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『シキキキキ』  作者: Otama
【第一環・ ナカヤノブ 】
7/7

第一話⑤ 『清明』――「悪魔/取引」

校長室で始まる取り調べ。大人たちの目論見とは――

「さあさあ入って入って」


校長の導きの元、校長室にはいった二人。

校長室は無駄に装飾がされており、校長の趣味が窺がえる。

流石は都内の私立高。その装飾はともに好調の権力をひけらかしているようにも見えた。

二人の微妙な反応に校長が反応する


「あ、これかい?ワタシはあまりこういう趣味はないんだけどね。歴代の好調からの伝統なんだよ……」


校長は妙な言い訳をしていたが二人の反応や態度は変わらなかった。

刑事の二人が校長の案内のもと席に着くと修也と信の二人も席に着いた。

校長は立ったまま話しかけてくる。


「今回は込み入った話になるんだけど、時間イイかな?こちらの二人は……」

「校長先生、ここは自分で。糸井だ、よろしく」


畏まる様子もなく挨拶をする刑事はベテランらしいがまるで友人にするようなどこか親近感のある荒い挨拶だった。


「えーっと、今回事件をはじめても、持つことになりました。に、西 明日美です。よ、よろしく……ね?」


こちらは大学生の垢抜けないような雰囲気の女性。言い淀むところから緊張しているのがよくわかり、初々しい姿ではあるが。その様子に対して修也と信長の二人は


(可愛いけど、可愛いだけだな。まぁ、場の空気が和むならいいか)

(ダメだこいつ、早くなんとかしないと……)


とやけに冷たい評価だった。

挨拶が終わったため、校長は役割を終えたことを確認すると立ち去っていく。


「私はこれで」


一体何がしたかったのか企みは未だ謎だが……そんな校長を気にせず、聴取を開始した。


「二人の当日の事を教えてもらいたい」


糸井の質問に細かく事情を話す二人。

うんうんと頷きながらも、速筆で書き留める西。


「二人が朝霞さんと連絡つかなくなったのは何時ぐらいかな」

「確か盆過ぎあたりですね」

「ほら、履歴が」


修也がケータイを開示する信もポケットをまさぐっていたため遅れてだが

受信履歴を見せる。SNSなどの記録も提示したが特に成果はなさそうであった。

小一時間が経過すると、いつしか取り調べは終わった。


「なんで取り調べ室ではなく、ここなんですか」

「え、えっとねここなら二人も落ち着いて話せるかなーって私が」

「西、お前まさかそんな理由でここにきたと思っているのか?」

「え?違うんですか?」

「はぁ、修也くんの方が優秀だぜ」

「ええっ!?」


西はこちら側の人間らしい。校長と糸井のやり取りは聞いていなかったのだろうか。

マークすべきはやはり糸井。そして修也は聞き逃さなかった。

糸井が「琴塚」という氏ではなく「修也」という名で呼んだことを。


(やはりこいつは会ったことがある)


修也は糸井に鋭い眼差しを送る。

糸井は相変わらずざっくばらんとした態度を示す。

それは表面上オープンしているように見せるための演技。

腹が黒いのは知れている。


「取引をしにきたんだ。」

「取引?」

「嗚呼、悪魔のな」

「今回の件、上としては自殺扱いにして捜査を終わらせようとしている。そこでだ。

俺は別件があるから顔を出せないが、まだ数ヶ月しか活動していない西なら貸し出すことが可能だ。

新米だから実績など残さなくてもいい」

「そんなんでいいんですか」


修也はいい加減な大人達の裏の策略を必死に読もうとする。

それは計算か、素か。うまく見極める目が必要となる。

信はそんなことは気にもせず話の流れを追っていた。


「良くないがウチの局長は西に甘いんでな、何とかなるだろう」

「つ、つまり、事件を秘密裏に捜査する訳ですか、先輩」

「お前は使い物にならんかもしれないがな」

「そ、そんなこと」

「じゃ、今回は頑張ってくれよ!」

「え、えーーーっ」


修也にとってこの会話は茶番に見えてしかたなかった。

信は積極的な話だと二人に好印象を得た。


「あの、校長とは何を」

「ヨタ噺さ。最近ここら一帯の高校で同じような事例が見られている。

校長先生はその話を聞いて、これでいい話が生徒達に出来ると大変喜ばれていた。

多分、有栖さんみたいな被害者を出したくないんだろうな。

まぁ何がともあれこの事件の担当は西に任せる。今日はお疲れ」

「失礼しました」


校長室を後にして暫く、二人はやっと正門を抜けた。と同時に二人の肩の荷も降りた。

想えば色々なことがあったなと信は思った。

始業式に、謎の少女に、取り調べ。信は心身共に疲れていた。

対して修也はまだ生き生きというか奇妙な陽気があった。

西さんが仲間に加わった!


物語緩やかに進んでいきます。

一話は6ページ設定ですのであと一ページで一話が終わります。

五話くらいで一環が終わるのかな?長くてスンマセン(笑)

頑張って更新していこうと思います!

応援よろしく!

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