【BAD】冥界の女王【END】
ここは『クロノシア侯爵領』の西側。今は『白虎道』と呼ばれる場所。
ここは古来、王家が北からの侵略者を迎え討つ『古戦場』だった。
しかし、『王国』の初代国王・ソロモンにより、『神々と人間との契約』である『王国法』が制定されてから『戦争』が起こることはなかった。
今、『白虎道』には『戦争』の跡がある。
物が焼け焦げた臭い、血の臭い、そして、死体の臭い……
これらの死体は、『王国』の三軍の騎士団、近衛騎士団が多数であった。
そんな中を、髪を振り乱しながら、何かを探す女性の影。
そして、何かを見つけ……
「……あぁ、あぁ、やっと『会えた』。私の愛しい人……」
歓喜の涙を流す。だが、目の焦点は合っていない。
喜びも束の間、その感情は憎しみへと、反転する。
『権能』の力が渦巻く。黒き、憎しみの波動を纏って。
そして、周囲の死体が『動き出す』。
女性を中心に死体が起き上がり、昏い眼を女性に向け、騎士の礼を捧げる。
アンデッドの騎士団に囲まれて、女性がより一層、『権能』の力を込める。
すると、女性の想い人が、生前の姿で蘇る。
アンデッドの騎士団は動き出す。復讐のために。
その軍勢を指揮する女性は、まさに『冥界の女王』。
その日、世界はアンデッドの軍勢に飲み込まれた。
C O N T I N U E ?
[ Y e s ] N o
女従者アルテミスと絶対遵守の女王様・第8.1話