45 ~暁の砂嵐4~
遅れてすいません。
この後にもう一回更新します。
「と、まぁそんな感じだ。それであの戦闘を見れば、もうアニキって呼ぶしかねぇだろう?」
ロビンは話してくれた。そういう事になってたのか。ぶん殴られて正気に戻ったのか、完全に反省しているようだな。いずれにせよ、ヒロシ様には感謝しかない。
しかし待てよ? ってことは、コイツ、あの日突然ヒロシ様の事をアニキって呼び始めたってことか?
「そうさ。だってカッコ良すぎだろうが?見ただろ?あの戦闘を。ほとんど見えなかったが、、、あのグレイブみたいな武器、あれなんて言うか知ってるか?青龍偃月刀って言うんだぜ?へへ、教えてもらったんだ、良いだろう?グレイブより断然カッコいいぜ。あれ、滅茶苦茶重いって知ってた?俺持たせてもらったんだよ。へへ、羨ましいだろう?あれを片手で操るなんて信じらんねぇよな?」
と言いながら、その青龍なんとか刀を振る仕草をするロビン。
大丈夫かコイツ。
いや、それよりお前戦闘見てたの? 何で見てんの? 後続部隊を呼びに行ってたんじゃなかったっけ?
「細けぇ事は良いんだよ。それよりアニキだ。アニキの話だろうが、今はよぉ!」
良かねぇよ。
あ、それでお前、急にマントを黒に変えたんだな? 昨日今日行くからなって言ったら、突然防具屋に行くとか言い出しておかしいと思ってたんだよ。
無駄にマントをはためかせやがって。魔法を打つ度にとるあのポーズはなんなんだ? あんなことして無かったよね? 今日の模擬戦でボロクソにやられたのはコイツのせいなんじゃないかと思えてきた。
そもそも魔法使いは黒のマントって誰が決めたんだよ?俺はそんなダセェ真似はしないぜ。とか言ってなかったか?
「あぁ、やっぱ黒だぜ。マントはよぉ。コートはまだ早い。え?だって早いだろ?アニキと『一緒』なんてよぉ。でもいつか認めてもらってあの仮面を作ってもらうんだ。あれは、売ってるところ見たことないから特注なんだろうな。まぁ、とにかくだ、それが目標だ。おいコビー、ボサッとしてないで依頼取って来いよ」
ギリッ、と奥歯をかみしめた音が聞こえたんだろう、ダンが目を見開いてこっちを見ている。このヤロウ、ヒロシ様に黒はダサいって言ってましたよってチクってやろうか? お前がマントとあの仮面をつけて歩いたら警備がすっ飛んでくるぞ。
「で、いつかアルガスの街で2人はこう言われるのさ、『黒の稲妻』ってよぉ」
「お前は『暁の砂嵐』だろうが!!」
「コビー...」
ダンが俺の肩に手を置きフルフルと頭を振っている。
そうだな...まぁ、今はロビンが元気になったことを喜ぼう。
俺とダンは延々と『アニキと共に行くロビンの冒険譚』を聞かされるのだった。
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