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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

【完結】律と悠人

作者: reo

<律目線>

「今日もよく元気でいられるな」


「うーん?なんでだろ」


「俺といて飽きないのか」


「飽きないからいまここにいるんだよ」


登下校中も、教室にはいってからも、

ずっと隣にいる。


まるで子供のように、

片時も離れない。


「律といるの心地いいんだよね~、ありのままでいられるっていうか」


初めてあったのは高校の入学式。


幼馴染みじゃないのに、すぐにこんな関係になった。


悠人は顔がいい。おまけに勉強も運動もできる。

とくに勉強もしていなければ、部活をしているわけでもない。

どれほど神を恨んだことか。

つくづく世の中は不平等なんだと思い知らされる。


生まれもったモノだからこそなおさら憎く感じるが、

誰も悠人を嫌いにならない。人柄のよさまで兼ね備えている愛されキャラだからだ。


当然クラスの中心になる、と

だれもが思うだろう。

それがどういうことか、

声をかけられてもはぐらかしている。


そしてもっとおかしなことに、

俺のとなりにいるのだ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ある日の昼


弁当を食べに教室から出ようとした時だった。


「悠人くん!今日一緒にご飯食べませんか?」


一つ上の学年の先輩、通称マドンナが、

悠人を誘いに教室まできたのだ。


「え~と、俺はちょっと用事があるので、また都合がいいときに…」


そういうと、少し顔をしかめて


「用事があるのね。近いうちに話がしたいの。じゃあまたね!」


と、足早に去っていった。


クラス中の視線が悠人とマドンナに向けられていた。


「はじめて間近でみた。美人だな。」


「うん」


「お前用事ないだろ、なんで?菜七子さんだぜ?」


「ん~まぁそうなんだけど、、それより律弁当食いにいこ」


こうもあからさまに注目されるのは、

耐えられなかったんだろう。


俺の手を引っ張って、

屋上につながる階段まできた。


ここには誰も来ないから、悠人の逃げ場となっている。


「ふー。モテる男は大変だ」


本当のことを冗談みたいに話す。


キメ顔もきまっている。


「うわ、うぜぇ。てか毎回断ってばっかだよな」


「うん。それがどうした?」


「みんなに嫌われてもいいのかよ、俺なんかと食わないでマドンナと食べたらいいのに。」


「俺はマドンナより律と食べたい」


真面目な表情でそんなこというなよ。

女子の前でやったら一発でメロメロだ。


「ていうか、みんなが嫌っても律は嫌わないじゃん」


それが当たり前でしょ。というような口調でいう。


「その自信は一体どこからくるんだよ。」


実際のところ嫌うつもりはないから、間違ったことは言ってない。


「菜七子さん。怒ってるかな。」


「怒ってはないだろうけど、菜七子さんモテるしなー。断られたことなかったんじゃね。」


「残念そうにもみえたね。」


「どちらにしろ、マドンナを断る勇気すげぇとおもう。」


「ありがと~」


「別に誉めたわけじゃねぇよ」


出ていく際にいった言葉を思い出す。


「そういえば話ってなんだろうな。やっぱ告白…。しかないよな。」


完全に聞こえる距離なのにスルーしている。

告白の話をするといつもこうだ。


「お前も大変だな。」


「まぁね」


俺と悠人の二人だけの時間は悪くない。

というか、こんなにモテる奴が

マドンナよりも俺を選んだことに

少し優越感すらある。


「あー食った食った。そうだ昨日更新されたステージ、よかった。夜更かしと課金でクリアした。」


「俺も今攻略中!律の体調とお財布が心配になるんだけど、、。いつもそうじゃん。」


「大丈夫、大丈夫。」


俺はいわゆるゲームオタクで、

悠人がちょうどはまりだした時に俺と出会った。


それから二人で同じ趣味で盛り上がり、

身内のことから自分のことまで

なんでも話す仲になった。


昼食後は大抵ゲームをして過ごす。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


午後の授業が終わるとすぐに俺の席にきた。

しゃがんでペンケースをいじっている。


「律って意外だよね~。クールなのにこんな可愛いキーホルダーつけてくるなんて。」


