個性がいろいろ
「名前は聞いてたから、すぐ分かったよ」
「…そーっすか」
あたしにも名前教えといてよっヒデちゃん!!
「あのさ、皆さんの役職って??全然わかんないんだよね」
会長すら分かっていない。
というか、こいつらが生徒会ってのもさっきまで知らなかったしな。
「え?あ、僕は副会長」
「ぴったりっす」
眼鏡Good!
「そうかな?ありがとう」
…でも笑顔が胡散臭いっ!
「俺も副だよ~☆」
「…」
「…信じられないって顔してるね」
副会長が2人いて良かった。早乙女だけでは不安だよ。
「会計」
「庶務ー」
「えーと兄が会計で。弟が庶務ね」
「「…ふぅーん」」
え?何その視線は!
「虎は書記です。僕が会長」
「なるほど」
王子様が会長なのか。さすが王子様。
ミルクティーくんが書記って…字書けるの?? 汚くて読めない!とかありそうだな。
「虎の家、書道家の名門一家だしな」
「!?へー!!」
榊??って書道家一家なんだ。
「あれ??」
ここで疑問が1つ。
「あたしってなにやるの??」
会長に副に書記に会計に庶務、…あと何かある??
「棗ちゃんには会長と交渉をやってもらうよ?」
「は?」
会長と?交渉??
ちょっと待て。
交渉はなんとなく分かる。 交渉しに行けばいーんだろ??『これ下さーい』『これにサインを』…みたいな??
会長ぉっっって!!??い、いるじゃん王子様がーっ!!!
「会長って!?1人でいいんじゃないの??」
「あはは!女の子の会長も必要かな~って」
おい、こら王子。 笑ってんじゃない!!
「い、意味わかんないっ!!」
「あはは~」
…チッ。
「まぁ棗ちゃんなら大丈夫。…それで、これ」
「…はぁ。なんすか?」
怒る気も失せました。
渡されたのは1枚の紙。
「生徒会、最低限三箇条??」
「うん。覚えてね?3つだけだし簡単だよ」
紙に目をとおす。
「…喧嘩は買、うのみっ!?…女、子供に手をだすな。てゆーか守れ…。逆らうものには粛清を…」
こんなのが生徒会三箇条なの!?まず初めからおかしいでしょーがっ!!
喧嘩は買うのみって!? てゆーか売るわけないし??
最後しか生徒会っぽくない!
「OKかな?」
「ぉ、OK」
王子よ笑顔が黒いぞ…。
「でもさ、喧嘩は買うのみって…喧嘩売られるの?」
「まぁね。そのための生徒会みたいな?」
…みたいなじゃねーしっ!!!ヒデちゃん何考えてんだよ…。
「防衛団とか自衛団みたいなかんじかな~」
「…そぉっすか」
まぁ喧嘩はね…大丈夫だし。 …こいつらのほうか喧嘩できるようには見えないんだけど。
「棗ちゃんは女の子だし無理しないでね?」
「喧嘩とか女の子がしちゃダ~メって事」
え?じゃあ生徒会辞めていいですか??
「生徒会らしい仕事を中心にやってもらうね」
…むしろそっちのほうが無理だ!!ほんとに無理だ。
「女の子扱いしないでー。ヒデちゃんから言われてるし、喧嘩なら大丈夫。あたし強いし」
「…」「…」「…」
あ、あれ~?あたし何か変なこと言った?
「ど、どうしたんすか?」
…こっちをガン見したまま沈黙しないで!
てか、ほんとイケメンだよなー。
早乙女は爽やかじゃないけど、色気満載の顔だし。 口元のほくろセクシーっす。 たれ目だしさ……色気をあたしに少し下さいっ!
朝宮はさー、知的ってかんじ。 眼鏡似合ってるし、優しい雰囲気。 でも、こいつはぜってぇ腹黒だな…笑顔が怖い時があるからな。
神澤は王子様だな。ほんと王子様。優しいそうだけど凛としてる。 でも…なんか二重人格そー。だって完璧すぎるしさ。
榊も双子もかっけーよな。
あ、間違えました。
榊は可愛いんだった。
「おーい固まってないで~」
「あ!ごめんね」
「べつにー」
「棗ちゃんが、喧嘩強いとかおもえな~い」
うっさいな、あの色気男。
「勝手に思わないで下さーい」
「…(見た目はか弱い美少女ってかんじなんだけど)」
「みんなこそ喧嘩出来るの?」
「「あたりまえー」」
双子が揃って言うと、説得力…ないな。
「そのために俺らが集められたんだし~」
「??何言ってんのムンムン」
「ムッ、ムンムン!?」
色気ムンムンのムンムン。
「ええと、喧嘩が強い人を集めたのが生徒会ってこと??」
「まぁそうですね」
…見えねぇ。
「ヒデちゃんの見立てだから、間違いわないと思うけど…………っ!分かった!番長みたいなかんじか!!」
苦笑いの樹。
「あのさ、ヒデちゃんって?」
「碧峰英虎」
「…り、理事長ぉっ!!??」
えー驚き過ぎだよ?早乙女くーん。
「あー、うん理事長」
そういえばヒデちゃんって理事長でしたね。へへ、忘れてた。
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「あれ?どーした?」
また固まってるし。
「おーい…おーいっ!!」
「っ…ごめんね、あの理事長を“ヒデちゃん”って呼ぶなんて…、少し驚いてさ」
「そうなのか?」
ヒデちゃん何したの…。まぁ、しょうがないか。あのヒデちゃんだし。
「「どんな関係なの?」」
どんな関係って…。
「悪友?あー…うん。友達、友達」
てゆーかあたしの弟子?いやー…パシリ?うん!パシリだな!!
