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うちの学校はおかしい  作者: 駄文職人
間章

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51/99

トオルくん

「結局、夢堂先輩ほとんど喋りませんでしたね…」

「アイツ口下手だからな」

「口下手ってレベルじゃなかったですよ?」

「よかったな、トオルくんがついてきてくれて。会話が成り立たないところだったぞ」

「それですよ!」

「うお、急に大声出すんじゃねぇよ!」

「今日ずっと気になってたんですよ、トオルくんて誰ですか!?」

「あー……」

「どういう反応です!?」

「いや、やっぱり見えてなかったかと思ってな。仕方ないし、お前がおかしい訳でもないんだけどよ。今からちょっと衝撃的なこと言うけど、驚くなよ?」

「な、なんですか」

「トオルくんな、さっきまで俺らと一緒にいたぞ」

「はい?」

「お前もトオルくんと何度か会話してただろ」

「はいぃぃぃ!? え、いつ!?」

「夢堂の代わりに誰が喋ってたと思ってるんだ」

「誰って、それは……あ、あれ?」

「覚えてないか?」

「あれ? え、どういうことですか? わたし、確かに……」

「トオルくんは運が良い時じゃないと見えないからな。『いた』と認識できるだけ上等だ。大抵のヤツは別れた後、記憶にも残らない」

「邦彦さんも!?」

「『いる』のは分かるし、なんなら会話もしたのは覚えてるんだがな。たぶん明日になったら忘れてる」

「それ、結構なホラー体験ですよね」

「気付かなかったら怖くないだろ?」

「それが怖いんですよ!?」

「トオルくんに会おうとして見つけられるのは夢堂ぐらいだな。あいつ、トオルくんと相性が良いから」

「トオルくんって、何者です?」

「透明人間に近い何かだと俺は思ってるけど、知らん」

「知らんて……」


「幽霊じゃねぇし、マジで謎なんだよ。たぶんお前の存在感を極限まで消したらああなる」

「わたし、あんなに不思議な生態してます!?」

【裏話】

 すれ違っても記憶に残らない、目立たない、馴染みすぎて違和感がない。

 協調性の究極進化がトオルくんです。


毎日7時に更新しています。

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