「妹からせがまれたから仕方ない。」


妹が誕生日にくれたネコのキーホルダーだ。


「いやぁ~案外気に入ってるんじゃない?ネコ好きだし」


悠人がニヤニヤしながらこっちをみる。


言い当てられたことに少し焦るが

平然を装いながらしゃべる。


「お前も同じようなのつけてるだろ」


「俺じゃだめなんだよ。律がつけるからギャップが生まれるんだねぇ」


自分でいって頷いている。

一群の女子らが話していたギャップ萌えの話が頭をよぎる。


「ギャップがあればモテるし…」


「えっ!もしかして女子目当て?!」


「そんなにモテたかったんだね。。」


かわいそーっていう声が今にも聞こえてきそうだ。


「冗談分かれ!」


「えっ冗談?分かりづら~」


なれない冗談をいうんじゃなかった。


キーンコーンカーンコーン


「あっチャイムだ」


「今日も放課後よき?」


「あーよきよき」


聞かなくても大丈夫だっての。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


午後の授業はあっという間に終わり、放課後になる。

放課後は食堂にいって二人で勉強会をするのが日課だ。といっても、勉強三割、その他七割だ。


毎日毎日飽きないな。

こんなに話していたらネタがつきそうなのに。


「で、彼女でもほしいわけ?」


凄い興味津々だ。


「そうかもな。」


「なにそれ。はっきりいえよ~」


「お前まだギャップ萌えの話、引きずってるのか?」


「そうだけど」


「はぁ…。彼女がいたら楽しいと思う。ただそれだけだ」


「ふーん」


さっきまでの勢いが急に冷めた。


俺は別に彼女がほしいわけではない。

でもいれば充実するだろうなと思うだけだ。


まぁいまも充実しているが…。


「俺さ~ぶっちゃけ、彼女つくってほしくないんだよね~」


また意味の分からないことをいう。


恋を応援するのが友達ってもんじゃないのか。


「抜け駆けされるのは嫌なのか?モテるくせに」


「いやそうじゃなくて…」


「あっマドンナきた!」


何て言おうとしたんだ、後味悪…。


「悠人くんだ!そうだ。いまからどうかな??」


強引で断れない誘い方。

さすがはマドンナといった感じだ。


それにコーヒーとお菓子を並べたこの状況。

完全にくつろいでいたから、

誤魔化せなかった。


「ごめん、俺行くわ」


不服そうな顔をしてマドンナについて行った。


心がざわざわした気持ちになる。

二人は何をするんだろう。

不思議と羨ましいとかじゃない感情になる。


そんなに俺独占欲強かったっけ?


ただのダチなのに。


さっき話の途中だったのにな…。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<悠人目線>


菜七子さんは何を話そうと俺を誘ったんだろう。

告白前にしては緊張感がなさすぎる。


「ほんとに二人は仲がいいんだね。放課後まで一緒なんだ。」


「えぇ、まぁ」


「律くんといるときと今じゃ人が変わったみたいね。」


なぜだろうか。

菜七子さんから俺への好意を感じない。


「人目のつかないところに移動しましょう。」


食堂を出て外へ向かう。


「今日はわざわざごめんね」


「いえ」


マドンナは逆にエスコートしてくれた。


「ベンチに座ろうか。話がしたいの」


なんか嫌な予感がする。


「私これまで人を好きになったことないの。でもね、はじめて好きな人ができた。」


七菜子さんは少しだけ頬を赤らめて、遠くを見つめながら話を続ける。


「ほぼ無口でいつも涼しい顔をしている。髪が伸びているからあまり目立たないけどきれいな顔立ちをしているの。」


やっぱり…俺の話じゃない。


「言葉遣いからは想像できない優しい眼差し。その眼差しを私にも向けてほしいって思った。」


菜七子さんの言葉がひっかかる。


その眼差しを私にも…


七菜子さんは俺の方に身体を向き直して、含みのある笑みを浮かべた。


「もうわかったかな?私が好きになったのは律くん。」


へー律を……え?

思わず咳き込んでしまう。


大丈夫?とハンカチを渡してくれる。

あっ平気ですと言いながら体勢を戻す。


今俺動揺を隠しきれてないよな…


マドンナが律のことを…まじかよ


俺が一旦落ち着くのをみてから、七菜子さんが話し出す。


「いきなりこんな話を持ちかけて悪いんだけど、仲がいい悠人くんに協力してもらいたくて」


えっ協力ってなに、くっつき作戦?

