宿敵なの
私、メリーさん。今、高校の正門前にいるの。
外からでも学校内が大騒ぎになっているのが聞こえてくるわ。ちょうどパトカーが何台もやってきたみたい。
部室棟の部屋が突然爆発したみたいなの。
怪我人がいないことだけが幸いだって先生は言っていたの。火の手があった訳でもないのにいきなり爆発したんだって。まるで誰かに質問されたみたいに答えていたけれど、誰もいないところに向かって話していたわ。しばらくぼうっとしていたけれど、すぐに先生は教室に戻っていったの。
別におかしなことではないわ、この学校ではよくあることなのよ。
そんなことより、私今とても困っているの。
学校から京也くんの気配が消えてしまったの。他にも何人か姿が見えないみたいで、生徒たちが探し回っているわ。
京也くんを探しに行きたいけれど、学校がずれて入れないの。
あの鬼が土地を歪めたせいで、次元がずれたのよ。
もしかしたら京也くんたちは歪められた次元の隙間に落ちてしまったのかもしれない。
心配なの。
もしこのまま彼が帰ってこなかったら、そう思うだけで胸が張り裂けそうになる。
京也くん。
私に新しい意味をくれた人。
隣にいてもいいと、初めて許してくれた人。
京也くんのためなら、私は何でもやってみせる。
外から学校の中の気配を必死で探ってみる。私はメリーさん。遠くからだって電話をかけるから、目で見なくても誰がどこにいるのかちゃんと分かるの。
そして、この状況を打開でき得る人を見つけた。その人には嫌な思い出があるのでちょっと複雑。でもそんなこと言っている場合ではないの。
私は門の前で手を組んで強く念じた。
私はメリーさん。すまぁとふぉんなど使わなくても強く念じれば電話をかけることができるの。
念じる。
念じる。
……繋がった。
『私、メリーさ……』
「うるせぇ、今それどころじゃねぇ!」
怒鳴られた。
私はメリーさん。ちゃんと最初に自己紹介をするのがマナーだけど、仕方なく本題に入る。
『京也くんを探しているの』
「……京也に何があった」
相手は京也くんのお友達にして、私の天敵。
『私、メリーさん』
改めて私は名乗る。
『私、貴方のことが嫌いなの』
「知ってる」
邦彦くんは、憮然として言い返した。
次回は11月5日7:00に投稿します。
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