表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うちの学校はおかしい  作者: 駄文職人
築城京也の場合

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

97/106

地獄的挨拶は昭和風なお笑い界伝説のアレ

 ーー軽快な音楽が、聞こえる。


 おれは目を覚ました。

 ありゃ? いつの間に寝たんだっけな。


 しかもこんな教室のど真ん中で。


 ドンドコと太鼓を、否、椅子を手で打ちつける音が囲んでいる。

 おれはようやく周囲を見回す。


 音に合わせてハカみたいな民族踊りを踊って輪を作っている小鬼たち。その頭に灯した蝋燭の灯りが不気味に揺らいでいる。


 輪の中心には、おれ。


「わ、ぁ」


 明らかに「何か」への供物を捧げている儀式の真っ最中である。そして供物は自分なのだと理解してしまう。


 え? なんで?


 パッと思いつく出来事がいくつかあってどれか分からない。

 やっぱり昨夜にやった一人かくれんぼがダメだったのか? ちゃんと終わらせる前に寝落ちしちゃったもんな? 朝になってから風呂場の人形を回収したけど、やっぱりそれがいけなかったのだろうか……。


 うろたえていると、輪の外にいる鬼たちのボスと目が合う。


 教卓にドッシリと座っている大柄な鬼が、ジャラジャラと石を連ねた飾りをつけた槍を構えてこちらを見下ろしている。

 下顎から見える牙が凶悪で格好いい。


 本物だ。

 地獄絵図とかでよく描かれる鬼だ!


 零感のおれにもちゃんと見える、ということがすごく嬉しい。

 だけど嬉しさを押し殺し、鬼に対して敬意を込めて手の平を見せ「ウガ」と挨拶をする。


 鬼は反応しない。


 やっぱりダメか? 鬼への挨拶の方法はどんな妖怪図鑑にも載っていなかったしなぁ。などと考えていると鬼がうっそりと動いた。


 首元に水平にした手を当てる。


『ウガ』


 ーー鬼への挨拶は「アイーン」が正解だったらしい。

次回11月14日7:00に更新します。

※もし気に入っていただけましたら、ポイント、いいね、ブクマ等をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