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うちの学校はおかしい  作者: 駄文職人
結女千鶴の場合

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事情聴取

「は? なに。お前、休み時間の度に鏡餅なの?」

「き、恐縮です……」


 わたしが入学してからこっち、学内で鏡餅が頻繁に発生するようになったため、とうとう事情聴取を受けることとなった。


 びくびく震えるわたしの前でやぶにらみの彼、邦彦さんはガリガリと頭を掻いた。


「それを早く言えよ。職員室行くぞ」

「へ?」

「許可がいるだろうが」


 え。なんの?


 訳もわからぬわたしを引きずって彼は職員室へと向かった。

 そしてわたしのクラスの担任を呼び出すと、簡潔に屋上の使用許可を出してくれと頼んだ。

 担任は特に驚くことなく、わたしを見た。


「あー……やっぱりいる?」

「いるでしょう。明らかに集めてるし。この調子じゃ、授業中も結構邪魔されるんじゃないっすか?」

「そうなんだよ。こないだもチョークやら黒板消しやらが飛んでなぁ……」


 はい。クラス全員が廊下に避難しました。


 瑞名高校は「出る」と聞いていたけれど、たぶんこんなに頻繁においでになるとは誰も思っていなかった。

 だが、何より恐ろしかったのはその後だ。


 半泣きでおののく生徒たちの前で、ポケットから出した塩を振るいながら先生はこう言ってのけたのだ。


『ただのポルターガイストだし、少し放っておけば落ち着くだろ』


 ごく普通の少年少女たちはその瞬間、この程度の超常現象はここでは日常茶飯事なのだと大きな衝撃と共に思い知らされたのである。


 担任の先生は屋上使用許可申請書を手に戻ってくると、それをわたしに渡した。


「あの……なぜに屋上なんです?」


 用紙を手に担任と邦彦さんを見比べていると、邦彦さんが説明してくれた。


「うちの学校唯一の安地が、屋上だからだよ」

「安地……?」

「許可制だから人が少ない。眺めが最高。なにより浮遊霊が寄ってこない」

「先生おねがいします!!!」


 わたしは即座に名前を書いて、先生の手に許可申請を叩きつけた。


毎日7時に更新しています。

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