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〈Essay〉日常の中に在るさまざまなこと。  作者: 高峰 玲


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震える、肩




 就職してから9年ほどはバス通勤をしていました。

(まだ給料が安いので車のローンを組む余裕がない+勤務地が市内だったので月極駐車場が高い+ぺーぺーの分際で車通勤はナマイキという風潮)


 今から考えると、まだ通勤に使えるだけの本数、バスが走ってくれていた時代でした。

(毎年のように料金は値上がりし、終バスの時間が繰り上がり、繁忙期の残業でバス時間に間に合わないことからペーパードライバーを卒業してマイカー通勤を余儀なくされるのですが……)


 なにぶん田舎のことですので、毎朝、同じバスに乗るメンバーは同じ、誰がどこの停留所で降りるのかも何となく知っている状態です。そんなある日のことでした。


 いつもそうなんですが、その日も彼は比較的前のほうの席に座っていました。黒い詰襟の学生服(いわゆる学ラン)を着た……中学生でしょうか(高校生にしては幼い印象)。私は、たいていは立っているので、降りやすいように、やはり前のほうの場所をキープしました。有り体にいうと、一人掛け席の彼の前です。


 そして、彼がくしゃみをしました。


「っくしょん!」


 まあ普通の、気持ち良さげな発声です。


 しかし!

 次の瞬間に彼は続けました!


「ちくしょ〜い!」


 私は目が点状態です。


 中学生が、くしゃみをして、いまどきコントでもやらないような「畜生っ!」を奮発してくれやがったのです。


 笑ってはいけない!


 これでもオトナです。未来ある若者の心にトラウマを残してはいけないという分別が働きました。

 私は、知らん顔を装い、笑いを堪えました。そして気づいたのです。彼の前の席の人、後ろの人、私の隣の人も……みんな、笑いを堪えて震えているではないですか。

 みんな、オトナでした。


 その後、彼が車内でくしゃみを発することはなく、いつしかバスには乗ってこなくなりました(卒業したらしい)。


挿絵(By みてみん)


 ちなみにバスの運ちゃんが震えていたかどうかは、記憶にありません。









そういえば、私は“可愛らしい”くしゃみができない。

なので、女性で子犬のように「くちゅん」とできる人が羨ましいです。

あと、彼のアレを聞いてから「っくしょん、ちっくしょ〜ぇ!」と、ついやりたくなって仕方がない……(笑)






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