怖いもの
結女千鶴
瑞明高校に入学したての一年A組。取り立てて目立つところがないのが取り柄。平凡な女の子を自負していたが、瑞明高校に入り自身の憑依体質が発覚する。
肩が、重い。
わたしが学校の階段を登っていると、ずんずんと重りがのしかかっていふような錯覚に陥った。
もちろん、後ろを振り返っても何もない。
ただ、なんだろう。
一段登るごとに上からの圧力を受けるのだ。
まるでこちらへ行くなと全身が拒絶しているみたいに。
わたしはたまらず階段の途中で立ち止まる。冷や汗でびっしょりだし、いつの間にか息も絶え絶えだ。
どうしよう、気分悪いかも……。
保健室に行くべきかと悩んでいる内に、上階側の廊下を吊り目の人が足音荒く横切るのを見た。
続けて、盛大に教室の扉を引く音。
「ゴラァ!!! 誰だこっくりさんやってるヤツぁ!? さっきからフロア中でポルターガイストがうるっせぇんだよ!!!」
……あの人って怖いものないのかなぁ。
毎日7時に更新しています。
※もし気に入っていただけましたら、評価点、ブクマをお願いします。




