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うちの学校はおかしい  作者: 駄文職人
黒名蘭子の場合

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迷える子羊を●●は導く

 Q. 最近、自分の持ち物がなくなっている気がします。霊のせいですか?


「まず自分の持ち物に名前を書くことをお勧めするよ。行った覚えのない場所、たとえばプールや貯水タンクの中から持ち物が出てくるようなら怪現象の可能性が高いな。そうでないなら、自分でも気が付かない内に落としているのかもしれん」


 Q. 妙に視線を感じます。霊のせいですか?


「誰とは言わないが、君の右斜め後ろの席の女子が君を狙っているらしい。近日中に告白されるだろうから、楽しみに待っているといい」


 Q. スマホで写真を撮ると毎回白い玉が出ます! それも毎回同じ場所です! 絶対心霊写真だと思うのですがどうでしょうか!?


「レンズを拭きたまえ」


 Q. 先日、うちの学校の制服を着た男の子に声をかけられたんですが、他の人には見えないみたいなんです。怖くて逃げてしまいましたが、あれは悪霊とかじゃないですよね?


「おお、トオルくんに会ったのか。とても君は運がいいね。心配しなくても温厚な透明人間だよ。最近彼は人の話を記事にまとめるのが趣味らしくてね。もし時間が許すなら、インタビューに応じてやってくれ」


 Q. 未だにメリーちゃんの顔が見えないんですけど、何か良い方法はありませんか!?


「そんな相談をしにくるのは君ぐらいだよ、京也くん」


 Q. 好きです。付き合ってくれませんか?


「気持ちは大変嬉しいが、すでに心に決めた人が……こら、忠士。落ち着け、手を出すな。ステイだ。全く」


 Q. こないだ廊下で大鎌持ったテケテケと箒で戦っている人を見かけたんですが……。


「……うちの後輩がすまないね」





 最後の相談者が部屋を出ていくのを見送りながら、隅の方で見学していた千鶴くんが「えっと……」とおずおず切り出す。


「意外と平和な相談が多いですね……?」

「こんなものさ」


 タチの悪いものもない訳ではないが、そういう場合はキチンと対策本部を設置して委員会全体で対処にあたることにしている。


「おかわりだ」

「あ。ありがとうございます」


 忠士から差し出されたカップを受け取り、一口千鶴くんがすする。


「……学校で紅茶が振る舞われるとは思いませんでした」

「おや、気に入らないかい?」

「めっちゃ美味しいですよ……!」


 そうだろうとも、忠士の入れる紅茶は日によって香りが変わるがいずれもハズレがない。

 あまりの美味さに、委員会室にポットと茶葉専用の棚を用意したほどだ。


 そうじゃない、そうだけどそうじゃない! と苦悩している千鶴くんに、


「お望みならば茶菓子もあるぞ。フィナンシェなんてどうだい?」


 と勧めてみる。


「いやいやいや! 学校ですよね!? 委員会室の居心地ヤバくないですか!?」

「快適だろう?」

「すんごい快適です!!!」


 おかげで大した用事もないのに相談に来る生徒がしばしばやって来るのが困りものなのだが。


 新歓活動の前では、大した問題ではない。

毎日7時に更新しています。

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