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71 模擬戦(1)

連投です。

もしここから始めた人はお手数ですがお戻りください。

 今日はギルドにきている。


 ケビンさんのお願いと言うか、成り行きで模擬戦を行うことになったからだ。まぁ、軽く流してサティと一緒にランチに行こう。言っておくが自惚れてる訳じゃないぞ。ただ今のサティより強いのはそうゴロゴロいないだろ。つまりそういうことだ。


 サティの実力が最近メキメキ上がっていることについては一旦脇にどけておく。


 ギルドに着くと暁の砂嵐のメンバーも居た。シンディもいるぞ。今日は依頼が無いのかな?


「依頼キャンセル上等っすよ!アニキの模擬戦より大事なもんねぇっすよ!」


 いや、あるよ。働けよ。


「すみません、ヒロシ様。ロビンがどうしてもってのもあるんですが、実は僕も同じ思いです」


「見てもつまんないかもよ?」


 ススっとダンが出てきた。


「ヒロシ様、このダン、ヒロシ様の戦闘がこの目で見られるとは恐悦至極でございます。一生の宝にさせて頂きます」


 お、おう。ホント硬派だよね。


「あ、そうだ。ダンさ。最近何度かクロと模擬戦やっただろ?いつだったか見た時に思ったんだけど、お前武器変えてみる気ない?」


「私の武器ですか?」


「ああ、まっ、気に入ればだけどね」


「大変ありがたく存じます。、是非御教示願いたく」


「わかったわかった。じゃ、後でちょっと時間くれるかな」


「もちろんです」


 と、ダンはロビンの方を向いて何事か言ったと思ったら、あ、ロビンが飛びかかって行ったぞ。


 コビーが止めに入ったが、あ、コビーが殴られた。3人で取っ組みあいになったぞ。大丈夫か、このパーティー。


「お姉さまぁ、この人達いつもこうなんですぅ。怖いですぅ」


 ルナはサティの胸に顔をうずめている。お前も止めに行かんかい。サティはサティで『可哀想なルナ』とか言ってルナの頭を撫でてるし。良いのかこの2人はこれで?わからん。


 クロとシンディが止めに入って収まったが、ギルドでの乱闘は御法度じゃなかったっけ?


 俺が止めに行く? 悪いがその選択肢はない。流すのだよ、何もかも、良くも悪くもな。


「おーい、お、揃ってるな?」


 ケビンさんがやって来た。後ろに何人か人がついてきてるぞ。


「まずは紹介だな。こっちはパーティ『ジャングルポッケ(森の泉)』のリーダー虎獣人のアッガスとそのメンバー。こっちはパーティー『天空の剣(ドラゴンソード)』のリーダー、こっちは人間だな。ガイアスとそのメンバーだ」


「ちょ、ちょって待て! なんて言ったんだ今? 色々と突っ込みどころがあるんだが...」


「ん?別に普通だろ?どうした?」


「くっ、分からんのか。まずは名前だ。今聞いた限りでは、どうもパーティーの名前と読み方が反対になっているような気がする。少し説明し難いが...何故『森の泉』が『ジャングルポッケ』になるんだ? しかもこの場合は『ジャングルポッケ』と書いて『森の泉』と理解しろというのか? そんなことが可能なのか? 次に『天空の剣』、こっちはまだ良い。だが『天空の剣』が何故『ドラゴンソード』になるのだ? そこは龍の剣じゃないのか?」


「そんなこと言われても、もうこれで皆覚えてるからなぁ。別に不自由していない。それにしてもこんな事に気が付くとは流石商人だな」


「いや、そういう問題じゃないだろう...こんな所にもギルド(ケビン)の怠慢が見え隠れするぞ。この脳筋集会所には突っ込める奴がいないのか? しかも事もあろうに虎獣人のパーティーが『ジャングルポッケ』とは...ブフォ! いや、スマン、笑ってない。断じて笑ってない」


