ジェスチャーゲームは当たらないから面白い
釜茹でになっていたクマのストラップを救出し、小鬼どもから逃げ切った己たちは校舎の陰でようやく息をついた。
「だ、だいじょうぶ……?」
すっかり湯気の立っているクマは水分を含んでくたりとしていた。だが、のろのろと緩慢に起き上がると己たちにペコリと頭を下げた。
「いいのいいの、無理しないで」
やがてクマはきょろきょろと辺りを見回して何かを探し始める。
ストラップの紐は千切れている。写真によるとその先にスマホがくっついていたはずだが、小鬼との騒ぎでどこかに紛失してしまったらしい。
もしくは小鬼に奪われ、どこかに持って行かれたか。
「あのメールは貴様が送ったものか」
己が問うと、クマはびくっと震える。
何度も頭を下げるクマに「謝罪はいらん」と己は遮った。
「何が目的だ?」
照間はあの画像に描かれている魔法陣を魔除けだと言っていた。
なぜクマのストラップが魔除けをばら撒く?
クマはジェスチャーで何かを伝えようとする。
丸い腕で上を指し示し、パタパタと両腕を振り回したかと思えば、四つん這いになって伸びをしたり前髪を掻き上げる仕草をして見せる。
最後に何かをポカポカと叩くジェスチャーをしていた。
「分からん」
クマはガックリと肩を落とす。
ドォンーーーッ!!!
何かが爆発するような音が地響きと共に大気を揺らす。
「な、なんの音ですかっ!?」
グラウンドの方角だ。
まさか、と己は校舎の陰から出てグラウンドを首を伸ばして覗き、絶句した。
グラウンドに併設する部室棟の一室、お漏らしタヌキのいる部屋の扉が弾け飛び黒い煙を上げるのが確かに見えたからである。
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