それに俺が協力するのか。


「あの具体的に教えてください。」


「そのお昼を一緒に食べれるように配慮をしてほしいというか…。律くんがどんな人が好きなのかとか、彼女をつくりたいのかとか、色々聞いてほしいの。」


俺は黙って考え込んでしまった。


「あ~そっか…むりいってごめんね!やっぱりこういうのって人に頼んじゃダメだよね!じゃあ私はこれで」


すごく残念そうな表情を浮かべて、

足早に立ち去ろうとする。


俺は慌てて七菜子さんを引き留めた。


「あっまってください!俺やりますよ。」


引き受けたくないのに、

落ち込んだ顔をみたらはいと答える他なかった。


パーっと満面の笑みを見せる。


「悠人くんは人もいいのね!」


俺は複雑な気持ちでいっぱいだった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<律目線>


悠人が帰ってきた。


「ただいま~」


「どうだった?」


「告白とかじゃなかったよ、え~と部活勧誘だった!」


「部活勧誘?へぇ~なんの部活?」


「それは~えっと、ボ、ボランティア部…」


「菜七子さんボランティア部なんだ、不思議なこともあるもんだな」


何をいわれたのか知らないが、

告白じゃないときいてほっとした。


でも、嘘をつく理由はなんだ。

下手な作り話に気づかないわけがない。


告白でなくてもそのなにかが、

よくないことであれば

都合のいいように理解したかった。


それからの悠人はぎこちなく、

なにか考え込んでるようにもみえた。


勉強も雑談もはかどらない。


気まずい空気が流れる。


「今日はここで切り上げようか」


「うん。そうだね。」


いつもの一時間も早く解散した。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


次の日


「おはよ~」


ケロっとしていた。


普段と変わらず今日も元気で、

昨日何かあったようにみえない。


ここまで隠されると、

昨日のはなしに触れるのも難しくなる。


聞くつもりはなかったが、聞かないでおくのも

夜眠れなくなる。


告白じゃないならなんだ…。

いつもの調子で話しかけてくる。


「律~、もし彼女をつくるならどんなタイプがいい?」


「また彼女、彼女って。そういや昨日何かいいかけてなかったか?」


「忘れたのか?彼女つくって欲しくないってその後」


一瞬下を向きなにか考えてから


「いやなんでもない。」


と答えた。


「ほら、早く教えて、好きなタイプ」


「なんかいつもよりしつこい。俺が好きなタイプは俺が好きになった人だ」


「は?なにそれ。だれ好きになった人って」


「これまでじゃねぇ。これから好きになる人のタイプだ」


俺にも好きなタイプとか分からないから、この答えが一番妥当だと思う。


「そんなの分かんないじゃんか~」


その通りだ。

未来のことなんか分かるはずがない。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


今日も放課後は食堂だ。


するとまた、マドンナがきた。


手招きして悠人を呼び出す。


「行ってくる。」


昨日とは違って積極的ではあるが、

足並みは重く見える。


「告白じゃない話があるか。また頭悩ませなくちゃいけないのか…。」


「待ってる間はほんと静かでつまらないな。」


一人でぶつぶつ呟いてみる。


食堂にいるのは俺たちみたいなやつばかりだ。


だれもノートを開かず雑談で盛り上がっている。

人数はほんの数人しかいないが。


そうこうしていると、悠人が帰ってきた。


「はぁ…。」


ため息をついている。


「部活勧誘にしては長話だな。ここでもできるし、ボランティアで部活勧誘なんかするか?」


「うーんなんかしつこくてさ、、。」


俺に隠さないといけないことなのか。

こんなに仲がいいのに、いえないこと。

ますます分からねぇ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


それから数日が経つ。


その日以来必ず放課後に、

菜七子さんと話している。


キーンコーンカーンコーン


午前中最後のチャイムがなる。


「うっわぁ、やっとおわった」


ぐっと伸びをする。


お腹がすきすぎて死にそう。はやく行こう。


そう思った矢先に悠人がきた。


「昼、菜七子さんも一緒に食べることになった。」


俺は今どんな面してるだろう。

目が飛び出ていないか心配になった。


どうしてそうなったんだ。


もう考えることが面倒臭い。

悩むのは止そう。


とりあえず二人きりになりたいってことだな。


「じゃあ俺は教室で食べるよ。気にしなくていい。元ぼっち舐めんなよ」


自分で言って悲しくなる台詞だ。


「ダメだよ。それじゃ意味がないから。」


「は?お前ら二人きりになりたいんじゃ…」


「二人じゃなくて三人。ほら、菜七子さんあの場所に来てる。はやく行かないと、待たせてる。」


小走りで向かう。


さっき考えないようにしたのに…。


こんな不可解なこと考えないわけないだろ。

答えを導き出せないのがもどかしくてならない。


いつも悠人と俺しかいないあの場所に、マドンナがいる。


もう弁当を食べ始めているようだ。

こっちに向かって手を振っている。


俺ら以外が来るのは初めてだ。


この三人で食べるとは、

なかなかおかしな構図だ。


「誰かがみたら大騒ぎだぞ。」


小声で話しかける。


「これまで大丈夫だったじゃん。」


たしかにそうだが、

なおさら緊張感が高まる。


「ここいいところだね」


菜七子さんが口を開く。


「ほんとにだれも来ない。この前もここに逃げたんでしょ」


「そうですよ。ここが俺らの逃げ場ですから」


この雰囲気に耐えられない。


イチャイチャを見せられて俺は何をしろと。

俺の出番は?