「どうしたんだ、ヒロシ。大丈夫か?」


「ああ、大丈夫だ。すまない。ところでジャングルポッケのパーティーには、こう、なんと言うかテーマソングみたいなものはあるのか?」


 そこで、ジャングルポッケのアッガスが口を開いた。


「あんたが、ヒロシかい?聞いた通り俺がジャングルポッケのアッガスだ。今日はよろしく頼むよ。色々冒険者間でもアンタの事は噂になっててな。噂の真相を確かめたいだけさ。なに、テーマソング? フッ、それはパーティーの団歌のようなもんだろう? 作っても良いなとは考えてるぜ」


「ま、まさかそれは...こんな感じではないだろうな?」


 俺はあるリズムを口ずさみ、腕を前で軽く何度もクロスさせてみた。言葉に出して口ずさみたいがそれは色々ダメな気がする。


「ほほう、俺の考えているのとは少し違うが、悪くはないな。妙に頭に残るリズムだ。流石はアルガス、ロングフォードで有数の商人だけあるぜ」


 ダメだ、面白すぎて頭がおかしくなりそうだ。その時、もう一人の男が話しかけてきた。


「俺はドラゴンソードのガイアスだ。すげぇのが居るって聞いたがこりゃ、やっぱりただの噂だな。こんなのがサティより強いなんて到底信じられねぇぜ。ま、俺が強くなりすぎちまったってのもあるけどな」


「そうか、ガイアスは実力者なんだな。こちらこそよろしく」


『はあ?そんなわけないでしょ』


 サティが後ろで呟くが聞いてないことにする。頼むから煽らないでくれないか。


 俺たちは訓練施設へと移動した。


「今日はここで模擬戦をしてもらう。特別に『タリスマン(身代わりの御守り)』を付けてやってもらう。致命傷はもちろん、四肢欠損の場合1度だけタリスマンが身代わりとしてそのダメージを受けてくれる。勝負は本人の意思によるもの、もしくはタリスマンが破壊された時に決着とする」


「あぁ、それでいいぜ。でも大丈夫かヒロシさんよ? タリスマンが守ってくれるとは言え、痛みは残るぜ? なんなら俺らは武器無しでも良いんだがな?」


「やめておけ、ガイアス。試合を申し込んだのはお前だろう? そんな態度をとるなら...」


「はっ、ギルド長もどうしてこんな男に肩入れするのかね? 見たまんまじゃないのか?」


「ガイアス、あなた何を言ってるの? 私が相手をしてあげてもいいけど?」


スカーレット(サティ)の実力は知ってるから良いんだよ。俺が知りたいのはコイツだよ、コイツ」


「さっきから黙って聞いていれば貴様、ヒロシ様を侮辱するような発言は許さんぞ」


「おー怖ぇ。ペットの狼獣人さんは短気なのかな?」


「いいよ、クロ。さっさとはじめよう」


「でも、あれだなぁ。ペットのクロくんは納得いってない様子だなぁ。一騎打ちでも良いが、おい、

フィル、お前が相手してやれよ?ギルド長も良いだろう?」


「ガイアス、俺がやるのは構いませんが、少々煽りすぎです。クロードさん、どうも申し訳ない」


「いえ...」


「ヒロシ様、それでは私は着替えて参りますので」


 あ、自分の装備に着替えた方が良いのか。俺は施設の武器と服を借りれば良いかと思ってたので持ってきてないぞ。どうしよう。よく考えたら向こうからしてみれば真剣なんだからな。今の俺のラフな服装を見たらそりゃ良い気分はしないかも知れないな。これはちょっと反省しないといけないか。


 と思ってたら、クロが俺の装備も持ってきてくれていた。流石クロ、頼りになるぜ。




お読み頂きありがとうございます!

週末の更新が難しいですので、今日はもう少し頑張りたいと思います。

引き続きよろしくお願いします。

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