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うちの学校はおかしい  作者: 駄文職人
『 』の場合

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71/104

『 』のために鐘は鳴る

 ブーッと音がなり、マナーモードのスマホがメッセージが届いたことを知らせる。


 指で画面をなぞりロックを外すと、京也はメッセージを見て笑みをこぼした。


「おや、愛しい人からですか?」

「うん。最近のメリーちゃん、電話だけじゃなくてチャットを送る技術を編み出したらしくて」


 菜子が画面を覗き込むと、確かにスマホ画面には『私、メリーさん』『今、昇降口のところにいるの(//ω照♥』と読んでいるこちらが恥ずかしくなりそうなメッセージが表示されている。


「さすが、メリーさん。文明の力を使いこなしておられますね」

「その内、ブログとか始めてそう」

「その時はフォロワーのお宅に訪問するんでしょうか」


 ある日突然、「私メリーさん」とインターホンが鳴らされるようになるのかもしれない。


 だが、続けて受信したメッセージは不穏なものだった。


『あのね、京也くん』

『今すぐに学校から出てほしいの』

「えっ、どうゆうこと?」


 京也と菜子はそろって首を傾げる。


「逢引きのお誘いでしょうか」

「午後の授業もあるしなぁ。というか、連絡くれるのも、放課後まではいつも待っていてくれるのに」


 何かあったのか、と心配して返信をすると焦れたように何度もスマホが震える。


『違うの、おかしいの』

『学校がズレているの』

『だから、ここにいちゃだめ』

『早く出て』


「メリーちゃん……?」


 ただごとでない様子に京也は立ち上がる。


「どうしよう、菜子ちゃん」

「邦彦くんに連絡します。怪異であるメリーさんがここまで言うなら余程のことでしょう。場合によっては、生徒全員を退避させなければ……」


 その時、チャイムが鳴った。


 昼休み終了の予鈴が鳴るには早すぎる。それにチャイムの音もおかしかった。


「音が逆……?」


 まるで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()みたいで。



 次の瞬間、辺りが真っ暗になった。

【裏話】

 もしこの話に語り手がいるのならば、それはきっと全てを俯瞰していた存在なのだろう。

 全てを知る超越者は、ただ観測している。


 人はそれを『神』と呼ぶのだ。


 だがあいにくとこの物語の神様は荒ぶる災禍、かのモノは自分の領域を土足で踏まれるのを好まない。もしそのような不届者がいるのならば罰せねばならぬ。


 怒れる神は故に鐘を鳴らす。

『お前を必ず滅する』と布告するのである。


意訳:クマ あいつ ぜったいゆるさん


毎日7時に更新しています。

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