()

  () () () () () () () () !!!』


 『森の神』は激昂し、私達の拘束を強める!


『一人と言わずに、二人とも「自然」の養分となるがいい!!』


 意識が……朦、朧と……し、た……その時!!




『……違ウヨ』


 ……かすかな声が聞こえました。


『違ウヨ!』『ソウジャナイ!』『「魔女様」ハ違ウヨ!』『「オ供エ」ヲクレタ!』『違ウヨ!』『住民ニ信仰ヲ思イ出サセタ!』『違ウ、違ウ!』『領主様モ頑張ッテタシ!』『違ウヨ!』『森ヲ助ケヨウトシテル!』『ソウジャ、ソウジャナイ!』『違ウヨ!』


 そして、たくさんの声が聞こえてきたのです!!


『……お前達、どうして此処に!?』


 『森の神』は、気圧されて、私達の拘束を緩めます。


「……祠に祀られている神々でしょうか?」


「そう……みたいね」


 こんなに、たくさん……まだ『お供え』をしてない祠もあるのに。


「『森の神』よ!確かに、我ら人間は間違いを犯します。ですから、どうか我らをお導きください!『クロノシア侯爵領』は、『自然』と『人の営み』の調和を目指しています!どうか、あなたの力を貸してください!!」


「『森の神』よ!領主である、私からもお願いします!どうか、私達を見守り、共に歩んでください!!」


 『森の神』は、他の『神々』の言葉を聞きながら、私達の言葉を吟味しているようでした。


 しばらくして『森の神』が、私達に告げます。


『……私は、誤解していたようだ。お前達が、この地の『自然』を『再生』するために、努力していることを知らなかったのだ……どうか、許してほしい』


 『森の神』は、謝罪してきます。


「許すなどと、とんでもない!人間は『信仰』を忘れ、『神々』を蔑ろにし、『自然』を食い潰してきました。謝罪すべきは、人間である私達の方なのです!人間達の行いを、謝罪いたします!」


 そう、言って『魔女様』は、頭を下げます。


『……ふふふ。「魔女様」、そして領主様、これにて和解としよう!』


「ありがとう!『森の神』!」


「『森の神』よ!領民を代表して、礼を言います!」


 『森の神』は満足そうに頷き、私達に告げます。


『「魔女様」、領主様。私は、この地に住まう人間達を守り、森の恵みを与えることを誓おう!お前達の「自然」を「再生」させる取り組みに、私も参加させてほしい!』


 『魔女様』と私は、顔を見合わせて喜びます!


「では『森の神』よ!和解と協力の印として、私と『契約』して『クロノシア侯爵領』の守護神になってください!」


『承った!!』


 そして『魔女様』は『サトゥルヌス』様に願います!!



「我が信奉を捧げし神、『サトゥルヌス』よ!


 ここに契約は成った!『クロノシア侯爵領』が新たな守護神を祝福せよ!


 古き神『森の神』に、『自然』を『再生』する、新たな神格を授けよ!!」



 祠の周りの植物が光り輝き、地面からは新たな芽が出てきます。


『祠の神々よ!私を祝福せよ!すべての者に、森の恵みを与えよう!!』




 『森の神』は、光り輝き、新たな姿を現します。


 青碧の鱗は葉脈が張り巡らされ、その体躯は巨木が天に向かって伸びるかのようです。


「さあ、新たな名前を差し上げましょう!あなたは『青龍』!!『クロノシア侯爵領』の守護神よ!!」


『私の名前は『青龍』!!「魔女様」、そして領主様。この地の『自然』を守り、人間と共に歩むことを、此処に誓おう!!』


 こうして『クロノシア侯爵領』は、新たな守護神『青龍』を、お迎えすることができました。




『……ふふふ、はははは!!そうか「炎の神」も「森の神」も、貴様らに協力することにしたのだな?』


 玄武山の鉱山の掘削作業を開始する前に、『山の神』に挨拶に訪れました。


 私達の他には、鉱山で労働予定の者や、ペルセポネ宰相の護衛としてやってきた魔法使いさんも付いてきました。


「……ってか、魔法使いさん、まだ『クロノシア侯爵領』に居たんですね!?」


「護衛の役職を正式に辞して、『クロノシア侯爵領』に住んでいますよ?魔法を教えて、領民の皆さんから感謝される……それが私の生き甲斐となりました!」


 やはり、素敵な魔法使いさんです!何か、お返しができればいいのですが……




 『山の神』の祠の前で、『山の神』を讃え、鉱山での無事を祈る宴が催されました。


『……ところで、「魔女様」よ。そろそろじゃないのか?』


「『山の神』?何が、そろそろなの?」


 『山の神』が、コソコソと『魔女様』に囁きます。


『貴様ら、我の所に、ただ宴をしに来たわけではあるまい!?』


 私と『魔女様』は、顔を見合わせます。


「「ただ宴をしに来ましたが?」」


 私達二人は、声をハモらせます。


 『山の神』が言わんとしてることが、わからないのです。


『……ほら、その、あれだ……契約して、「我は玄武!!」ってヤル奴だ!……宴に参加している者達に、我の晴れの姿を見せるのだ!』


 合点がいった『魔女様』は、粘っこい笑みを浮かべます。もう、ニチャアって感じです!


「そっか、そっか『山の神』!私は、あなたのそういう所が、だーい好きだわ!!」


『……お、おぅ。頼んだぞ』


 『魔女様』は、真面目な顔をして、皆に向き直ります。


「……ごほん!みなさん、我ら『クロノシア侯爵領』は、古き神々に支えられて生活できています。まずは、そのことを『山の神』様に感謝いたしましょう!」


 宴に集まった人々は、口々に『山の神』を讃えます。


「……『山の神』様は、我々を守護し、鉱山での安全を与えてくれます!私は、『山の神』様に感謝し、契約を結ぶことで、新たな御姿を捧げたく思います……『山の神』様、よろしいですか?」


『うむ、善きにはからえ!』


 あーあ、『魔女様』が、プルプルと震えています。


「……ごほん!では『山の神』よ!感謝の印として、私と『契約』して『クロノシア侯爵領』の守護神になってください!」


『うむ!!』


 そして『魔女様』は『サトゥルヌス』様に願います!!



「我が信奉を捧げし神、『サトゥルヌス』よ!


 ここに契約は成った!『クロノシア侯爵領』が新たな守護神を祝福せよ!


 古き神『山の神』に、鉱山の安全を守り、民を守る、新たな神格を授けよ!!」



 辺りの水が凝固して氷になり、玄武山自体が震えています。


『宴に集まった者よ!我を祝福せよ!貴様らの安全は我が受け持った!!』




 『山の神』は、光り輝き、新たな姿を現します。


 漆黒の甲羅に覆われた亀、その尻尾は蛇の頭です。


「さあ、新たな名前を差し上げましょう!あなたは『玄武』!!『クロノシア侯爵領』の守護神よ!!」


『我が名は『玄武』!!「魔女様」、そして領主様よ!この地の安全を守り、人間と共に歩むことを、ここに誓おうぞ!!』


 こうして『クロノシア侯爵領』は、新たな守護神『玄武』を、お迎えすることができました。




『……だが、「アイツ」が、守護神として契約するかな?』


メモリに追加:『森の神』は【精霊級】から【人格神級】に昇格し、『クロノシア侯爵領』の守護神『青龍』となった。

『山の神』は【精霊級】から【人格神級】に昇格し、『クロノシア侯爵領』の守護神『玄武』となった。

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