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うちの学校はおかしい  作者: 駄文職人
夢堂静の場合

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知られざる慣習

「初めての実地研修はどうだった?」と河童たちとの相撲合戦でドロドロに汚れたシャツの上からブレザーを羽織り、夢堂くんが尋ねた。


「え? 研修……?」


「新人が委員会に入ったら、先輩が連れて学校周辺のアヤカシたちへの挨拶回りをするのが慣例だ。黒名先輩は結女さんを逃す気はないらしい」と夢堂くんが頭を掻きつつ白状する。


「そんな慣例あったか?」

「照間は入学前に大体と顔見知りだったからな」と夢堂くんは鼻で嘆息つく。


「もちろん、今からでも断われる。自分が黒名先輩に上手く言っておこう」と先程の話を知らない夢堂くんは厚い胸板を叩く。


「いえ、むしろわたしから入会をお願いするつもりです。明日にでも黒名先輩にお伝えします」


「歓迎しよう」と夢堂くんは千鶴さんと握手を交わす。夢堂くんの手のひらが大きすぎて千鶴さんの手を包んでいるようにしか見えなかったけれど。


「つか、そろそろマトモに喋れよ夢堂。もうさすがに慣れただろ。トオルくんが大変だろうが」

「ム……」


 ぼくのことはお気になさらず。

 おかげさまで良い記事が書けそうです。特に河童のあたりは名勝負でした。


「最後、川の主さんと肩を組んでいましたもんね……」


「再戦の約束をしていた。次は勝つ」と夢堂くんは力こぶを作って意気込んで見せる。


「よくやるぜ……」


「彼らは力が有り余っているんだ。たまには照間も相撲の相手をしてやれ」と邦彦くんの背中を叩く。


「ぜってー嫌だ」

「……」

「どうした?」

「わたし……強くなりたいとは言いましたが、あの川の主と渡り合えるほど強くなれるかどうか……」





「やめとけ」

「必要ない。あれは自分たちに任せておけばいい」と二人は慌てて千鶴さんがスマホでジムを探そうとするのを止めた。

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