時間がたつほど腹が立ってきた。


「律も菜七子さんと話して」


「えなんで俺が」


「いいから」


どうして俺に振るんだ。


「悠人がいつもお世話になっております」


「あっうん!悠人くんは優しい人だから全然そんなことなくて。親みたいだね」


「あはははは…」


お互い作り笑いで場をつなぐ。

なんてぎこちない会話だ。


「律くんはなんで髪を伸ばしてるの?」


「えーっとこれは、切りに行く暇がなくて…そのままにした結果です。」


「へぇかっこいいのに勿体ないなぁ」


「へ?」


思わず変な声がでてしまった。

かっこいいだと…?


「まさか、かっこいいだなんて冗談を」


あえて謙遜しもう一度聞こうと思ったら、

悠人の方へ向きなおした。


何やらヒソヒソと耳打ちをしている。


あぁもういいや。


さっきの喜びが一瞬で萎えた。


痺れを切らして言う。


「あの~俺邪魔じゃないっすか?もう食べ終るんゆっくりしていってください。」


「えっ!どうして?!」


「じゃっお二人でごゆっくり~楽しめよ~」


「ちょっ、ちょっと待って!律!」


振り返る気にもならない。


どうせ、二人じゃ気まずいから俺を呼んだんだろう。

別に話せばいいじゃないか。


ここまで見せられて隠す方がおかしい。


なんだよ。利用されたってことか。


悠人もやっぱり恋愛するよな。当たり前か。


「あーーそりゃ好きな人とるよなぁ」


無意識に口が開いていた。


「なに?好きな人?誰が誰を好き って?」


「うわっびっくりした、お前菜七子さんは?」


「おいてきちゃった」


「いやいやいや、置いてきたって」


「だって律がいきなりどっか行くから」


キョトンと目を丸くさせている。

どこまでも手のかかるやつだ。

説明をしないと分からないのか。


「2人きりにさせるために席をはずしたつもりだったんだけど」


「何を言ってるの?律が誘われてたんだよ。菜七子さんに。どっか行ったらダメじゃん。」


俺が誘われてたのか?

