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よろしくお願いします。
活動報告に編集作業について告知を致しました。
本編への影響はありません。
「陛下、アンジェリーナ様は長い間お部屋の中だけで過ごされてきました。それをいきなり外で運動などするのは、周りの目もございますしお体に障るかと思います。一度アデリーゼから離れるのも良いかと思いますが如何でしょうか?」
「なるほど、ソニアさんの考えも悪くないと思うな」
『ヒロシさん、何とかして下さい』
『アンタ何とかしなさいよ!』
『そう言う事だったのか......良いのか?その流れだと答えは一つだぞ』
『仕方ありません。乗り掛かった船です』
『バカね』
『バカって言われちゃいましたね乙』
散々な言われようだが仕方ない。
そしてクロにはあとでお仕置きをする。
「陛下、ソニアの言う通りです。本来なら運動と食事制限でも大丈夫だとは思いますが、アンジェリーナ様は長い間お部屋で過ごされたのです。また、立場故に世間の目もございますでしょう。ここはロングフォードに療養という名目で長期滞在をするのも一つの手であると考えておりました。心身ともに鍛えてゆくのです」
『何が考えていました、よ。このほら吹き』
『ふふ、ヒロシさんらしいですよ』
『ほら吹き乙』
クロぶっ飛ばす。
「また、美容液が出来た際に直ぐ使用開始できるメリットもありますね」
「療養か...良いかも知れんな。ただ、長年外に出たことの無い上にアンジェリーナは第一王女としての立場もあ『行きます!』」
「お父さま、私決めたんです。変わるって...」
アンジェリーナ様の決意は固いようだが仮にも第一王女だぞ。流石にこれは王室から了承は得られまい。一応だが筋は通した。せめて早く美容液を完成させて戻ってくるさ。上げてから落とすようで済まないが、ここは分かって欲しい所だな。
「そうですね、第一王女がロングフォー...」
「あなた、アンジェリーナを行かせましょう」
「マリー、お前は何を言っているのだ」
「あなたこそ何を言っているのです!私は......アンジェリーナはこのまま部屋から永遠に出てこないのかもと、心から心配していたのです。いえ、恐れていたと言っても良いわ。誰が何をしても殆ど部屋から出てくることがなかったアンジェを、ヒロシさんは連れだしてくれたのですよ?それを一度出てきたと言えばすぐに第一王女の責任を押し付けるのですか!それではアンジェが、アンジェがあまりにも可哀そうで...」
「マリー...」
「療養でも良いではありませんか。城に居なくても良いじゃありませんか。部屋の中で籠っていることを考えれば、それだけで私は嬉しく思います。外の世界を見てゆっくりしてくれば良いのです。失った時間を取り戻して欲しいのです」
「お父さま、私からもお願いします。姉さんをロングフォードへ」
「僕は元気になったお姉さまと遊びたい」
「そうか...そうだな。私はまたアンジェに辛い思いをさせるところだったのか。マリー、お前の言う通りだ。アンジェリーナはしばらく重圧を離れ、ロングフォードの空気を吸ってくると良い」
「お父さま!」
「ああアンジェリーナ、愛しい娘よ。行ってくるが良い」
「ヒロシさん、どうか娘をよろしくお願いします」
仕方がない。腹を決めろ、俺。
「分かりました。その大役引き受けましょう」
『何が大役よ、自分から言い出しておいて』
『ふふ、ヒロシさんらしくて良いじゃありませんか』
『流石に流せませんからね。オナシャス』
お前...ホント後で覚えてろよ。
「アンジェ、宝物庫から金でもなんでも好きなものを好きなだけ持って行くと良い」
「アンジェ、手紙を書くのですよ」
「はい、お父さま、お母さま。行って参ります。必ず元気になってきます」
別に病気って訳ではないのだが、それは言うまい。ただ対人恐怖症的な部分があるかも知れんが、うちは賑やかな方だ。楽観的に行こう。
その後、陛下と王妃が暴走しロングフォードまで飛行船を出してやるとか、定期的に会いに来るとか、様々な有り難い申し出を受けたわけだが全て断らせてもらった。飛行船で帰ったら目立つんだよ。療養になりません。あと、アンジェリーナ様は療養目的なので身分を隠してきてもらう事にした。
「しいて言えば一つだけリクエストがあるのですが」
「何でも申すが良い」
「こちらでも用意はできますが、もし良ければミランダさんの同行許可を頂きたいのです」
「ミランダの?」
「ええ、ミランダさんはアンジェリーナ様を支えてきたメイドの一人でしょう。アンジェリーナ様も近しい人が居た方が安心できるのではないかと。ミランダさんが良ければの話ですが」
「ミランダを直ぐに呼べ!」
「畏まりました」
その後ミランダさんは説明を聞き、もちろん即答で了承した。それでは、明日ローランドに戻りますか。
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チリーン
男はソファに腰かけ呼び鈴を一度鳴らす。
「お呼びになられましたか?」
「うむ、あのヒロシと言う男だが何か分かったか?」
「特に何かしているような動きはありません。明日にはローランドの方へ戻るようです」
「ローランドについたら魔獣を放してみるか。どうもシュバルツと側近共が高く評価しているのでな。どの程度の戦闘力を持っているのか見ていた方が良いと考えている」
「なるほど、それは良い考えですな。帰りの道で襲撃しても良いのでは?」
「まだ波風を立てる訳にはいかぬ。帰り道では明らかにそのものを狙ったと分かるであろう?」
「これは失礼致しました。魔獣は首輪付きにしますか?」
「見るのが目的だ。首輪付きは数体で良い。動きの素早いものにつけて森の魔獣を引っ張る形が好ましい」
「承知致しました」
「良いか、間違えるでないぞ? あくまで見るだけだ。それ以上の成果は必要ない。くれぐれも欲を出さぬ事だ。そもそもあの男はアザベル様の神託により国で管理できないらしい。何とも好都合な話ではないか。有事の際でもあの男を巻き込む事は出来んのだからな」
「心得ました」
「情報がまとまり次第、計画をもう一歩進めるとしよう」
「一点気になる事がございまして、先日閣下があの老いぼれ共と話をした際に少々警戒心を抱いたようですな」
「老いぼれが警戒心を頂いた所でどうにもならぬわ。気にせずいつも通りで構わぬ。こういう時に焦ってボロを出すことが一番の問題だ。動きがあればまた教えろ」
「承知致しました。そのように致します」
「では、もう行け」
「はっ、アラン様に栄光を」
前書きでも触れましたが編集作業を行います。
誠にお恥ずかしいのですが、文章を書き上げていく上でいくつかの基本的な技法を無視していた事が分かりました。
初心者丸出しで大変申し訳なく、皆さまにおいては読み辛かったかもしれません。
すみませんでした。