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進行が遅いと感じられるかも知れません。

申し訳ありませんが、しばらくはこのペース感でご理解頂ければ幸いです。

とか言いながら、1年後......見たいなスキップの仕方はするかと思います。

「能力は能力(アビリティ)だ。技能(スキル)を習得するにも能力があった方が良い。技能だけ習得する場合ももちろんあるが、能力に裏付けされた技能の方がより高い技能を発揮できる。いわば上位互換になる可能性があるという事だ。分かるか?」


「まぁ、なんとなく。でも僕の能力って何なんでしょう? ギルドの人は読めないってことも理由のうちなんでしょうけど、そもそも聞いたことがない感じでした」


「お前が考えた能力は過去に例がないものでな。正直我々も分からんかったんだよ。特例と言うわけではないんだが、アンケートに書かれた以上無視する訳にもイカンのでな。それっぽい他の神に丸投げ、ゴホンゲフン、意見を聞いたのだよ」


 今、丸投げって言ったよな。


「それで興味を持った他の神々がそれぞれお前に加護を与えたんだ。彼ら、彼女も含めてお前の何が面白いかと言うと、お前の要求した能力は一つでは達成できないものなんだそうだ。例えば一騎当千。これはお前ひとりで千もの敵を相手にできる能力だ。それは果たして肉体強化だけでできるものなのか?」


「いや......どうなんでしょう?」


「それが分からんのだ。だから都度スキルが与えられるようにせねばならん。もしかしたら能力だけで全てカバーさせるのかも知れぬがな。とにかくお前の考えた能力全てがそんな特性を持っておるんだよ。考えてやったんならお前は相当の策士という事だな」


「いや、そこまではと言うか、そんなことになるとは」


「それがお前の素晴らしい所なんだろうな。あと全ての加護に上級神の名前が付くもんであまりに多いから創造神の加護にしておいた。お前の言葉で言うと超レアもんだぞ」


「えっと、ありがとうございます? あ、ちなみに年齢なんですけど」


「あっさりと流しよったな。事の重大性が分かっとらんようだな、まあ良い。それは神々の加護を詰め込み過ぎたため、エラーと言うか処理限界を超えたんでお前の望んだ年齢にできなかったんだ。あまり変わらんから別にいいだろう?」


「はい、若返ったことに驚いてしまって。急に老けたりしませんよね?」


「大丈夫だ。不老長寿とかいう能力を求めておるしな。正直この先どうなるかは分からんが、悪いようにはならんだろう。ただ、知識はあっても精神年齢はこの25と言う年齢に()()()()()()事になる。なんと言うか、年相応の方が良いだろう」


「はい、分かりました。あ、時折頭の中で声が聞こえるんですけど...」


「それは世界の声だ。神託とかお告げとか啓示とか色々あるが本来聞ける者は限られておる。普通の人間には生涯ほとんど聞くことはない。なに? スキル発現時にも聞こえるとな?」


「はい」


「うーむ、本来能力やスキルは神殿で巫女より伝え聞くものなんだ。頭の中で響いたりはしない。お前の特殊な能力故に恐らく叡智の神辺りがそういう仕様にしたのだろう。あいつは慈愛の神と仲が良いんでな」


 神は続ける。


「既にいくつか発動しているものもあるようだが、スキルは取得すればその能力が最初からあったように使いこなすことが出来る。頭と体が勝手にアップデートされるようなもんだ。これはお前が特殊ではなくパナスの人類すべてがそうなっている」


「そうなんですか、色々とありがとうございます」


「もう良いか? 突然出てきて悪かったが転生した後のアフターサービスみたいなもんだ。あぁ、あとこの世界は人の生死や魔獣との戦いやらで結構グロい場面に遭遇することが多い。精神耐性と基礎能力はもうつけておいた」


「色々とありがとうございます」


「まあよっぽどの事がない限りすぐに死んだりしないだろう。お前は元々戦闘に関して素人ではないというのは分かっておるが、人を殺したことはないだろう。精神耐性とは()()()()()()()()()()()()()()()。ただの殺人鬼にはならんと思うが、心にとめておくのだ」


「分かりました。でも人の命も軽い世界なのですね。酷い世界とは思えませんでしたが」


「悪人ばかりではないのだがな。その目で見て、心で感じて欲しいのだ」


「もちろんです......が、私に悪人を死をもって裁くことが出来るのでしょうか」


「知識があり、お前の持っている倫理感もある。だが否応なくその肉体と精神は新しい世界の価値観へと馴染んでいく事になるだろう。良くも悪くもな。お前なら大丈夫だと信じておるよ。あと肉体強化に関しては、そうだな、念のため身体強化に変更しておくか。こんなところかな? この先お前の前に出てくることは恐らくないだろうが達者でな」


「あ、最後に家族は......家族はどうしてますか?」


「ああ、心配するな。嘘ではないぞ? みな幸せに暮らしている。転生させるときに時間軸も変わっているからだが、お前は1日2日位にしか感じておらんだろうが、向こうでは既に20年の月日が流れている。お前の嫁さんは孫に囲まれて毎日忙しそうだぞ」


「20年ですか......でも元気なんですね。そうですか......本当に本当に良かった...」


 涙が溢れてきて止まらなくなった。本当に良かった。


「新しい人生を頑張って生きてくれ。ではまたな」









 もう会う事はないだろうって言ったじゃん......


 泣きながら突っ込む俺だった。
















”通信を終了します”



読んでくださってありがとうございます。

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