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人の書〜エルドラド建国記〜  作者: 水井竜也(仮)
第3章・女騎士アルテミスと徹底抗戦の女王様
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『徹底抗戦』第3話・運命の啓示、その代償

 おもちゃのコインが砕け散った、翌日。


 天気は、『曇り』だった。


 確かに、『晴れ』でも『雨』でもない。




 私の部屋で、ペルセポネと『サトゥルヌス』の『啓示』について考察する。


「私達は、『雨が降るか、振らないか』くらいの気持ちで、コイントスしてたから、もっと、ちゃんとした『場合分け』が必要ってことね」


「ええ。それに『サトゥルヌス』様は、ちゃんと私達の問いかけに、答えてくださったのじゃないかしら?」


 確かに、そう!さすが『サトゥルヌス』義理堅い!


「確かに、『場合分け』さえ、ちゃんとしてれば、『サトゥルヌス』は答えてくれるのよ!」


「うふふ、これはハーデスの捜索に、一歩前進したのじゃないかしら?」


 実験は成功した。ならば、次の段階に進むべきね。




 まずは、『前提条件』を確認しなきゃ。


 ハーデスが、『無事』か、『どうk……いや、これでは『解釈の余地』を残してしまう。


 私は、ペルセポネの表情を、うかがう。


 ペルセポネは、穏やかな表情を浮かべ、首肯する。


「『運命』の神、『サトゥルヌス』よ、我に『啓示』を与えよ!!ハーデスが『生きている』なら表を、『死んでいる』なら裏を示せ!!」


 おもちゃのコインをトスする。


 小気味よい音を鳴らし、放物線を描く。


 ぴーーーん!ころ、ころ、ころ……


 床に落ちた、おもちゃのコインは『表』!


「……ハーデスは『生きている』!!」


 その瞬間、目眩がして倒れ込んでしまう!


「『女王様』!!」


 最後に感じたのは、柔らかい香りだった……




 ここは、『天界』。


 死者と、優れた権能を持つ者しか、出入りできない場所。


 今回の私は、どうやら『前者』に、近いのかも知れない。


『「無理」を、しよる』


「……ごめんなさい、『サトゥルヌス』。いつも、心配かけてばかりで」


 『孫』を心配する『おじいちゃん』こと『サトゥルヌス』は、私が無事だと、わかると笑顔になる。


『ほっほっほ。して、「反省」をせんといかんな。何処が「悪かった」のかを「分析」して、次に「活かす」のじゃ。「反省」は、生きている人間だけの特権なのじゃよ!』


「……はい!」


 『サトゥルヌス』は、いつもの口癖で、私を諭す。


 ……でも、『権能』のルールや『世界の強制力』に、反したとは思えない。


『お前さんは「千里眼」という「魔眼」を知っとるかのぉ?』


 『千里眼』。あらゆるものを見通し、遠方の出来事や未来のことを知覚することができるという。


「……クロノス、兄様」


『そうじゃったのう……』


 私も『サトゥルヌス』の権能を駆使すれば、『千里眼』と似たようなことはできる。だけれども、莫大な権能の力を消費しt……


「あっ!!つまり、『サトゥルヌス』の権能の範疇であるけれども、消費する力の量が多過ぎて、私の『生命力』が無くなったってことよね?」


『ほっほっほ。気付いたようじゃな?』


 『孫』を褒めるように笑う『サトゥルヌス』。しかし、真面目な顔をして注意する。


『……じゃが、こればかりは「生命力」の話であって「世界の強制力」ではないから、次は助けることができないかも知れんぞ?』


 その忠告にゾッとする。だけれども『生命力』を回復する方法なんて……


『さあ、あちらへ帰る時間じゃ……』




 私が意識を取り戻したら、ペルセポネが膝枕してくれていた。


 柔らかい香りと、少しの恥ずかしさと……


「あらあら。『女王様』、心配したのよぉ?」


「……ありがとう、ペルセポネ。倒れた私を、介抱してくれたのよね?」


 その時、ドアが勢いよく開かれる!アルテミスが駆け寄ってくる!


「『女王様』!倒れたと聞きました!!ご無事ですか!?」


「……アルテミスにも、心配をかけてしまったみたいね。私は大丈夫よ」


 『サトゥルヌス』に聞いたことを、二人に共有する。


「『啓示』は、擬似『千里眼』だから、莫大な『生命力』を消費する、と『サトゥルヌス』に注意されてきたわ」


「では!『啓示』の権能を使うのを、控えるべきです!」


「そうよ。あなたに、もしものことがあれば……」


 心配してくれる二人。だけれど!!


「二人とも、もう一度だけ。ハーデスの居場所を特定しなければ!」




 その日は、大事をとって休ませてもらった。


 こうしている間にも、ハーデスが酷い目に、あわされているかも知れない。


 『王国法』としては、ハーデスが「王位に立つ」と宣言するだけで、『女王』である私を排除できる。


 でも、それがない。ハーデスが『傀儡化』に、抵抗している証拠!


 ハーデスは、私達を信じて、助けを待っているのだわ!




 その翌日。『生命力』を使ってしまったためか、身体が重い。


 私の部屋に入るなり、二人が心配そうに話しかけてくる。


「やはり、もう少し休まれては?」


「顔色が優れないわ」


「……ハーデスのことを思えば、これくらい、どうということはないわ!ペルセポネ、『啓示』の方法を、説明してちょうだい!」


 二人が顔を見合わせ、頷く。


 私の前には、『王国』全土が示された地図が用意される。


 地図には、番号が書かれているようだ。


「『王国』の貴族たちの領地に、1〜20の番号を書いてみたのよ。それを、この20面体のサイコロを振ることで、100%の確率が担保されるんじゃないかしら?」


「なるほど!100%の確率が担保されますね!」


「そうね!100%の確率が担保されるわね!」


 20面体のサイコロを握る。


「『運命』の神、『サトゥルヌス』よ、我に『啓示』を与えよ!!地図に書かれた番号を示し、ハーデスの居場所に導け!!『国外』ならば、サイコロは粉々に砕けるものとする!!」


 カラン、コロン、カラン、カラン、コロン……


 20面体のサイコロは、茶碗の中で止まる。


「オイ、きたろぉ!」


 興奮のあまり、甲高い声が出てしまう。


「なんです?とぅ……『女王様』!」


 アルテミスは、怪訝な顔をして尋ねてくる。




 出た数字は『12』。『荒れ果てた領地』と呼ばれる場所。




 『啓示』の権能により、急激に『生命力』が奪われるのがわかる。


「すぐに、騎士団に召集をかけます!全ての騎士団の総力をあげれば、『荒れ果てた領地』を制圧できるはずです!!」


 アルテミスの提案に、私は危機感を覚える!


「アルテミス、駄目!全軍を『クロn……『荒れ果てた領地』に向かわせないで!!」


「!!……何故です!?」


「では、どうしたらいいのかしら!?」


『騎士団全軍』と『荒れ果てた領地』こと『クロノシア侯爵領』は『()()()()()()()()()()()()()』。




 私は、6面体のサイコロを握る!


「『運命』の神、『サトゥルヌス』よ、我に『啓示』を与えよ!!」


「そんな!!」


「危険です!!」


 二人は、制止しようとする!


「1は領主の館がある街、2は北の山地、3は東の河川、4は南の湖水、5は西の街道、6は他の場所!ハーデスの居場所に導け!!やっぱり『領外』ならば、サイコロは粉々に砕けるものとする!!」


 多分『2』の、北の山地の廃坑跡!!




 サイコロは転がり……



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