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うちの学校はおかしい  作者: 駄文職人
夢堂静の場合

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巨人と×××

 邦彦くんと千鶴さんと別れた後、夢堂くんから「トオルくん。今日は本当に助かった」と改めて礼を言われた。


 いえいえ、構いませんよ。

 こんなことしかお役に立てませんから。


 その時、夢堂くんのスマホが震える。


「黒名先輩からだ」と画面に指を滑らせる。「どうやら終わる頃を見計らって連絡をくれたらしい」


 しばらくチャットアプリで何か会話をしていた夢堂くんが、不意に顔色を曇らせた。


 どうしたんですか?


「これからしばらく、学内が荒れるかもしれない」と夢堂くんが教えてくれた。「用心しておけと。トオルくんも気を付けてくれ」


 何かあったんですか?


「逆だ、()()()()()()()()()()。黒名先輩の悪い癖だ」と夢堂くんは困ったように頭を掻く。


 夢堂くんは「見える」というよりは「波長が合いやすい」タイプだ。


 幽霊、妖怪、アヤカシ全てが見えてしまう邦彦くんとは異なり基本は見えないのだが、時々ピタリと波長が合うと引き合ってしまう。ラジオのつまみを回して周波数を合わせると音が聞こえるのと同じだ。

 一度タチの悪い悪霊と波長が合ってしまって付き纏われていたところを邦彦くんや黒名先輩たちに助けてもらったのだそうだ。


 いつどこで何に波長が合うか分からないので、気を付ける以外に手はないのだ、と前にぼやいていた。


 今回も学校で起きる異変に夢堂くんが引きずられないよう、黒名先輩が事前に注意喚起をしてくれたのだろうけれど。そもそも進んで問題を起こさないでいただきたい、というのが一般生徒の本音である。


 まあ、黒名先輩なら仕方がない。

 手伝えることがあれば教えてください。


「いつもすまない」と申し訳なさそうな夢堂くんに、気にしないでと伝える。




 いつでもぼくのことを認識できる人は夢堂くんぐらいのものなのだから。

次回投稿は2/25を予定しています。

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