となると…


「……え?」


もしもそうだったら辻褄があう。

頭の中が今までになく騒がしい。

まだ定かではないのに。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<悠人目線>


そして、その日の放課後。


「ごめんなさい!放ったらかしにしてしまいましたっ!」


「ううん!大丈夫!」


頭をあげてという。


「私、好きな人の前で思わずかっこいいって言っちゃって。恥ずかしくて全然話せなかった。」


菜七子さんも乙女になるんだ。


高嶺の花だからこそ、相手からのアプローチばかりで、恋愛の経験は少ないのかもしれない。


「もう告白したらどうですか?」


「告白してから色々知っていくのもいいとおもいますよ?」


「そうね…」


「これまであなたに告白してきた人たちは、ほぼみんなそうだったんじゃないですか?」


複雑な気持ちになる。

困っている人にアドバイスをしただけなのに。

すごい苦しくなる。


「たしかに…ありがとう!なんか勇気がでた!」


勇気ださせちゃった…。


俺ほんとにこれでよかったのか…

心のどこかで後悔してる自分がいる。


律、すげぇ喜んでた。七菜子さんと話してるときの律の顔といったら……はぁ…




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


次の日の朝


「おはよー…って律どうしたの?温泉にでも入ってきた?ふにゃふにゃしてる…」


「えっそんなにか?」


昨日のことで浮かれていたのか。


悠人以外ほぼ関わりを持たない俺にとって、

誉められたり誘われたりすることはなかなかないことだった。


「悠人こそ元気はどうした?」


「げんきげんき!ほら学校始まるよ、ポケっとしないではやく走って!」


「まだ時間あるって、そんなに急かすな笑」


俺の前で駆け足しながら歩いてくるのを待っている。


足が遅いとばかにして笑ってるのを見て、

いつもの調子だ


と思ったが

授業中ずっとそわそわしていた。


教室の入り口の方を見てはため息をつく。

何度も振り替えってはため息をつく。


「お前のため息で二酸化炭素が増える」


「大丈夫。帰って木植えるから」


今日はなにか大きなイベントがありそうだ。


昼休みになると一層ひどくなる。


「食いに行こうぜ」


声をかけたら


「ちょっと待って」


という。


何もしていないのに、何を待つというのか。

しばらくすると、マドンナがきた。


菜七子さんを待っていたんだな。

悠人をまた連れていくのか。


「ちょっといいかな。律くん」


「は?俺?」


マドンナがきて教室がざわめく。

律って誰だといった感じでひそひそと囁き声が聞こえる。


俺個人で呼び出されるのか…。


心のどこかで期待している自分。


これはもしかしてのことがあるかもしれな


「早くいってき


俺を促すように言う。


俺が菜七子さんについて行こうと足を動かした瞬間、悠人が服をつかんだ。


「どうしたんだよ、さっきはやく行けって言ったのはお前だろ?」


なにか言いたそうにしながらも、


「ごめん」


それだけ言ってつかんだ服を離した。

なんとも言い難い表情をしていた。


周りの視線を避けるように、

後ろの扉から

教室前にいる菜七子さんのところへ急ぎ足で行く。


人目の少ないところまでくると

くるっと振り返って


「突然ごめんね。」


といった。


不思議と頭が混乱していない。


冷静になって

次にどんな言葉がでるのか考えた。


「もっと距離を縮めてから言うつもりだったけど、悠人くんのアドバイスを聞いてこれもありだなって思った。」


しばらく間をあけて、なにか覚悟を決めたように顔を上げた。


「あのね、私、律くんのことが好きなの。知らないことばかりだけど、私でよければお付き合いをしたいです。」


二人の間に沈黙が流れる。



「ごめん、なさい。」


……なにいってるんだ、俺…


なんでだ。

断らないで付き合えよ。

普通は断らないだろ。


「ありがとう」


ニカーっと笑った。


「スッキリした!初恋だったの。振られてしまったけど、告白に後悔はないよ」


その姿はとても綺麗で、

気づけば自分のことそっちのけで見入っていた。


「これからも友達として仲良くしてほしいな。先輩後輩気にしないから気軽に声かけて!!」


「すいません」


マドンナの誘いを断ったあの時の悠人よりも、

俺の方がすげぇよ。


じゃあねと顔の横で手をふりながらこの場を去った。

座りこんで頭を抱えた。


自分でも分からない行動に戸惑いつつ、

何がそうさせたのか分かるような気もした。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「帰ってきたね」


