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この場を借りてお礼申し上げます。
家族一同とは。
それは血縁や婚姻による結びついた人々全員のことを指すらしい。流石に全員で来ることは無いか。じいさんが含まれるとしたらそれこそ街ごと越してくる気か? いや、越してくるとは書いてないな。遊びに来るならじいさんたちも来るのかな?
とにかく数日以内に行くので、戻ってくるならロングフォードではなくローランドで一声掛けろと書いてある。そこに滞在場所を告げているのだな。まさか全員でローランドさんの屋敷に滞在する事はあるまい。
数ヶ月に渡り家を留守にする事は流石に今までなかったな。一度顔を見に行きたい。行くか。うんそうしよう。
「と言う訳でレイナ。大変申し訳ないのだがローランドに一度戻って家族と会ってくる。もちろんその後にアデリーゼに行って陛下にも事の進捗を話すし、ローランドでスバンからも進捗を聞いたり、必要なモノがあれば買ってきても良いしそれにそれに......」
別に何か後ろめたい事がある訳でもないのだが、妙におかしな言い方になっていると自分でも思う。
「社長、これまで至らぬ私達のために自分を抑えて来て頂いてどう感謝して良いものやら。もうバルボア城ではなく、ローランドでお待ち頂いていても結構ですよ。何なら私が毎日報告に上がります」
「無理に決まっとるやろ」
どれだけ離れていると思ってるのだ。ビックリしたわ。あの仕事量をこなして更に毎日船で通うつもりとかやめてくれ。それを許したら俺は鬼畜認定されてしまう。
「大丈夫です、私にはこれが」
レイナはそう言いながらカバンからブルワーク24をチラッと見せた。やはりそれだったか。お前はもうそれを飲むのは禁止だ。中毒性があるんじゃないのかこのドリンクには。ないよな?
「心配するな。家族と会って陛下への報告が終わればまた直ぐに戻ってくる」
「私たちとしては大変心強いのですが、反面申し訳なくもあり......」
「そんなことは気にするな」
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「飛行船を出しても良いぞ?」
「いえ、停泊所がないとは言えある程度形になっているので、確認がてら船でいきますよ」
「そうか、なら帰りは飛行船を使うと良い」
「ご好意恐れ入ります、ローランドさん」
「ついでだからワシも一度戻るか。陛下にも進捗を話すいい機会だ。ヒロシは着いたらまずは家族に会いに行くだろうが、バルボアに戻る時に王城へ来るだろう? その時に陛下も交えて色々と話をしよう」
「了解です、ゴードンさん」
「うむ、では王城で待っておるぞ」
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と言う訳で戻ってきたぜローランド。
バルボア側の停泊所は着々と作業が進んでいた。基本的に道路を石畳で舗装しなくても十分走れる状態だった。平原だったのが幸いしたな。作業自体は停泊所、宿屋、商店、舗装工事位の優先順で進められていた。
ローランド側と言えば、基本的には変わらないのだが停泊所を新しく作るそうだ。と言うのか作るのだ。船の工事関係を国の補助を受けずにNamelessが独自資金でやっているのには訳がある。
そう、前にも言ったかも知れないが船会社を作るのだ。大規模なものでもないので海運業と言えば良いのか分からないがこの船の運航に関してはNamelessが独占することが決まっている。
人員も纏めて雇ったし金もリンクルアデルに迷惑をかけていない。陛下としても慣れない仕事に手を出すより俺に任せておいた方が儲かるとの判断だ。ここは信用してくれて有り難いの一言だな。
海の近くにはレールが敷かれ何隻かの船が製作されている。客船ができたらまず陛下に乗って頂くつもりでいるが、気に入れば王族専用船を作るのも良いかもな。別にバルボアに行くためだけではなくクルージングなどにも使ってもらえば良いのだ。これは陛下と話をする時に言ってみよう。
来賓を招いて海上パーティーを主催すれば他国からのウケも良いだろう。
おっと、仕事の話は良いか。スバンには引き続き仕事を頼んで俺たちはローランドさんの屋敷へと移動した。今回はクロとシンディが付いてきている。レイナやエミリアの護衛はバルボアのギルドがやってくれるらしい。ギルドも機能してきたようで有難い。
ローランドさんの屋敷に行くと家族はここには居ないらしい。あれ?
まだ来てないのかと思ったらそうではなく、違う場所で滞在しているからそこまで馬車を出してくれるとの事。場所を教えてくれたら行きますよと言ったのだが、伯爵家たるものそこらの乗合馬車などに乗ってはいけませんとやんわりサマンサさんに窘められてしまったぞ。
うむ、実に面倒くさい。
今更だが俺は特権階級の優越感に浸るより、金を稼いでイヤラシイ笑顔を浮かべている方があってるのかも知れない。昔から染みついた庶民の暮らしがそうさせるのだろうか。
でも、お金って大事だよね? 武士は食わねど高楊枝は嫌なのだ。かと言って金に執着し過ぎるのもダメだと思うけどな。そこはバランスだよ、バランス。
と言う訳で俺たちは馬車を出してもらい窓の外を眺めている。場所については着いたら分かるからとだけ言われた。驚くわよ? ってサマンサさんは言っていたがじいさんのホテルか何かだろうか。
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