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◆高校生(=世界一おバカな生き物)による学校の怪談 【旧:うちの学校はおかしい】  作者: 駄文職人
とある悪魔の場合

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計画の綻び

 私が守り神を追い落とすために実行した計画の第一段階は、とにもかくにも守り神の勢力を削ぐことであった。




 かの鬼神は屋上に鎮座し、通う生徒たちからの信仰を集めて力を得ていた。奇々怪々な事象には事欠かない瑞明高校においては、自分たちを守ってくれる守り神の存在は大切なよすがであったことだろう。


 そのため、まずはアヤカシ対策委員会を設立し屋上以外に生徒達の寄る辺を用意した。


 これは一定の効果が見られた。生徒達からも、いるかいないかよく分からないままに神頼みするよりも、目で見て分かりやすい相談窓口に対策を依頼する方が堅実な選択肢に思われたのだろう。



 ダメ押しとばかりに、ある程度委員の実績を積んだところで、私は教師へ屋上の立入の制限を提言した。



 生徒が殺到し屋上から誰か落下すると危険だ、と過去の他校の事例を引き合いに出して、もし事故が起きて責任を問われたら如何にすると少々脅せば保身を重んずる教師陣はすぐさま対策を講じてくれた。


 だが、これまで屋上の守り神からの庇護を受けてきたことを知っている大人達は、さすがに使用禁止を強行はしなかった。

 結局、守り神が必要な者にのみ屋上を開放するとし、不公平感を出さぬために生徒達に屋上の使用を秘匿させることに決めた。


 中途半端な対応だとは思ったが、私は満足だった。




 生徒達が卒業していけば、屋上に守り神がいることなど学内ですぐに忘れ去られる。




 そうして、屋上の祠の存在は限られた者のみ知るところとなり、守り神を拝む者は激減した。





 第二段階は、学内の私の影響力を広げることであった。


 これは社会的地位ではなく、私の力を学内に行き渡らせるという意味だ。


 長く守り神の縄張りであったこの地には、強く妖気が染み付いている。どころか、既に半異界化してアヤカシたちが自由に闊歩している無法地帯であった。


 どうしたものかと悩んだが、邦彦くんが入学したことで解決した。


 学内に蔓延っていた害意ある危険なアヤカシを、彼はわずか半年ほどで一掃してしまったからだ。


 結果的に、力あるアヤカシはほとんどが瑞明高校を追われることとなった。


 あとは簡単だ。

 トオルくんやナギさんなど、学内に残ったが敵意のないアヤカシたちを味方に引き込み、私は勢力を拡大していった。




 そして、三年目。

 私が最終学年となるこの年に、計画は第三段階へと移行する。






「かの茨木童子に反旗を翻したのが、よもやこのような可愛らしいクマのぬいぐるみとはなぁ」



 ポケットからカラフルなクマのキーホルダーを取り出す。クマはくったりと脱力して動かない。


 捕まえようとしたところ抵抗されてしまったので、やむを得ず大人しくしてもらったのである。


 信仰を失いつつある守り神は、私という強大な敵対勢力に直面して対抗するために大々的な「供物奉納の儀」を行おうとした。餌を食らって私という敵を排除するための力を得ようという手段に出た訳だ。






 その儀式は、私の手の平に収まるサイズのクマのぬいぐるみによって阻止された。






 なけなしの力を振り絞って行った術式は、クマによって魔除けに陣を書き換えられ、阻まれることとなったのである。


 大鬼が怒り狂うのも当然だ。


 おまけに、術式に使用された妖力を私に利用され、己の懐に敵を招き入れる事態となったのだから起死回生の一手は反転、守り神を追い詰める悪手となった。






 いかにも、その通り。


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 京也くんと菜子くんは、邦彦くんに対する人質。


 委員会の子達も同様だ。


 心優しい彼は自分に関わる全ての人を助けようとする。


 彼が大鬼を倒すことをも拒否した際の、保険。








 鬼退治をも放棄するならば、彼は友を助ける為に大鬼を解き放つ他なくなるのだ。






「チェックメイトだよ、邦彦くん。君がこちら側へ踏み込んだ時点でね」


 仕込みは既に済んでいる。


 後は待ち侘びるばかりだ。






 私はその時、考えもしなかった。


 邦彦くんを迎えるために私が屋上に再び足を踏み入れた僅か数分後、一般の女生徒が飛び込んできて大鬼に殴りかかるなど。


次回1月14日7:00に更新します。

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