「お前知ってたんだろ。」


「あの時言ってた部活勧誘は嘘だから」


「そんくらいわかるわ」


「その、告白されたんだよね。返事は?」


「俺、断った。なんでだろう。マドンナからの告白なのに、ごめんって言ってしまった」


「何がダメだったんだ。理想と違うとか。いやそもそも理想とかないし…。」


もうよくわからない。

ほんとうにこれでよかったのか。


「あーよかった!」


「凄い嬉しそうなんですけど」


「俺いったじゃん。彼女とかつくってほしくないって」


「そんなに嫌なのか?まぁ、お前がそういうならこの返事は間違ってなかったんだな」


それ程後悔していないのも、

なぜだかわからない。


俺の謎が深まるばかりだ。


「それよりお前JRCって…菜七子さんは弓道部だろ。もっと、まともな嘘をつけ」


「弓道部なんだ!!」


「周知の事実だ、知らないのお前だけじゃね」


「え~!!」


「そのせいで寝不足なんだが」


「えっ寝不足?そこまで悩んだの?なんで~」


「あ?なんだっていい。責任とってくれ」


「だって、告白は自分の口でしたいっていうから」


「菜七子さんが?マドンナだからもっとあの手この手使ってきそうなのに。案外真っ直ぐでいい人だな」


「あれ。今ごろ惚れたとかいわないよね」


「ちげぇし。」


人は見た目だけに囚われてはいけない。

これまで偏見があったこと、

勝手にそうだと思い込んでいたことを、

申し訳ないと思った。


それにしてもなんで俺なんだろう。

てっきり悠人かと…


「呼ばれたとき。菜七子さんがいってた。」


一部始終を聞いた。


「美化しすぎじゃね、菜七子さんには俺がどう写ってるんだ…?」


「その眼差しを私にも向けてほしいって言ったんだ。律!誰にそんな色目を使ってるんだ!!」


「色目じゃなくて、優しい眼差しだろうが!」


「心当たりがないな。まぁとりあえず、俺は美男子ってことだな。」


「なれない冗談いわないでよ、引くわ~」


「昼食べて誘ったのも全部そうなんだな。放課後こそこそとしていたのもそういうことか。」


「途中で何となく分かったでしょ?」


「うん、まぁ。」


「とりあえず今日はよく眠れそう」


「俺もだ」


とりあえず一件落着。


こんなに苦悩したのは久しぶりだ。

明日にはもとの日常が待っているのだろう。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「おはよ~!」


昨日までの悠人が、

元気ではなかったことがよく分かった。


「なんか、考え事してる?」


「ん~まぁ。」


「なになに深刻なこと?」


「う~ん」


俺は昨日までの出来事を振りかえって、

改めて思ったことがある。


「俺、髪切るわ」


「え?!」


「いやいやいきなりどうしたの?なんでそうなる?」


「モテたい」


「は?えっちょっなに?」


「イメチェンしたらなんかいける気がする」


少し調子が乗りすぎたかもしれない。

でもこれより前に考えていたことだ。


悠人と並んで歩いている身。

恥ずかしくないように身なりは整えてはいた。


髪の毛以外。


髪だけは切る勇気がでなかった。


「絶対に嫌だ!」


かたくなに拒否している。


「ふーんなるほど。俺の顔が世間様にみられるのが困るって?」


「そうだけどなに?」


「冗談で言ったつもりだったんだけど…てか言い方怖すぎんだろ」


理由はモテたい。それと、


「正直悪い意味で浮いてる気がしてよ。お前と俺を比較してなんでつるんでるんだって。」


こういうことだ。


別に誰も陰口を叩いているわけじゃないし、

そんな噂もたっていないけど。


「誰も気にしてないから、イメチェンとかガチでやめて」


「お前どっちの意味でいってるんだ笑」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

土日を挟んで月曜日がきた。


「おはっ…えっ…」


俺はバッサリ髪を切った。


「えー!!!なんで、やめてっていったよ?ねぇ聞いてた?」


「前見えねぇほど邪魔だったから仕方ないだろ」


膝から崩れ落ちる。


いやそこまでなるか。


「ほんっとに、さいてー」


なんだその言い方。


「お前といられる時間減るじゃん…」


小声で言った。


「絶対に人よってくるじゃん!!!」


大声で言った。


「あ?そんなにカッコいいか?」


「カッコいいより美形って感じ。律今日は休も?」


「休まねぇよ」


「お願い~、その顔は俺だけがみていいものだから、人様にみせないで~」


そこまで顔いいなら、早くから切っとけばよかった。


モテ期が来ないのはもさかった髪のせいか。


「今日休んでも明日学校行けば変わんねぇ」


無理やり連れていく。


視界が広くなったなぁ。

髪がない違和感がすごい。


「学校大変なことになる」


「ならねぇよ。俺が髪切ったくらいで…」


「なにあのイケメンたち、ここら辺にいたかな」

「あの制服…○○学校っぽい」

「高校生かな。高校生役の俳優?」


道行く人たちが指を指して話している。


「ほらみろ…」


この様子…異常すぎるだろこれ…!!


