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◆高校生(=世界一おバカな生き物)による学校の怪談 【旧:うちの学校はおかしい】  作者: 駄文職人
照間邦彦の場合

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魔境への訪問

『他人の考えを自分の思い通りに変えようなど傲慢ですよ。その人の望みは、その人のものです』





「傲慢、か……。その通りだよな」


 学校が休みの日曜日、俺は瑞明高校へ足を運んだ。


 目にするだに、薄寒い雰囲気を纏った学舎。門の前に立ったが、胸の奥がずっと嫌な予感がざわついている。

 本能が「ここはヤベェぞ」と警鐘を鳴らしている。


 例えるならば、RPGのラストダンジョンの魔王城を実際に目の前にしている気分。奥で魑魅魍魎が蠢いているのが気配で分かってしまう。


 なんというか、こう、ーー魔境。


 いや、ここ人が出入りしていい場所じゃねぇだろ……。未だに廃校になってねぇってマジ?


 自然とフルリ、と身震いしてしまう。


 うちの家族の掟の一つに、「用もないのに瑞明高校周辺には寄るな」というものがある。


 母さん曰く、この辺りにはアヤカシが昔から集まるそうだ。視える者が近くに行くと彼らの興味を引いてしまうから危険なのだ、と。


「こりゃあ、むべなるかな」


 両頬を叩き、俺は門の柵に手をかけた。


 力一杯引くと、門は横に重々しく動く。日曜日だから開いてねぇかと思ったが、奥の体育館からボールをつく音が聞こえるから部活はやっているらしい。


 学校への侵入は、思ったより容易にできた。


 敷地に足を踏み入れた瞬間。


「っ」


 悪寒がゾッと全身を駆け巡った。


 しかし一瞬ですぐに寒気は収まる。何もありませんよ、と無害を装うように。逆に、それがいっそ不気味だ。


 俺が家族の掟を破ってまでこんな場所へやってきた理由は、空からやってきた。


『アラアラ、ずいぶん可愛らしいお客様だこと』


 バサリ、と。


 舞い降りてきた黒い影に、俺は来たかと身構える。


「ここらのカラスを牛耳ってるアヤカシがいるって聞いた」

『へぇ。アタシを知ってるの』

「手伝って欲しい」

『やぁよ。アタシはのんびり過ごしたいの。厄介事はごめんよ』


 渋る三本足のカラスに、俺は懐から取り出した魚肉ソーセージを見せる。


「ただとは言わねぇ」

『話ぐらいは聞いたげようかね』


 見事な手のひら返しであった。

年末年始は家族奉仕しますので、次回は1月5日7:00に更新します。

忙しい理由は、息子(5)と娘(3)をアンパンマン電車へサプライズ乗車させる計画を立てているからです。ちなみに彼らの推しはダダンダンです。きっと喜んでくれることでしょう。皆様もよいお年をお迎えください。


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