8.魔族とピンチ
そういえば一昨日はホワイトデーでしたね
まあ私には返す相手なんていないんですが
…そんな目でこっちを見ないで下さい
「私はこの先の街で領主をしているシーノ·フューデルと申します。実は1日前に、街が魔族に襲われてしまったのです」
「えっ…!?魔族に…!?」
「…魔族って?」
「…ヤコウ君知らないの?」
「はい」
「…」
リーンさんに「そんなことも知らないのか」という顔をされた。常識なのか。
「魔族はちょー強くてちょー悪いやつらなの」
説明が適当すぎる…
「強いってどのくらい?」
「Aランクの冒険者と同じくらい」
「レトフさんと同じくらいか…」
じゃあ楽勝じゃね?と思ったが口には出さない
「何故襲われている街の領主がこんなところに?」
「襲われているときに騎士たちが命をかけて私を逃がしてくれたの…今から次の街に助けを呼びに行くところだったのよ…」
「そちらの騎士さんは?」
「私は新米だったので…先輩達が一緒に逃がしてくれたんです」
そう言うと騎士は頭の鎧をとった。背も高いし声も低めだから男かなと思っていたけど女の人だった。ちなみに美人。
「そうなんですか…」
({探知}範囲拡大、{千里眼}!)
いた。身体が黒く、人型で角と翼がはえている。想像した悪魔とほとんど一緒だ。
(風弾!)
風の弾をぶつけて、気絶…させられたのだが、一匹だけ気絶しなかったやつがいた。千里眼でそいつを見ていると、目があった。
(あ)
マズイ。こっち飛んできた。
「あの、フューデルさん」
「はい。何でしょう」
「魔族の中にリーダー的な奴っていました?」
「街に乗り込んできた時にヘイランという上級魔族がいました」
「…そいつって女で、顔と身体に模様がはいってて、角がでかい?」
「はい…何故ヘイランの姿を知っているのですか?」
「いやぁ…あはは…」
「ねえ…向こうから何か来てない?」
「あれは…魔族!?フューデル様!速くお逃げください!」
「今逃げても間に合わないわ…」
(「やっちったー…」)
「こんにちは。早速だけど質問よ。さっきこちらのほうから魔法が飛んできて私の部下達が気絶してしまったのだけれど…あなた達何か知らない?」
いきなりのヘイランからの質問に俺以外の3人が固まる。
「…知らないわ」
「…知らない」
「…知らないけど」
「………………知らない」
上から順にフューデルさん、騎士、リーンさん、俺である。
「そもそも私あんまり魔力高くないし…」
「私も魔法は使えません」
「私も剣以外は使った事が無い」
「………………お、俺もそんなに魔力高くないし…」
「ヤコウ君さっきから何でそんなに間が空くの?」
「き、気のせいじゃないかなー」
「「「「…」」」」
「おまえら何故無言でこっちを見る?」
ヘイランも一緒に見るなよ。仲良いなおまえら
「『闇-弾-小僧』」
いきなりヘイランが俺を指さして魔法を撃ってきた。
「うわっ!」
「ヤコウ君!!」
避ける技術なんてないので自分の魔法防御力を信じて受ける。
やっぱり無傷だった。
「危ないだろ!何するんだ!」
「本気で撃ったのに無傷…?」
何かヘイランがショックを受けている
他の3人も化け物を見るような目をしている。どうしたんだ?
「ヤコウ君…大丈夫…なの…?」
「大丈夫ですけど…どうしたんですか?」
「上級魔族の魔法はAランクの魔法防御力が高い人がギリギリ死なない威力と言われているんだけど…ヤコウ君本当にIランク?」
「Iランクですよ。ほら」
ギルドカードを見せる。ヘイランを含めた全員が何もんだコイツという顔をしている
「ステータスは…?」
「はい」
{偽装}をかけたステータスを見せる。
「ほら、弱いでしょう?」
「…ホントだ」
「「…本当ですね」」
「なっ…………」
ヘイラン以外の3人は信じたようだがヘイランだけ口を開けて固まっている。
「きゅっ…9999…!?」
「なっ…!」
ヘイランにだけ本当のステータスが見えてる!?
「!?まさか偽装の魔法を「わあああああああああああ!!!!!」ぐへっ!?」
何か危ないことをバラしそうだったので剣の鞘で殴って気絶させる。
「…あのヤコウ君今偽装の魔法って「魔族に惑わされるんじゃない!!これはきっとコイツの罠だ!」…」
「さっきヘイランが9999と言っていたような…」
「気のせいだ!」
「魔族をあっさり気絶させましたがいったいどうやって…」
「つ、ツボがあるんだよ!」
「「「はあ…」」」
ヤバイ、あとでヘイランには口止めしておかなければめんどいことになる!
どうする?どうする俺!
読んで下さってありがとうございます
最初に考えてた話からそれているので話が行き当たりばったりな感じに
もう一度この方面で話を組み立てたほうが良いのだろうか…
次回 上級魔族とその部下達