今までの自分、これからの自分
自分はアルビノ症という病気で生まれてきた、
指定難病164 眼皮膚白皮症
出生時より皮膚、毛髪、眼の色が薄く、全身の皮膚が白色調、眼の虹彩の色は青から灰色調を呈する遺伝病。視力障害や眼の揺れ(眼振)を伴うことが多く、頭髪は白から茶褐色、あるいは銀色を呈する。メラニン色素の合成が減少、あるいは欠損するために起こる。大きく2つのグループに分類され、一つはメラニン色素合成が少ないことによる症状のみを呈する非症候型、もう一つは、それに加え、出血が止まりにくい、あるいは子供のころから肺炎にかかり易いなどの合併症を伴う症候型に分けられる
幸い、と言っていいのか自分は非症候型だったため
普通の人となんら変わらない生活を送ることができた。
しかしメラニン色素が非常に少なかった為、茶褐色ではなくほとんど白、銀に近い髪色となった
そのため皮膚も非常に白く、
幽霊のような雰囲気だった。
そんな自分は子供の頃から気味悪がられた
自分は全体的に白いが、他の人は髪も黒くて皮膚もしっかりとした肌色だった
子供は自分たちと違うことに興味を持ったのか自分に話しかけてきた。
自分はその日転校してきたばっかで、話せる人なんて居ない、だから話したくなかった…
でも今思えばあの子は転校してきた自分に話しかけて上手く馴染めるようにしようとしたのかもしれない
「なんでお前の髪はそんなに白いんだ?」
「…………。」
「もしかして外国人なのか?」
「…………。」
「なぁ答えろよ!」
「…………。」
そこで自分はその子たちに眼を向けてしまった
自分はアルビノ症にも関わらず眼だけは何故か赫く、
ほんとに不気味だったんだ。
だからいつもどこかに行く時は眼を隠していたしあまり他人とも話さないようにしていた。
その眼を向けてしまった瞬間……。
「うわっ、なんだ…その眼…気持ち悪っ…」
「…………!」
この日から自分は集団行動というもの、他人というもの、他と違うことを嫌った
通っていた学校ではもう誰も口を聞かなくなった
あの話しかけてきた子達が自分は気味が悪いと言いふらしたそうだ。
そしてたまに休み時間になると自分の髪とか眼を見ようと人が集まった、ことごとく先生に追い払われたけど
それが自分の中学の話、今は高校生になった特別頭がいいとか悪いとかでもなかったのでそこそこな偏差値の地域にあった高校を選んだ、
そのまま何もないまま3年が過ぎて大学というものに進学しなければならなかった、どこがいいのかも分からないまま先生と進路の話をした
「将来、やりたいこととかあったりしない?」
「あん……まり」
「なんかこう、軽い感じいいから」
「医者…にはなりたいかも」
「高い目標だな、それまた何故?」
「自分みたい子を減らしてあげたい」
「なるほど、しかしそれは医者じゃなくてもできる事だ、例えばそういう会社を設立したり、カウンセリングの仕事でもいい、どうだ?」
「じゃあ、どんな学校がいい…?」
「そうだなぁ…人間関係とかを主に研究してる大学とかがいいかなぁ」
「分かりました、まだ将来は分からないけど、今目指すべきところが見つかりました、ありがとうございました」
「いやいや、進路とは自分で見つけていくものだ、これが全てじゃない、君が行きたければそこに行くといい」
そうして今の自分は大学の心理学部に通っている。
そこで起きたことが自分の人生を狂わせた
いい意味でも、悪い意味でも