悠人を指してイケメン♡っていってるやつは

いやという程みてきた。


1日にして世の中が変わったみたいだ。


「いつもお前こんな気持ちだったのか…」


「どういうこと?俺今すっごい不機嫌だから」


「フッやきもちかよ」


これは本当に学校が沸くかもな。


あぁみんなに見られてるなぁ。

やばいチョーいい。


教室に入った瞬間、

ドアの近くにいた女子が


「だれ?!チョーイケメンなんだけど!!!」


と叫んだ。


視線が一斉に集まる。


「なにこれ、予想以上なんだけど?」


隣にいるはずの悠人に話しかけたがいなかった。


探しにいく前に、

人の渦に呑まれてしまった。


「えっ、あーちょっと…」


甲高い声が教室中に響く。


だれ?って声が聞こえてくる。


それなりに仲良くやっていた奴らも、

首をかしげている。


「俺だ俺!律!何となくわかるだろうが!!」


「納得いかない、あんなイケメンだったかな。てか、前がどんな感じか忘れた」


俺空気薄すぎ、、

地味にショック。。


隣のクラスものぞきにきている。

さすがに怖い。


人が髪をきっただけでここまで、

態度が一変するとはな…。


とりあえず今は悠人を探さないと。


「悠人知らない?」


「見てないよ?それよりさ~なんで隠してたの?こんなイケメンが同じクラスにいるなんて思わないよ!!」


「あっうん。ありがとう。ちょっとどいて」


「どこに行くの?!」


「とっトイレ…」


「あとで連絡先交換してね~!」


私もって声が聞こえてくる。

ハーレムじゃん。


声が聞こえなくなるところまできても、

見つからない。


悠人どこにいったんだ…。


すれ違ってるかもしれない。

もう教室に戻っているかもしれない。


でも今探しに行かないと、

どっかにいってしまうんじゃないか。

そんな気がして怖かった。


人目のつかない屋上につながる階段…。


予鈴がなったにも関わらず、

全力で走った。


そっぽ向いて座っている悠人が見える。


「もしかして探しにきてくれたの?」


「はぁはぁ、体力ないっての。走らせんな」


「かぁわいい」


「は?何余裕こいてっ」


悠人は俺を引き寄せて


「ありがとう」


そうささやいた。


回した腕を頭の上にのせて、


「俺だけの律。有名人になっても一緒にいてくれる?」


顔がほてる。


走ったせいか頭のなかがふわふわして、

このまま。ずっと、このままがいいと思った。


「ここにきたってことは、いいってことだろ…」


「ほんとに?!まじで?!やっぱ律は俺のこと見捨てないいい人!」


「なっなに急に?空気ぶち壊しじゃねぇか」


「空気も糞もねぇか、ほら、チャイムなったぞ」


「絶対くると思った」


「だから、その自信はどこから?」


来て正解…だよな。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あれから何日かたてば髪も馴染んで、

集まる人も減った。


連絡先を交換した女子とも、

3日もすれば自然と連絡が途絶えた。


俺が返信をめんどくさがったのが原因だ。


ハーレムは夢だが、今までタイプな女性に出会ったことがないし、あまり興味が湧かない。


とびきり美人な菜七子さんさえ断ってしまうのなら、俺は一体どんな人に惚れるんだろう。


「律~おはよっ!」


調子がもとに戻ってきたようだ。


最近は二人で廊下を歩いていると

手を合わせて拝まれる。


ファンクラブまでできて、

瞬く間にアイドル的存在となった。


ここまできたら国宝級イケメンじゃないかと、

勘違いしてしまいそうだ。


それでも昼は必ず二人だけの時間ができる。


人混みにまぎれてあの場所へ足を運ぶ。


「スターも疲れる」


「まぁでもあと少ししたら落ち着くんじゃないかな?」


「俺って価値がある人間だったんだな」


「何を今さら。前からでしょ。俺は律しかいないっていうのに…。」


この時間が好きだ。


だれにも奪われたくない。


……あれ


これが友情…?


胸が騒がしくなるのも、

独占したくなるのも、

友達だからだろうか。


鼓動がはやくなる。


そういうことなのか?

もしかしてそういうことだったのか?


「律?なにどうしたの?さっきから口数減ってるけど」


「弁当そんなにまずい?はしもって静止してる」


意識すればするほど

会話がぎこちなくなる。

分からなくなる。


「ごめん、俺なんかおかしいわ」


「律はいつもおかしいよ!」


「ふざけんな、おかしいのはお前だろうが!」


やっぱり、友達なんだよな。


七菜子さんが言っていた言葉がふと頭をよぎる。

その眼差しを私にも…か。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ここ何週間か。

何度もこれが友達に対して沸く感情なのかどうなか確かめた。


結論友情に至るのに、

なぜか納得がいかない。


それ以外の情に薄々勘づいているけれど、

まだ確信がつかないでいる。


もしそうであったときが、

怖くてしかたがないんだ。


どう接したらいい?何が変わる?

