始まり
新しい道に挑戦しました。
皆様の暇を潰せたら幸いです。
オカシイと思ったことはないだろうか?
お金を持っているのは悪い奴ばかり。
優しい人は早死する。
神を信じれば救われるといった教えは、いつか自爆テロを引き起こし、罪のないものを巻き込む。
町の不良が楽しそうに闊歩していて、規則を守って生きてきた人間はそれに怯えて隅を歩く。
悪さをした人を怒れば、殴られ、死に至ることもある。
裁判で裁かれる人間への判決が、遺族の思いとは違う結果を招き、泣く。
報われるものと報われないもの。
切っても切れないこの関係が、体中に浸透し、抜き取ることは最早できない。
だが、これらは全て人間自身が作ったもの。
当たり前のような関係は、考え方次第で変わってくる。
地球が中心と疑わなかった時代も変わった。
ただ、それを行えるのは、選ばれた人だけ。
俺のような凡人が、何を言っても変わらない。
だが、星空はとても綺麗で。
その輝きは俺に何かできると訴えてくる。
廃れたはずの生贄の祭り。
俺の好きな人。
日常との別れ。
夜の暗さは、考え事をしている時にはちょうどいい。
いや、昼間でも一向に構わないのだが。
とにかく。
俺が言いたいのは。
どうしたら決まり事から抗えるのかってことだ。
深紅高校。
普通の高校だ。何も変わってはいない。
ここの三年に俺、桂馬忠義が在籍している。
見た目もさして、変わったところはない。
短髪の髪に学生服。体型も普通だ。
日常になんの不満もない。
いや、少しはある。
勉強やテストとかのことではない。・・・嫌だけど。
この町。地祭町に不満があるのだ。
それは毎年行われる祭り。
鎮魂祭だ。
名前の通り、これは神様を鎮める祭り。
出店とかがでるのかと思いきや、厳粛な祭りらしく、聖なる儀式のみの祭り。
そこでは、二人の人柱が選ばれ、社の裏の決まった場所に埋められる。
去年の秋。人柱として埋められていく様子を初めて見た。
埋められていく十代の男女。どうやらカップルらしい。
裏山への出発の際に二人とも友達や親に手を振り、満面の笑みを浮かべ、死ぬことなど恐くない。むしろ、名誉だ。と言わんばかりの明るさだ。
その両親もとても嬉しそうで嬉しそうで。
歩いて行く時も、女の方は投げキッスするほどのやんちゃ振り。
そして、二度と帰っては来ない。
次の日。その両親に聞いてみた。
「悲しくないの?」
すると、
「むしろ大感激だわぁ。私が選ばれたかったくらいよ!」
「だったら夫婦でいくかい?」
と楽しそうに笑っていた。
俺にはそれがオカシイとは思わなかった。
だって、生まれた時から当たり前のように毎年やっていたことだし。
学校や家でもこの祭りの素晴らしさしか聞いてない。
どれだけ名誉なことか。自慢できることか。
選ばれなかったことを悔やみ、自殺した人までいるらしい。
だが、俺は遂に気づいてしまった。
この光景が異常なことに。
変なところがございましたら、指摘くださるようお願い致します。
遅い更新になると思いますが、見てくださると嬉しいです。
次からヒロインがでる予定です。