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対峙する…

茜はガサガサと音がする方に向き、動物か人かわからないが、声をかけるべきか悩んで居た。


最悪熊だったらと思うと声をかけづらい…。背中で寝ている蒼汰を抱え直しすぐに走れる様に後ろにジリジリと下がりながら、音の正体がわかる様に対峙する。


深い草木から、かき分けて出てきたのは、肌が深緑でゆだれをたらし醜悪な姿をした何かだった。


そして醜悪な何かは匂いをかぎ、茜達を見た。


茜はその瞬間、全力で走り出した。


アレはだめ!アレは絶対に怖いモノだ!

私達を見た瞬間、獲物を見つけたような笑みは危険だと脳内で警鐘がなった気がした。


ゲヒャゲヒャと笑いながら、アレはこちらに走りよってきている。


蒼汰を抱えた茜との差がどんどん縮まる。


茜は何とか、何とか蒼汰だけでも助からないか、走りながら必死に考えるが、いい案がすぐに思いつかずにただ必死に走るしかなかった。


しかし現実は非情で、ただでさえ蒼汰を連れて2時間以上森を彷徨っていた茜の体力が尽きてしまい、足を引っ掛けて転んでしまった。


悲鳴を上げ蒼汰を庇いながら倒れた茜と転んだ拍子に起きた蒼汰が泣き出してしまう。


蒼汰を背に隠し、醜悪な何かと対峙する茜。


醜悪な何かは、勝ち誇ったように雄叫びをあげ、舌で口周り舐め回しながら茜ににじり寄ってくる。


「だ、だれか…た、助けて!!」


茜が思わず何度も叫ぶと、ソレは茜に飛びかかってきた。


だが、それと同時に…


「切裂け!風よ!」


茜たちの左側から声と同時に風が吹き荒れた。


醜悪なアレは風に吹き飛ばされたのか茜たちと少し離れた場所に膝をついていた。


「こちらへ!早く!!」


声をする方向に顔を向けると、剣を持った青年と頭から猫耳を出した女性が私達と何かの間にたち、白いローブを着た女性が手を出して私を立た引っ張る。杖を持った青年がさらに私達の間に入りこむ、蒼汰はいつの間にか後ろに来ていた男性が抱えて、私に蒼汰を渡す。


「さっき雄叫びで仲間呼んでたよな?」

「そうねー、めんどいったらありゃしないわね!」

「二人とも、いくらゴブリンだからといって気を抜かないでくださいね」

「こちらのお二人は大丈夫そうです!」

「てか嬢ちゃんたちなんでこんなとこに居るんだ?」


彼らは軽口をたたきながら、さらにゾロゾロと集まったゴブリンと言われたモノ達をあっさりと倒してしまった。


茜は何が何だか分からないまま、ただ助かった事に安堵し蒼汰に抱きつき泣いてしまった。

その様子を見たリーダーとおぼしき青年がアワアワしながら、茜をあやし、周りの人達はニヤニヤしながら、リーダーを誂い笑っていた。


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