表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
◆高校生(=世界一おバカな生き物)による学校の怪談 【旧:うちの学校はおかしい】  作者: 駄文職人
二葉メイコの場合

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

113/146

人が降る日

 伸ばした手の先で、ヒナセが黒に飲まれて消える。


「ヒナセ!!!」


 叫んだ喉が痛い。


 ヒナセを飲み込んだ影が、蛇の形になって鎌首をもたげる。そして水面に飛び込むように、地面の中へとぷんと潜ってしまった。


 影が潜った先へ飛びついたが、砂を掻くだけとなる。

 無駄だと分かっているのに、掘り起こそうとした爪が剥がれそうになった。


「あのバカ! あのバカ!」


 どうして他人なんかかばってしまうんだ。自分が助かるために動くべきだろ、普通は。



 なんでそこまで優しいんだ、ヒナセは。



 自分だって余裕がなかったはずだろ。

 さっき抱きしめてくれた時だって、指先がびっくりするぐらい冷たかった。怖かったのは私だけじゃない。私は無様に他人に当たり散らしていたのに、ヒナセは私のことばかり気にかけて。



 なんで、私なんか助けちゃうんだよ……。



 不意に私が立ち上がって駆け出そうとすると、隣で尻餅をついていた女に慌てて止められた。


 千鶴と名乗った、一年だ。


「待ってください! どこに行くんですか!?」

「決まってるだろ! ヒナセを返してもらう!」


 あの影は部室棟から出てきていた。食われたのなら、必ず胃袋に運ばれるから大本に向かうはずだ。


 とりすがる千鶴を振り払おうとした。

 だが、千鶴も負けじと私の腕をつかんで離さない。


「お、落ち着いてくださいってばぁ!」

「邪魔すんな!」


 引き剥がそうと手を上げかけた時。





「ありゃ? 千鶴ちゃんじゃん!」





 声のする方を見上げると、金髪の男が二階の窓から手を振っているところだった。


 そうだ。

 さっきもどこからともなく注意を促すのが聞こえた。誰の声かと思っていたが、上のアイツのものだったらしい。


「京也さん!? どうしてここに!?」

「スマホを貸してもらおうと思って追いかけてたんだけどねぇ……。あ、ちょっと待ってて。今飛び降りるから」


 今、なんつった?


 そう言ったそいつは、既に窓の枠に足をかけていた。


「「は!?」」


 唖然と見上げる私たちの前で、金髪男は窓から文字通り飛び降りた。




「な、な、何してるんですかーーーっ!?」




 今日はよく人が降る日だ。

次回12月9日7:00に更新します。

※もし気に入っていただけましたらポイント評価、感想、ブクマ等をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