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うちの学校はおかしい  作者: 駄文職人
結女千鶴の場合

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23/98

人目を引くもの

 これは後で聞いた話なのだけど。


 ある日の昼休み、2年の教室のある三階の廊下で面白いものが観測されたそうだ。


「京也くん京也くん」

「なに? 菜子ちゃん」

「あれ、見てください」


 そう彼女が指差したのは階下の中庭。

 ベンチの1つにそれはあった。


「えっと……ごめん。おれにはでっかい鏡餅にしか見えないんだけど」

「奇遇ですね。私もです」


 こんもりと盛られた白い物体。


 よくよく見るとそれは人の顔をしていたり腕の一部だったり、それはそれはホラーな様相を呈していたそうだ。


 そしてそこへ箒を持って近付く人影。


「あ、邦彦くん」


 彼は箒を振り回してその鏡餅をバッサバッサと切り崩していく。

 やがて鏡餅から出てきたのは、中で目を回した生徒。


 いや、まあわたしなんだけど。


 学内の浮遊霊を一箇所に集めていたらしい。凝縮された霊たちが折り重なってわたしに群がり、鏡餅と化していたのだ。


 彼は浮遊霊を散らすと、わたしを救出して保健室へと連れて行ってくれたのである。


 その時、ガタッと窓にかじりつきわなないた人物が一人。


「あぁっ!」

「おー、珍しい。邦彦くんが女子をお姫様抱っこに」

「ずるいです! 私もされたことないのに!」


 いつもは冷静沈着な彼女が心の底から悔しがるその姿は、いかなる怪奇現象よりも人の目を引いたという。

毎日7時に更新しています。

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