「へぇ…(理事長とそんな関係って…、何なのこの子)」
「まぁいいや…これからよろしくー。三箇条は守るよ」
「うん、よろしくね」
「朝宮のこと、いっくんって呼ぶねー」
「え?…あー、うん」
ビックリした顔もかっこいい…。フンっ。
「早乙女は、ムンムンか爽で」
「ムンムンって呼んだら、話してあげないも~ん」
「分かったー、ムンムン」
「…」
面白いな。 爽はからかいやすい。
「んで君は。んー…」
虎之助って名前だよなーこいつ。
「…」
睨まれてるね。
「トラ 「呼ぶな」………」
女嫌いは別に良いけどさー。言葉を被せてくんなよっ!!
「…」
「じゃあ君で」
名前呼んじゃダメなんだし君でいいよな。
「…チッ」
え?舌打ち!?
「………と、トラって呼べ」
「トラ?」
「…」
「よろしく、トラちゃん」
「…チッ」
舌打ちっ!?
「…ちゃ、ちゃんは付けるな」
え?
「あー、はい、了解。じゃあ改めて。トラよろしく」
「お、おう」
……やばい。
こいつっ…可愛いっ!可愛いっ!上目遣い最高です!!
「やっぱり、ちゃん付けちゃ 「ダメだ」…ですよね」
「「僕たちは??」」
双子くんちょっと待っててくれよ。
あたしは今トラとの会話で癒されているんだからよー。 睨まれてても気にしないよ。うん。だって可愛いからさっ!なんてたって可愛いの!!こーいつぅー☆
あれ………何やってんのあたし。
「えーと、まず兄」
花園 薫…薫でいっか。
「か 「薫以外でお願いしまーす」…」
薫以外って…。
「えーと…かーくん?とか」
「いいね!かーくんで決定!」
はい、けってぇー。
「よろしく。かーくん」
「ほいほい」
んーなんかイラつくなー。
「弟は~、み 「満以外でー」…」
…君もですか。じゃあ「みーくん」
「みー」
「…はい、みー。よろしく」
最初からみーって呼んでって言えよ。
「ほーい」
兄をかーくんで弟をみー。
よし。
「神澤くんは 「呼び捨て希望です」…神澤は 「名前で」………あー、うん。よろしく、響」
「よろしくね」
こいつ被せ過ぎだっ!!!!!この王子がっ!ニコニコしてるし…ドSだなこいつ。
「明日の朝、全生徒に紹介するから」
「はい了解」
もう、どーにでもなれ。
「これから大変だぞ~棗。頑張れよ~、1人で」
「ムンムンって呼ぶぞ」
「お、お助けします」
「よし」
扱いやすいな、ふふふ。 あ、鳥肌。ふふふ、なんて言うもんじゃないな。
「満ぅ」
「薫ぅ」
何やってんのこいつら双子は…。見つめ合ってるし。
「「明日が楽しみだね」」
あ、そうか分かった。
「…ホモなのか」
「違うっ!!」
「兄弟愛!!」
「…」
「…」「…」
「…ぷ、弟を甘やかし過ぎだぞ?かーくん」
「…」
「みー、少しはやる気だせ」
「…」
なんで固まってんの。 こいつら固まるの好きだよな。
「明日は、早めに体育館に来て下さい」
「ほーい」
明日、何やんのかなー。
「あ!メアド教えてよ!」
「…」
「な、なんだよその目!」
「いっくんメアド教えてー」
「なっ!?おい!なつ 「はい」…」
「おぉありがとー」
「明日メールしますね」
「了解でーす」
「僕にも教えてよ」
「いっくんに聞いとくれーい、響くーん」
「…樹」
「はいはい」
「僕にも」
「僕にもー」
「はいはい」
「おっれにもー!」
「はいは 「嫌」……だそうです」
「…では寮に行くんで、さいならー」
寮に行きますよっと。
「な、棗が冷たいよぅ」
隅にいるやつは気にしないよ?とっとと寮に行きましょうか。
「シクシク」
「…」
「シクシク」
「……樹に聞けばいいだろ」
あの後、爽は樹にメアドを聞いたみたいだ。
メールがきましたもん。
<<やっほ~☆登録してね?あなたの王子様よりっ>>
って。 いやー間違えだと思って消しちゃった。あはは。
嘘だよ。たぶん消してないと思う。