この関係が終わるかもしれない。


確信がつかないというよりも、

肯定したあとが不安だった。


こうやってずっと曖昧にするのは嫌だ。


悠人にも少しはあるんじゃないか。


この前


「お前こそ好きな人とかタイプとかいねぇの?」


と聞いたとき、


「俺の好きなタイプは律みたいな人」


そう即答した。


「俺みたいな人がいるか?もっとあるだろ、かわいいとか、優しいとか」


「可愛いし、かっこいいし、優しいし、面白いし、話が合うし、…きりがないよ笑、ほんと理想だよね」


「…」


好きじゃなかったらなんなんだ。


誤解する言い方は寄せよとは言えなかった。


悩み疲れて死にそう。

もうこのまま死ぬんじゃね。


疲労困憊していた。

この状態で頭がまわるわけない、

だから俺はどうかしてしまったんだ。


「俺お前のこと好きかもしんない」


口を押さえようと、手が動いたが、

時すでに遅し。


やべぇ今俺なんて…好きって言ったのか。


焦るな、平然を装え、冷静になれ。


自分の気持ちに整理がつかないまま

勝手に口にしていた。


今の自分が恐ろしく怖い。


なにやってるんだろ…。


悠人が一瞬目を大きく開く。


「うわがちっぽい言い方…」


といって、なにもなかったかのように

手を動かしていた。


俺は安心するはずなのに、

この気持ちが嘘って思われたことが

嫌で、嫌でしょうがなかった。


なんで……、つら……。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


今日も悠人は俺に「おはよ~」と呑気にいう。


昨日のことは24時間のうちのたった何秒かの話で、覚えているほうがおかしいのかもしれない。


俺が抱え込んでるほどあいつは気にしていない。

日常会話に紛れてしまった。


そんな気も知らずまた悠人は、

俺のとなりにいる。


「律~ノートみせて~おねが~い」


甘え声にねだる顔。


こんな姿日常茶飯事なのに、

深い意図があるんじゃないかと考えてしまう。


あのたった一言だけだもんな…

いつもと違わないんだよ。


俺にしか頼ってこないことが、

俺だけ特別な感じがしたことが、

脈ありだと思った。


眼中にあるわけないのに。

知らないうちに勘違いして…

だからこんな羽目になる。


バカだ俺。


「早くみせろ~お~い」


「ん?あぁ」


「律、体調悪いのか~ずっと一点見つめて」


「わりぃ、保健室いってくる」


今は話したくない。


なにも変わらないままでいいんだ。


いままで通りでも、

十分すぎるほど幸せだろ。


贅沢をいうな。

これでいい。


俺は保健室とは真逆へ階段をのぼる。


視界がぼやけてくる。

ゆっくり足をとめた。


冷静になれ、ダサすぎかよ俺…。

なんか笑えてくる。


「あれーなんでここにいるのかなー」


「へっ?」


一人になりてぇから来たってのに、

よりによってなんでお前が。


…どうして。


「うわっなにその顔」


「こっちみんなボケ」


「…」


「なんで黙るんだよ」


「律、俺んこと好きってガチ?」


覚えてたのかよ。


俺は少し期待を抱いた。

けどその期待も捨てておかないと、

あとで後悔するのはいやだ。


もういいだろ。

ほうっておけよ…。


「いまその話関係ないし」


「いいから答えて」


「嘘に決まってんだろ…」


これでいい。もうとっくに終わってる。


すると悠人が声を荒げて言った。


「嘘をいうな!!」


「は?」


「俺はあれを本気だと思ってる」


なん…で…


「じゃあ告白が本気だったらお前は何て答える」


『返事は』


「Yesだ!!」「Noだろ」


「……」


「悠人いまなんて」


「昨日は信じられなかった。でも律の態度があからさまで、もしかしてと思った。」


「多分律よりもずっと前から俺は律が好きだったよ。」


そんなことって…


「フフッ」


「も~そんなに泣かないでって」


「泣いてないし笑ってるだろ」


なんか色々ありすぎて力抜ける。


急に視界がぼやける。


あれ昨日寝れなかった…か…ら…。


「うお、ほんとに体調悪いじゃん、起きて~りっちゃーん。あっいいねりっちゃん。」


精神的疲労と肉体的疲労が重なって、

熟睡してしまった。


目が覚めたとき、最初に俺の目にうつったのは、

悠人の顔だった。


「うっ…」


「よっりっちゃん。起きたね。」


「ん…俺……うわぁ!!」


「寝顔可愛かったよ~」


「ん?う~ん」


夢?すげぇリアルだなぁ。悠人の顔、近い…


「はっえっ体調まだ悪い?なんで寝るの!りっちゃん!」


「夢じゃないのかよ!」


疲れてるのか…


夢と現実がごっちゃになってる怖ぇ。


「てかさっきからそのりっちゃんってなんだ」


「んーよくね?恋人っぽくて」


俺はいままでにないほど胸が高鳴った。

身体中があつい。


「顔真っ赤だ~」


「嬉しいんだよ。あんまりからかうな」


「りっちゃんが俺のこと好きになるなんてね、まさかのまさかすぎてビックリした」


「俺さ、りっちゃんがどっか行っちゃうんじゃないかって怖かった。もしなにも言ってなければ、ずっとあのままだったと思う。それでいいって思ってたけど、断然今の方がいい」


「俺はもうりっちゃんなしじゃ生きられない体になっちゃった。」


今のこの状況がまだ理解できない。


悠人の言葉一つ一つが

胸を高ぶらせる。


「あっまた泣いてる」


悠人の髪が顔につきそうなくらい近くなった。


この流れ…

俺はギュット目を閉じた。


「ん?期待した?」


「へっいやそっそんなことな…」


「いいよ」


俺は初めてのキスをした。

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