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〈Essay〉日常の中に在るさまざまなこと。  作者: 高峰 玲


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恐怖の方程式・第二章




 私が通っていた中学校では冬になるとスキー教習なるものがあった。“滑る”ことを避けるゲン担ぎか風邪ひき防止から( 注1)、3年生は免除される。

 かなり昔のことなので記憶が曖昧なのだが、スキー板とストックはレンタルだったの( 注2)、私たちは身一つで集合場所からバスに乗り込み、地元のスキー場へと向かった。


(あれ? 長靴だとスキー板に固定すると痛い? スキー靴もレンタルだったかも?)


 そんなこんなでスキー板を履き、ゲレンデに集合すると、イのイチバンに実演しながら先生が教えてくれたのがキックターンだった。


………これを書くにあたり、怪しい記憶を補填するためググるとこんな見出しがあった!


  挿絵(By みてみん)


 へ? 唯一の? なんか、不穏な気配がございませんか?


 たしか、男子の体育を受け持つ「ボボ」という通り名(あだ名)のコワモテ系男性教諭の実演だった。


 たかだかと足を上げてスキー板を直立させて逆方向に倒す。流れるようにもう片方も反転させる。


 いまにして思えば、体が柔らかい学生(こども)時代だから目コピで(見てすぐ)マネできた芸当である。いまやれと云われたら……ぜったい、ムリ! 股関節脱臼すること必至、いや、まず、スキー板履いた足を蹴り上げることすら、できぬ……っ!!!


 とりあえずできるようになったら、もともとスキーが滑れる子はゲレンデの上へ行き、初心者は比較的なだらかな坂でボーゲンに入る。スキー板を「ハ」の字にして坂を斜めに、ゆっくりゆっくり降りてゆく。


「すごい真面目なカオで滑っとった〜」


 と、後でクラスの子に言われたが、当然である。私の頭にはしっかりと“スキー=骨折”が刻みつけられている。こんなところで整形外科病院へ拉致られるわけにはいかんのだ。ふざけてる場合じゃない。


 そして!

 ゆっくりゆっくり斜めに滑った私は、坂の()()()に到達した。ボーゲンで滑ったとはいえ、まだ向きを変えられるレベルではない。そこで、キックターンで向きを変えざるを得ないということになる。やるっきゃない!

 

「──!」

 言葉にならない気合いで、私は片方のスキー板を180°逆向きにした。恐怖の方程式・第二章が始まったのはその瞬間だった。向きを変えた方の板が、後ろに滑ったのである!


 初心者の使う技じゃなかったのか!?


 こわい、ムリ、ダメ!! ぜったい!!!


 斯くして、ゲレンデにロマンスをまったく感じない雪国うまれ・雪国そだちは完成したのであった。



 スキーがダメならスノーボードを楽しめばいい?


 そんな………ムリ………((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル















注1 たぶん両方?


注2 ウェアのレンタルがあったかどうか、覚えてない。通学には学生服メーカー仕様のコートを着ていたので、たぶん小学生時代のアノラック(まだ着れた)とゴムカッパのズボンに長靴履きだったと思う。個人的にスキーをする習慣がある子はオシャレなウェア(自前)だったかも。しかし、どうせインナーは中学ジャージである。



ちなみに、同じくスキー初心者の友人はなだらかな坂を止まれず、レストハウスの屋根雪が積もった場所まで行ってしまったそうである。




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